2026年8月31日月曜日

NTTを36万株までナンピン②|売買益18万円で全返済、その後は160円から急落

前回は、上昇に乗るつもりで始めたNTTの信用取引が、ナンピンを重ねるうちに36万株まで膨らんだ経緯を振り返りました。

株価150円前後なら、建玉金額は約5,400万~5,600万円。36万株では、株価が1円動くだけで評価損益が36万円変わります。

NTTの業績や配当に大きな不安があったわけではありません。ただ、ほかにも大きな信用買いポジションがあり、信用取引全体を軽くしたいと考えていました。

そこで2026年7月28日、NTTの信用買い建玉36万株を平均154.85円ですべて返済。実現損益は17万9,402円でした。

ところが、その後NTT株は一時160円まで上昇します。もう少し待っていれば、利益は大きく増えていました。

さらにその後、株価は急落しました。

売るのが早かったのか。それとも、売っておいてよかったのか。

今回は、2年以上に及んだNTTの信用取引の最後を振り返ります。

この記事のポイント
・NTTの信用買い建玉36万株を平均154.85円ですべて返済
・売買益は17万9,402円、信用分の配当を含めると単純合計で約87万円
・返済後に株価は160円まで上昇したものの、その後急落した

信用取引全体を軽くしたかった

2024年から買い下がった結果、NTTの信用建玉は36万株まで膨らみました。

NTTだけを見れば、急いで売らなければならないとは考えていませんでした。業績や配当面への安心感もあり、株価が下がっても持ち続けられると思っていたからです。

ただ、ほかにも大きな信用買いポジションがありました。

NTTだけで約5,600万円。信用取引全体の金額を考えると、どこかでポジションを減らしたい状況でした。

そこで、NTTが利益になったところで36万株を整理することにしました。

NTTの先行きを悲観したのではなく、信用取引全体を軽くするための返済です。

※36万株まで膨らんだ信用建玉の規模感を示したイメージ。

2年以上積み上がった信用金利

もう一つ気になっていたのが信用金利でした。

最も古い建玉は、2024年4月1日に176.9円で買った2万株です。最終返済は2026年7月28日なので、2年以上持ち続けたことになります。

利用していた信用金利は比較的低かったものの、数千万円規模の建玉を長く持てば負担は無視できません。

正確な金利総額は売買履歴から切り分けられませんが、実感としては結構な金額になりました。

配当を受け取りながら待てる銘柄でも、信用買いなら時間とともに金利が積み上がります。

反省点
現物なら待てると思える銘柄でも、信用買いで同じように待ってよいとは限りません。低金利とはいえ、2年以上の保有はさすがに長すぎました。

36万株を平均154.85円で全返済

2026年7月28日、積み上がっていた信用買い建玉36万株をすべて返済しました。

項目 数値
返済株数 360,000株
154.8円で返済 180,000株
154.9円で返済 180,000株
平均返済単価 154.85円
実現損益 +179,402円

約5,600万円規模の建玉を返済して、売買益は17万9,402円です。

36万株では株価が0.5円動けば18万円変わりますから、取引規模に対して利益はかなり小さいものでした。

また、36万株すべてが利益だったわけではありません。

176.9円や157円台で買った建玉には損失が出ましたが、その後に買い増した建玉の利益と合わせ、全体では17万9,402円のプラスになりました。

※2026年7月28日の返済内容をまとめたイメージ。

信用分の配当を含めると約87万円

保有期間中には、信用建玉分に対応すると考えられる配当入金もありました。

現物3,000株分として記録されている配当を除くと、信用分は次のとおりです。

入金時期 対象株数 入金額
2024年12月 38,000株 83,668円
2025年6月 40,000株 88,072円
2025年12月 30,000株 67,324円
2026年6月 200,000株 448,830円
合計 687,894円

売買益17万9,402円と合わせると、単純合計は86万7,296円です。

売買益18万円だけで見るよりはマシですが、ここから2年以上の信用金利を考える必要があります。

したがって、この約87万円をそのまま今回の純利益とは考えていません。

※配当と売買益の単純合計。信用金利は含めていません。

売った後に160円、その後急落

36万株を平均154.85円で返済した後、NTT株は一時160円まで上昇しました。

154.85円から160円までは5.15円。

もし36万株をそのまま持って160円で売れていれば、単純計算で約185万円分、売却額が増えていました。

約18万円の利益で売った直後だけに、

「もう少し待てばよかった」

と思うには十分な値動きです。

ただ、その後NTT株は急落しました。

急落を予想して売ったわけではありません。信用取引全体を軽くするために返済したところ、その後に上昇し、さらに下落しただけです。

売却直後だけを見れば、明らかに早売りでした。

しかし、そのまま持ち続けていれば再び含み損に戻っていました。

実は、この取引では以前にも建玉全体がプラスになった場面がありました。それでも、もう少し利益が伸びると考えて売らず、再び下落に巻き込まれています。

今回も160円を狙って返済を先送りしていたら、同じことを繰り返していたかもしれません。

後からチャートを見れば、160円で売るのが正解です。

でも、その時点では160円が天井なのか、そのまま165円、170円へ行くのかは分かりません。

売買タイミングの難しさがよく出た取引だったと思います。

まとめ

NTT36万株を平均154.85円で返済し、売買益は17万9,402円。信用分の配当を含めると単純合計は約87万円でした。

ただ、最初の建玉から2年以上かかっています。信用金利まで考えれば、効率のよい取引だったとは言えません。

ほかにも大きな信用買いポジションがある中で、36万株を利益で整理し、信用取引全体を軽くできました。

最高値では売れませんでしたが、それで十分だったと思います。

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2026年8月28日金曜日

東京エレクトロン1,200株を約22万円で利確②|上昇直前で手放し、大魚を逸す

前回の記事では、2022年に東京エレクトロンを6万円台から買い始め、下落中も買い増した取引を振り返りました。

半導体サイクルはいずれ回復すると考え、狙っていたのは次の上昇局面です。

そして2023年。

ようやく株価が戻り始め、本来ならここからが待っていた相場でした。

ところが私は、その上昇をほとんど取れないまま、5月に1,200株をすべて売却してしまいます。

売却額は約2,200万円。

利益は、わずか218,117円でした。

この記事のポイント
・下落中に買い増し、次の半導体サイクルでの上昇を狙っていた
・2023年5月の決算発表で業績見通しの悪化を見て全株売却
・1,200株、約2,200万円を売却した利益は218,117円
・その後、株価は下がらず上昇していった

ようやく含み損から抜け出した

2022年末にも東京エレクトロンの信用建玉は残っていました。

2023年1月11日には200株を平均42,905円で返済売りし、154,773円を利益確定。

さらに3月29日には47,970円で100株を信用買いしました。

その後、東京エレクトロンは1対3の株式分割を実施し、分割後に残った信用建玉は1,200株です。

2023年に入ると株価は回復し、長く続いた含み損もようやく解消されていきました。

本来なら、ここからさらに持ち続けるつもりでした。

そもそも2022年に下落中でも買い増したのは、

「半導体サイクルが回復すれば、東京エレクトロンは大きく上がる」

と考えていたからです。

含み損がなくなった程度で終わるために、あれだけ買い下がっていたわけではありません。

決算発表で業績悪化を見て、一度手じまいした

ところが2023年5月の決算発表時に、東京エレクトロンから業績見通しの悪化が示されました。

半導体市場が弱いこと自体は以前から分かっていましたが、会社側から厳しい見通しが示されると、

「半導体市況の低迷は、もう少し続くのではないか」

と考えるようになりました。

ちょうど株価が戻り、含み損から抜け出せた時期でもあります。

東京エレクトロンの将来性を否定したわけではありません。

一度ここで手じまいし、株価が下がったところで買い直すつもりでした。

そこで5月、1,200株を3回に分けてすべて売却しました。

約定日 株数 売却単価 実現損益
2023/05/12 300株 16,130円 +37,590円
2023/05/18 300株 18,350円 +108,480円
2023/05/26 600株 平均19,430円 +72,047円
合計 1,200株 平均18,335円 +218,117円

約2,200万円分の株を売って、利益は約22万円。

利益率にすれば、おおむね1%です。

一応、利益ではあります。

ただ、2022年の下落中に何度も買い増し、次の上昇を待っていた取引としては、何とも微妙な結果でした。

※2022年の買い増しから、2023年5月の全株売却までの流れを整理したものです。

下がったら買い直すつもりだった

売却した時点では、株価が再び下がると考えていました。

業績見通しは悪化し、半導体市況もまだ弱い。

ならば、もう一度安く買える場面が来るだろう。

そう考えていました。

ところが、その下落は来ませんでした。

私が手放した後も、株価はそのまま上昇していきます。

買うときも売るときも、一歩遅かった

今振り返ると、この取引の一番大きな反省点はここです。

2022年には好業績を見て買い増しましたが、株価はその先の業績悪化を先取りしていました。

2023年には悪化した業績見通しを見て売りましたが、今度は株価がその先の回復を先取りしていました。

反省点
買うときも売るときも、公表された業績に引っ張られ、株価より一歩遅れて判断していました。

※2022年と2023年で、業績を見た私の判断と株価の動きを比較したものです。

私は半導体サイクルがあることを分かっているつもりでした。

それなのに、実際に業績悪化が数字として見えると弱気になり、本来待っていたはずの上昇局面を前に降りてしまいました。

このザマである。

約22万円の利益より、逃した上昇が残った

2023年の東京エレクトロン全体では、1月の利益も含めて372,890円の実現利益になっています。

損をしたわけではありません。

それでも、この取引で強く残っているのは利益額ではなく、

「せっかく下落中に株数を増やしたのに、上昇直前で全部売ってしまった」

という感覚です。

まさに大魚を逸した、という気分でした。

この反省はレーザーテックで生きた

この東京エレクトロンでの早売りは、その後の半導体株の取引でも意識することになりました。

特にレーザーテックでは、

「東京エレクトロンのように、上昇前に全部手放してしまわないようにしたい」

という思いがありました。

結果としてレーザーテックでは、上昇局面でもポジションを残しながら取引し、多くの利益を得ることができました。

まとめ|待っていた上昇の直前で降りた

振り返れば、好業績を見て買い、業績悪化を見て売るという判断が、どちらも株価の後追いになっていました。

下落中に買い増すことはできた。

しかし、本当に難しかったのは、その先の上昇まで持ち続けることでした。

東京エレクトロンは、利益額以上にその反省が残った取引です。

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2026年8月25日火曜日

東京エレクトロンを6万円台から買い増し①|下落トレンドでも半導体の回復を信じた

今回は、2022年から始めた東京エレクトロンの取引を振り返ります。

最初に信用買いしたのは、2022年1月20日。買値は60,300円でした。

その後、株価は下落トレンドへ入ります。それでも私は、半導体需要はいずれ回復すると考え、4万円台、さらに3万円台まで買い増しを続けました。

安値で株数を増し、次の上昇局面で大きな利益を得るつもりだったからです。

途中では短期売買で約194万円の利益を確定した一方、建玉整理によって約380万円の損失も出しました。

それでも東京エレクトロンからは撤退せず、2022年末には500株の信用建玉を持ち越しています。

この記事のポイント
・60,300円から東京エレクトロンを信用買い
・短期売買で利益を得ながら、下落中も買い増し
・37,030円まで買い下がり、2022年末に500株を持ち越し

※60,300円で買い始め、短期売買で約194万円を確定。その後も37,030円まで買い増し、2022年末には500株を持ち越しました。

60,300円から信用買いを開始

2022年1月20日、東京エレクトロンを60,300円で200株信用買いしました。

翌21日にも、平均57,150円で200株を追加しています。

半導体需要は強く、東京エレクトロンの業績も好調でした。多少株価が下がっても、再び上昇すると考えていました。

ところが、買い始めたところは株価の高値圏でした。

その後も株価は下落しましたが、この時点では長い下落トレンドになるとは考えていません。むしろ、好業績の成長株を安く買える機会だと思っていました。

買いと短期売買を繰り返す

東京エレクトロンの株価が下がるなか、私は信用買いと返済売りを繰り返しました。

長く持つ建玉だけでなく、株価が少し戻ったところで売却する短期売買も並行していました。

2022年6月8日までに確定した利益は、合計で約194万円です。

下落相場のなかでも一定の利益を得られたため、当時は東京エレクトロンとの相性が悪いとは感じていませんでした。

むしろ、株価が下がれば買い、戻れば売るという取引が機能しているように見えました。

この成功体験が、その後も買いを続ける理由の一つになったと思います。

下落しても買いを止めなかった

東京エレクトロンは半導体製造装置の大手企業です。

半導体市場には好不況のサイクルがあります。需要が減速する局面があっても、いずれ次の成長局面が来ると考えていました。

そのため、株価の下落を見ても、東京エレクトロンそのものの成長が終わったとは思いませんでした。

下落中に株数を増やしておけば、半導体サイクルが回復したときに大きな利益を狙える。これが当時の基本的な考え方です。

しかし、株価の下落は止まりませんでした。

6万円台から始めた買いは、5万円台、4万円台へと下がっていきました。

2022年の主な売買

時期 取引 株数・単価 結果・状況
2022年1月20日 信用買い 200株・60,300円 最初の買い
2022年1月21日 信用買い 200株・平均57,150円 下落中に追加
2022年6月8日まで 短期売買 複数回 約+194万円
2022年6~7月 建玉整理・現物売却 複数回 約-380万円
2022年7月22日 信用買い 100株・44,800円 買い直し
2022年8月30日 信用買い 100株・43,690円 買い増し
2022年9月29日 信用買い 100株・37,030円 この期間の最安値圏
2022年11月 返済売り 500株 約+111万円
2022年12月 信用買い 各100株・43,110円/41,110円 2022年末に500株を持ち越し

※青の▲が買い、赤の▼が売りです。2023年4月の1対3の株式分割に合わせ、チャート上の価格と株数は分割後に換算しています。本文と表の約定価格は、取引当時の実際の価格です。

短期売買の成功が判断を難しくした

2022年前半には短期売買で約194万円の利益を確定できました。

その一方、株価の下落によって保有中の建玉には含み損が増えていました。

短期売買では利益が出ていたため、「下がったところで買えば、また戻ったときに売れる」という感覚が強くなっていたと思います。

しかし、実際には小さな反発を取りながら、より大きな下落に付き合っていました。

個々の売買では利益が出ても、東京エレクトロン全体のポジションは徐々に苦しくなっていきました。

足元の好業績を見ていた

当時の東京エレクトロンは、足元の業績だけを見れば好調でした。

半導体需要は強く、業績も伸びていました。そのため、株価の下落が業績悪化を示しているとは考えにくかったのです。

私は、好業績なのに株価だけが下がっていると考えました。

しかし、株価が見ていたのは現在の業績ではなく、その先にある半導体需要の減速でした。

株価は業績の先を見ていた

2022年に東京エレクトロンの株価が下がっていた理由は、当時の好業績だけでは説明できません。

パソコンやスマートフォン向けの需要減速、半導体メーカーの設備投資縮小など、先行きへの警戒が株価に織り込まれていました。

実際に東京エレクトロンの業績見通しが悪化するのは、その後です。

株価は現在の好業績を見て売られていたのではなく、その先の業績悪化を見越して売られていたのでしょう。

半導体サイクルがあることは知っていました。それでも、すでに下降局面へ入っていることへの認識が遅れました。

半導体はいずれ回復する。そこまでは合っていました。

ただ、「いずれ」がいつなのかまでは分かっていませんでした。

一部を整理しても買いを止めなかった

下落が続いたため、2022年6月から7月にかけて、一部の信用建玉を返済し、現引きした株も売却しました。

この整理では約380万円の損失を確定しましたが、それでも東京エレクトロンから完全には撤退しませんでした。

7月22日に44,800円、8月30日に43,690円、9月29日には37,030円で、それぞれ100株ずつ買っています。

11月には500株を売却し、約111万円の利益を確定。その後、12月には43,110円と41,110円で各100株を追加しました。

途中で建玉を整理しながらも、次の上昇局面に備えて買い直す方針は変えませんでした。

2022年末には、500株の信用建玉が残りました。

2023年、ようやく株価が戻り始める

2023年に入ると、東京エレクトロンの株価は回復へ向かいました。

2022年の下落中に買い増してきた建玉も、ようやく利益が見える水準に戻ってきます。

本来なら、ここからが待っていた上昇局面です。

下落中に増やした株数を生かし、もっと高値まで持つ。そのつもりで2022年の下落に付き合ってきました。

ところが、実際にはそうなりませんでした。

まとめ

2022年の東京エレクトロンでは、足元の好業績と将来の回復を信じ、6万円台から4万円台、さらに3万円台まで買い下がりました。

しかし、株価はすでに半導体サイクルの悪化を先取りしていました。将来は回復するという見方は合っていても、買い始めるタイミングは早すぎたのだと思います。

それでも建玉を残し、2023年の株価回復を迎えました。

ところが私は、業績見通しの悪化を見て、残っていた1,200株をわずかな利益ですべて売却します。

次回の記事
高値まで持つつもりだった東京エレクトロンを約22万円の利益で手放し、その後の大きな上昇を逃した取引を振り返ります。
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2026年8月22日土曜日

NTTを36万株までナンピン①|上昇狙いが2年越しの信用取引になった

今回は、NTTの信用取引を振り返ります。

2024年4月、上昇していた株価の流れに乗ろうと、NTTを176.9円で信用買いしました。

しかし、その後の株価は期待した方向には進まず、160円台、150円台へと下落。160円を割ったところでは割安になったと考え、さらに買い増しました。

業績や配当面への不安は小さく、保有を続けることや、下値でナンピンすることに強い恐怖はありませんでした。

その安心感もあり、途中で利益が出る場面でも、もう少し上がると考えて売らずに保有を継続。株価が再び下落するたびに買い増した結果、信用建玉は最終的に36万株まで膨らみました。

この記事のポイント
・2024年4月、176.9円で2万株を信用買い
・上昇狙いの取引が、下落に耐える取引へ変化
・途中で利益が出ても売らず、買い増しを継続
・最終的な信用建玉は36万株、約5,600万円規模

第1部では、上昇に乗るつもりで始めた取引が、なぜ2年以上に及ぶ大きなポジションになったのかを振り返ります。

2023年の短期売買はうまくいっていた

NTTは2023年にも信用取引をしています。

当時は160円前後で買い、数円戻ったところで売る短期売買がうまくいっていました。合計5万5,000株を売買し、実現利益は11万5,478円です。

この経験から、NTTには「下がっても比較的戻りを取りやすい銘柄」という感覚がありました。

ただ、2024年に始めた取引は、2023年の短期売買とはまったく違う展開になりました。

上昇に乗るつもりで176.9円から買った

2024年4月1日、NTTを176.9円で2万株、信用買いしました。

この時は株価が上昇しており、その流れに乗って利益を取るつもりでした。

安値でじっくり待つ取引ではなく、上昇が続くことを期待した買いです。

ところが、買った後の株価は下落に転じました。

5月13日には160.5円まで下がったところで1万株を追加。さらに5月21日には152.7円で1万株を買い増しました。

最初の2万株を176.9円で買っているため、短期間で大きな含み損を抱えることになりました。

今振り返ると、この時点で取引の前提は崩れています。

当初は上昇トレンドに乗るつもりでした。しかし実際には、株価が下がる中で平均単価を下げ、反発を待つ取引へと変わっていました。

それでも当時は、上昇が一時的に止まっただけで、いずれ戻るだろうと考えていました。

この時点では、最終的に36万株まで増えるとは考えていませんでした。

※176.9円で始めた信用買いが、株価下落とナンピンによって36万株まで膨らんだ流れを整理しています。

160円割れは割安に見えた

株価が160円を割っても、NTTの業績や配当面に大きな不安はありませんでした。

通信事業を基盤とする大型株であり、株価が下がったからといって、すぐに事業が大きく崩れるとは考えていませんでした。

配当も受け取れます。

そのため、160円割れは撤退を考える水準ではなく、割安になった買い場に見えました。

176.9円で買った建玉から見れば、160円や150円台前半で買い増すことで、全体の平均単価を下げられます。

業績に不安がある銘柄なら、下落時のナンピンには慎重になります。

しかしNTTについては、下がった株価を見ても、保有を続けることや買い増すことに、それほど恐怖はありませんでした。

この判断自体は、私の投資スタイルから見れば不自然ではありません。

問題は、銘柄への安心感が、そのままポジション管理への安心感にもつながってしまったことです。

途中で利益が出ても売らなかった

今回の取引は、買ってからずっと含み損だったわけではありません。

長い保有期間の中では株価が戻り、建玉全体で利益が出る場面もありました。

そこで売っていれば、もっと早い段階で取引を終えられたはずです。

しかし、業績や配当面への不安が小さかったため、急いで売る必要はないと考えました。

せっかく長く持ったのだから、もう少し利益を伸ばしたい。

160円台まで戻れば、より大きな利益になるのではないか。

そう考えて保有を続けました。

ところが、その後の株価は再び下落しました。

一度は利益が出た建玉が、また含み損へ戻ります。

この時に感じたのは恐怖というより、「また戻るまで待てばよい」という感覚でした。

NTTなら配当を受け取りながら待てる。下がれば買い増して平均単価を下げればよい。

その考えによって損失を確定せずに済んだ一方、取引を終える機会も先送りしていきました。

短期分は売れても、長期建玉は売れなかった

2025年前半には、150円前後で買い、数円戻ったところで売る短期売買を2回行い、合計約5万円の利益を得ています。

新しく買った建玉は短期で売れる一方、以前から持っていた建玉は売らずに保有を続けました。

ここにも、今回の取引の難しさが表れています。

短期分は目先の利益で決済できても、長く持った建玉には、より大きな利益を期待してしまう。

保有期間が長くなるほど、その建玉に対する期待も大きくなっていたように思います。

2025年秋から買い増しが本格化

2025年10月10日には、153.5円で2万株を信用買いしました。

11月6日にも151.3円で2万株を追加しています。

この時点で、以前から残っていた建玉と合わせ、信用ポジションは再び増え始めました。

さらに2026年に入ると、買い増しのペースが上がります。

時期 信用買い株数 主な買値
2026年1月 30,000株 157.3~157.6円
2026年2月 100,000株 151.1~155.1円
2026年4月 40,000株 151.7~152.6円
2026年5月 40,000株 148.7~150.4円
2026年6月 50,000株 144.0~148.0円
2026年7月 30,000株 147.8円
合計 290,000株

2026年だけで29万株を追加しています。

特に2月には10万株を買い、6月には144円まで買い下がりました。

株価が下がるたびに買い増したことで平均単価は下がりましたが、それと同時にポジションは急速に大きくなっていきました。

気づけば信用建玉は36万株

以前から残っていた建玉と2025年秋以降の買い増しを合わせ、信用建玉は最終的に36万株となりました。

株価を150円前後とすれば、約5,400万~5,600万円規模です。

NTTは1株の価格が低いため、2万株、3万株という株数にも慣れやすいところがあります。

2万株を150円で買っても、金額は約300万円です。

1回ごとの買いだけを見れば、私の信用取引全体の中で極端に大きいとは感じませんでした。

しかし、それを何度も繰り返せば話は別です。

36万株では、株価が1円動くだけで評価損益が36万円変わります。

5円下がれば180万円、10円なら360万円です。

第1部の反省点
NTTの業績や配当に不安がなかったため、保有継続やナンピンには強い恐怖を感じませんでした。しかし、銘柄に安心感があることと、ポジションを際限なく増やしてよいことは別です。途中で利益が出た場面でも売らず、出口を先送りした結果、信用建玉は36万株まで膨らみました。

36万株まで増えた取引の出口

NTTの業績や配当への安心感があったからこそ、下落時にも買い続けることができました。

その結果、平均単価を引き下げ、最終的には利益が出る水準まで持っていけました。

一方で、安心して持てる銘柄だったことが、出口を曖昧にした面もあります。

途中でプラスになっても売らず、下がればまた買い増す。

それを繰り返した結果、当初は2万株で始めた取引が、最終的には36万株になりました。

36万株というポジションは、NTT単体の損益だけでなく、他の銘柄を売買する余力にも影響しかねない大きさです。

第2部では、この36万株を平均154.85円ですべて返済した経緯を振り返ります。

売買益は約18万円でしたが、保有期間中には信用建玉分の配当も受け取っています。その一方で、2年以上に及んだ取引では信用金利も積み上がりました。

さらに、売却後の株価は160円まで上昇した後に急落しています。

もう少し持てば利益は増えていた。しかし、さらに持ち続けていれば、再び含み損へ戻っていた。

第2部では、配当や金利も含め、この売却判断が本当によかったのかを考えます。

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2026年8月20日木曜日

2026年前半に約8,000万円を現物株へ|思いのほか多くの銘柄を買えた半年

2026年前半は、想定を大きく上回る利益になりました。

2026年1月1日から7月10日までの売買履歴を集計すると、株式売買による実現利益は約7,854万円。実際に入金された配当金約818万円を合わせると、約8,672万円です。

年初から日本株が好調で、総選挙をめぐる期待なども追い風となりました。急に売買がうまくなったわけではなく、相場環境にかなり助けられた結果です。

私は、信用取引で得た売買益や現物株の配当金を、現引きや新たな現物株の購入に回すことを基本としています。

今回は、思いがけず多くの株を買うことができた2026年前半について、実際に現引きした銘柄と、新たに現物で購入した銘柄をまとめます。

この記事のポイント
・2026年7月10日までの売買益と配当金は合計約8,672万円
・現引きと新規購入で約8,005万円を現物株へ振り向けた
・商社株や銀行株を現引きし、優待・配当目的の株も新たに購入した

約8,005万円を現物株へ

同じ銘柄への乗り換えに当たる取引を除くと、2026年1月1日から7月10日までに現引き・新規購入した金額は次のとおりです。

区分 金額
信用買いポジションの現引き 63,326,000円
新規の現物株購入 16,726,340円
合計 80,052,340円

合計で約8,005万円です。

そのうち約79%を現引きが占めました。

新しい株を現金で次々に買ったというより、信用買いしていた株の値上がりを利用し、利益を確定しながら一部を現物株へ移した取引が中心です。

前年に買った三菱商事と三井物産

年初に大きく現引きしたのが、三菱商事と三井物産です。

この2銘柄は、前年の株価低迷時に信用買いポジションを多く持っていました。

2026年に入って株価が上昇したため、一部を返済売りして利益を確定し、残したい分を現引きしました。

銘柄 現引き株数 現引き金額
三菱商事 1,600株 約493万円
三井物産 1,500株 約500万円

2銘柄を合わせると約1,000万円です。

株価が戻ったところですべて売却することもできましたが、商社株は配当を受け取りながら保有を続けたい銘柄でもあります。

前年の低迷時に買った信用ポジションを、利益確定だけで終わらせず、一部を長期保有する株へ変えることができました。

3月頃に買った銀行株も一部現引き

銀行株は、2026年3月頃に株価が低迷した場面で信用買いした分の一部を現引きしました。

対象となったのは、三井住友トラストグループ、いよぎんホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループです。

銘柄 現引き株数 現引き金額
三井住友トラストグループ 400株 約196万円
いよぎんHD 100株 約30万円
三井住友FG 1,000株 約500万円
三菱UFJ 1,000株 約275万円

銀行株だけでも、約1,000万円を現物化しました。

3月頃の低迷時に信用買いし、その後の株価回復で利益が乗ったポジションから、一部を残した形です。

私はもともと銀行株を多く保有していますが、業績や配当を考えると、売り切るよりも保有を続けたいと考えました。

そのほかに現引きした銘柄

商社株や銀行株以外にも、多くの銘柄を現引きしました。

銘柄 現引き株数 現引き金額
レーザーテック 400株 約578万円
DMG森精機 1,700株 約408万円
明電舎 300株 約174万円
TDK 1,000株 約199万円
三社電機製作所 1,000株 88万円
トヨタ自動車 1,000株 約289万円
本田技研工業 2,000株 約253万円
日本製鉄 4,000株 約226万円
ソニーフィナンシャルグループ 40,000株 約557万円
キオクシアHD 200株 約1,568万円

この中で現引き金額が最も大きかったのは、キオクシアホールディングスです。株価水準が高いため、200株でも約1,568万円になりました。

レーザーテックと三社電機製作所については、過去の記事で購入から売却、現引きまでの経緯を詳しく書いています。今回は同じ説明を繰り返さず、今年前半に増えた現物株の一覧に加えるだけにします。

トヨタ自動車、本田技研工業、日本製鉄なども、信用買いポジションに利益が乗ったところで一部を現引きしました。

すべてを返済売りして現金に戻すのではなく、今後も保有したい株を残しています。

株主優待を意識して新規購入した株

現引きとは別に、最初から現物株として購入した銘柄もあります。

株主優待を主に意識して買ったのは、西日本旅客鉄道、アルゴグラフィックス、INPEXです。

銘柄 今回の購入株数 購入金額 意識した優待
西日本旅客鉄道 600株 約155万円 鉄道運賃・料金の割引券
アルゴグラフィックス 1,000株 約121万円 カタログギフト
INPEX 500株 約180万円 長期保有でもらえるQUOカード

JR西日本は、鉄道運賃や料金に使える割引券を意識して購入しました。

アルゴグラフィックスは、カタログギフトの優待区分を意識して1,000株まで買い進めています。

INPEXは、それまでに保有していた300株に500株を追加し、合計800株にしました。800株以上では、継続保有期間に応じて2,000円、5,000円、8,000円分のQUOカードがもらえるため、この区分を意識した買いです。

いずれも短期的な値上がりを目的としたものではなく、優待を受け取りながら長く持つつもりで購入しています。

配当金を意識して新規購入した株

そのほかの新規購入株は、主に配当金を意識して買いました。

銘柄 購入株数 購入金額
トヨタ自動車 1,800株 約513万円
NTT 7,000株 約103万円
日本製鉄 1,000株 約56万円
JFEホールディングス 2,000株 約320万円

新規購入で最も金額が大きかったのは、トヨタ自動車です。

現物で1,800株を購入し、さらに信用買い分から1,000株を現引きしたため、今年前半だけで合計2,800株を現物側へ増やしました。

NTTは7,000株と株数は多いものの、購入金額は約103万円です。

日本製鉄は現引きと新規購入の両方を行い、JFEホールディングスも2,000株を購入しました。鉄鋼株については、日本製鉄とJFEの両方を配当目的で増やしています。

私の場合、現物株は株主優待が目的でも配当金が目的でも、基本的には短期での売却を考えていません。優待や配当を受け取りながら保有を続けるための株として買っています。

思いのほか多くの銘柄を増やせた半年

2026年前半は、現引きと新規購入を合わせて約8,005万円を現物株へ振り向けました。

前年から保有していた商社株や、3月頃に買った銀行株を一部現引きする一方、株主優待や配当を目的とした株も新たに購入しています。

想定以上の利益を、商社、銀行、半導体、自動車、鉄鋼、エネルギー、鉄道、通信など、今後保有していく現物株へ変えられたことが、2026年前半の大きな成果でした。

2026年8月18日火曜日

JTが配当予想を272円へ増額②|最新決算から見る増配の原資

JTは2026年7月30日に発表した上期決算で、年間配当予想を242円から272円へ引き上げました。

私が保有する2,300株では、年間配当は55万6,600円から62万5,600円へ増えます。増加額は6万9,000円です。

2021年に140円まで減配した配当は、2026年予想で272円と、5年間でほぼ2倍になりました。

今回の増配を可能にした利益は、どこから生まれたのか。最新決算を中心に見ていきます。

上期利益は約3割増えた

2026年上期は、売上だけでなく利益も大きく伸びました。

項目 2026年上期 前年同期比
売上収益 1兆9,861億円 +17.7%
調整後営業利益 6,617億円 +26.2%
営業利益 6,449億円 +29.0%
親会社帰属利益 4,318億円 +28.9%

売上収益の伸びを、利益の伸びが上回っています。

JTは上期実績を受けて通期業績予想を上方修正し、年間配当予想も30円増額しました。

今回の増配は、配当だけを先に増やしたものではなく、利益予想の改善を伴ったものです。

年間配当は272円へ

修正後の配当は、中間136円、期末予想136円の年間272円です。

配当予想 1株配当 2,300株分
修正前 242円 556,600円
修正後 272円 625,600円
増加額 30円 69,000円

第1部では、2020年に2,300株を購入した翌年、配当が140円へ減ったところまでを書きました。

当時はコロナ禍による一時的な業績悪化と考え、売却せずに保有を続けました。

ただ、配当が減配前の水準へ戻るだけでなく、272円まで増えるとは想像していませんでした。

増配の原資は円安だけではない

配当が30円増えたのはうれしいですが、円安だけで増えた利益なら、円高になったときに簡単に逆回転します。

そのため、今回の決算で一番気になったのは、為替の影響を除いても利益が伸びているかという点でした。

今回の決算で注目した点
たばこ事業では、為替の影響を除いたベースでもコア収益が10.6%増、調整後営業利益が18.8%増となりました。

円安は追い風でしたが、それだけで増益したわけではありません。

その中心となったのが、海外市場での値上げと、加熱式たばこの成長です。

※円安を除いた利益成長、値上げ効果、加熱式たばこの伸びと、272円への増配を整理した図です。

値上げが数量減を補う

今回の増益で大きかったのが、海外市場での値上げです。

JTは海外事業の比重が大きく、日本の喫煙人口が減ったからといって、会社全体の利益がそのまま減るわけではありません。

今回の決算でも、販売数量の増加より、値上げや商品構成の改善による収益効果が大きく表れました。

たばこは販売数量が減っても、価格改定によって単価を引き上げやすい商品です。国内外で喫煙者が減る中でも、値上げによって数量減を補えることがJTの収益を支えています。

ただし、値上げが続けば販売数量の減少を速める可能性もあります。今後も値上げ効果が数量減を上回れるかは、確認していく必要があります。

加熱式たばこも伸びた

もう一つの増益要因が、Ploomを中心とした加熱式たばこです。

2026年上期の加熱式たばこ
・加熱式製品販売数量:前年同期比43.5%増
・RRP関連売上収益:前年同期比40.7%増

紙巻きたばこの大きな数量成長が期待しにくい中で、加熱式製品が新しい収益源になりつつあります。

ただし、加熱式たばこは競争が激しく、投資負担もあります。

年間62万円の配当をどう見るか

私が2020年に2,300株を購入した金額は、合計455万310円でした。

2026年予想配当の62万5,600円は、その取得額に対して約13.7%に当たります。

これは現在株価に対する配当利回りではありません。あくまで、自分が2020年に購入した価格を基準にした数字です。

2025年12月30日時点の野村證券の残高では、JTを2,300株、参考価格5,640円、評価額1,297万2,000円で保有しています。

株価上昇による含み益も大きくなりました。

ただ、長期保有している実感としては、株価以上に、毎年口座へ入る配当が30万円台から60万円台へ増えたことのほうが大きいです。

私は配当目的で買った現物株は、基本的に売却せず保有を続けています。JTも今のところ、値上がり益を確定するより、配当を受け取り続ける銘柄として考えています。

反省点
増配と株価上昇は、2020年に2,300株を一度に買った集中リスクまで正当化するものではありません。

272円を支え続けられるか

JTは配当性向75%前後を目安とする株主還元方針を掲げています。

2026年予想の配当性向も、調整後利益を基準として75.2%です。

すでに利益のかなりの部分を配当に回しているため、今後の増配には、配当性向を引き上げるよりも利益そのものを伸ばす必要があります。

今回の決算で私が評価したのは、円安の追い風だけではなく、為替の影響を除いても利益が伸びていたことです。

今後は、値上げが数量減を補えるか、Ploomを中心とする加熱式たばこの成長が利益につながるか。この2点が特に重要だと見ています。

まとめ

JTは2026年上期の利益成長を受け、年間配当予想を242円から272円へ引き上げました。

私の2,300株では、年間配当は62万5,600円になる見込みです。

次に確認したいのは、272円への増配そのものではありません。

今後見るポイント
円安を除いても、値上げと加熱式たばこの成長で利益を伸ばし続けられるか。

JTを保有し続ける限り、そこを見ていきたいと思います。

2026年8月16日日曜日

JTを1,978円で2,300株購入①|コロナ安と減配から配当回復が始まるまで

日本では健康志向が強まり、たばこを吸う人は減り続けています。

そのため、JTは高配当でありながら、将来性を疑われやすい銘柄でした。私が最初にJTを買った2018年以降も株価は下がり、コロナ禍には2,000円を割り込みました。

私は2020年9月、そのJTを約1,978円で2,300株購入しています。投資額は約455万円です。

当時の年間配当は1株154円。取得価格に対する配当利回りは約7.8%でした。

ところが、購入した翌年にJTは年間配当を140円へ減らします。高配当を目的に買った銘柄で、すぐに減配された形です。

それでも、私はそれほど心配していませんでした。

米国株へ投資していた頃から、たばこ会社が高配当株になりやすいことは知っていました。コロナによる業績悪化が落ち着けば、配当も再び増えていくのが自然だと考えていたからです。

今回は、最初にNISAで買った2018年から、コロナ安で2,300株を追加し、配当回復が始まった2022年までを振り返ります。

この記事のポイント
・2018年にJTを高配当株としてNISAで購入
・2020年9月、約1,978円で2,300株を追加購入
・翌年の減配を経て、2022年には減配前を上回る188円へ増配

最初はNISAで買った高配当株だった

JTを最初に買ったのは2018年10月19日です。

一般NISA口座で200株を、1株2,853円で購入しました。投資額は57万600円です。

当時から、JTに大きな成長を期待していたわけではありません。購入目的は、あくまで配当でした。

NISAで保有すれば、受け取る配当に税金がかかりません。高配当株を長期保有するには相性がよいと考え、200株を購入しました。

ただし、最初の買値である2,853円は、その後の株価から見れば決して安くありません。

国内では喫煙者が減り続け、将来的にたばこ市場が縮小することも分かっていました。高い配当は魅力でしたが、株価が上昇する銘柄としては評価されにくい状態が続いていたと思います。

JTは、コロナ安で初めて見つけた銘柄ではありません。以前から高配当株として保有し、株価が下がる過程も見てきた銘柄でした。

米国株から日本株へ資産を移していた

2020年ごろ、私は米国株から日本株へ資産を移していました。

海外口座の管理や資産規模を考え、米国株を売却してできた資金を日本株へ振り向けていった時期です。その投資先の一つが、以前からNISAで保有していたJTでした。

米国株では、アルトリアなどのたばこ株も保有していました。

たばこ会社は大きな成長を期待されにくい一方、安定したキャッシュフローを配当に回す高配当株になりやすい。この特徴は、日本のJTにも共通すると見ていました。

日米のたばこ株を高配当銘柄として見る考え方は、以前から変わっていませんでした。

コロナで高配当株が異常に売られた

2020年は、コロナの感染拡大によって株式市場全体が大きく混乱しました。

先行きが読めない中で、業績への不安だけでなく、減配への警戒から高配当株まで広く売られました。

JTも例外ではなく、株価は2,000円を割り込みました。

国内の喫煙者が減っているという問題は、コロナ以前からありました。しかし、当時の私には、JTだけに重大な問題が起きたというより、高配当株がまとめて売られているように見えました。

もちろん、2,000円を割ったから底値だと分かっていたわけではありません。

コロナが長期化すれば、株価がさらに下がる可能性もありました。業績が悪化し、減配される可能性も十分にありました。

それでも、たばこ事業そのものが短期間でなくなるとは考えにくく、この水準なら配当を受け取りながら長く持てると判断しました。

※2018年のNISA購入から、2020年の2,000円割れまでの株価推移と主な購入ポイント。

約1,978円で2,300株を追加した

2020年9月15日、JTを合計2,300株購入しました。

日付 取引 株数 取得単価 取得金額
2018/10/19 NISA現物買い 200株 2,853円 570,600円
2020/09/15 現物買い 100株 1,978.3円 197,830円
2020/09/15 現物買い 2,200株 1,978.4円 4,352,480円

追加した2,300株の取得金額は、合計455万310円です。

NISAの200株と合わせると、保有株数は2,500株になりました。

購入時の年間配当は1株154円でした。

2,300株では年間35万4,200円。取得額に対する配当利回りは約7.8%です。

高配当株を長く保有する前提なら、かなり魅力的な水準に見えました。

反省点
米国株から移した資金があり、株価も安く見えたため、一日で2,300株を購入しました。しかし、投資できる資金があることと、一度に買うことが適切かは別です。さらに株価が下落していれば、追加購入の余地は小さくなっていました。

後から見れば安値圏でしたが、当時はさらに下がる可能性も十分にありました。底値を見抜いて買ったわけではありません。

買った翌年に減配された

JTの1株配当と、追加購入した2,300株から受け取れる年間配当は、次のように推移しました。

1株配当 2,300株分
2020年 154円 354,200円
2021年 140円 322,000円
2022年 188円 432,400円

※2,300株保有ベースで見たJTの年間配当推移。2021年の減配後、2022年には減配前を上回りました。

2021年、JTの年間配当は154円から140円へ減額されました。

高配当を目的に買った銘柄で、購入翌年に減配されたことになります。

ただ、私はこの減配をそれほど深刻には受け止めていませんでした。

コロナで業績が悪化した以上、一時的に配当を抑える判断はあり得ると思っていたからです。

また、たばこ会社が高配当なのは日本だけではありません。米国の大手たばこ会社も、利益やキャッシュフローを株主へ還元する銘柄として見られています。

私の中では、コロナの影響が薄れ、業績が回復すれば、JTの配当も増えるのが自然だと考えていました。そのため、減配を理由に売却する発想はありませんでした。

もちろん、配当が戻る時期まで読めていたわけではありません。コロナ後も業績低迷や減配が続く可能性は残っていました。

2022年、配当は188円へ増えた

JTの年間配当は、2021年に140円まで減りました。

しかし、翌2022年には188円へ増えています。

減配前の154円を回復しただけではなく、一気に34円上回りました。

2,300株分の年間配当は43万2,400円となり、2021年の32万2,000円から11万400円増えています。

株価も、コロナ禍の2,000円割れから回復し、2022年末には2,600円台まで戻りました。

それまでのJTは、高配当ではあるものの、その配当が今後も維持されるのか疑われていました。

ところが、業績回復とともに減配前を上回る配当が示されたことで、市場の見方も変わり始めたのだと思います。

ただし、この時点では、その後さらに大きく増配し、株価も上昇していくところまでは見えていませんでした。

まとめ

私は2020年9月、コロナ禍で2,000円を割ったJTを約1,978円で2,300株購入しました。

翌年には年間配当が154円から140円へ減りましたが、たばこ株の収益構造を考えれば、業績回復後には配当も戻ると見ていました。

実際、2022年の年間配当は188円となり、減配前の水準を上回りました。

結果として購入判断は報われましたが、2,300株を一日で買った方法まで最適だったとは言えません。株価がさらに下落する可能性も、減配が長引く可能性もありました。

その後のJTは、単に配当を元へ戻しただけではありません。国内の喫煙者が減り続ける中でも、株価と配当はさらに上昇していきます。

第2部で扱う内容
JTがなぜ増配を続けられたのかを、海外事業、値上げ、為替、加熱式たばこ、最新決算を踏まえて整理します。

2026年8月14日金曜日

2026年7月の株式売買益は約1,535万円|37銘柄で利益を積み上げた1か月

2026年7月の売買実績を振り返ります。

6月は、太陽誘電やキオクシアなどのAI・半導体・電子部品関連が利益を牽引し、実現損益は約2,513万円となりました。

7月の実現損益は約1,535万円、配当金は約66万円です。

最大の利益銘柄は、6月に始めた信用売りを決済した太陽誘電で約487万円。一方、三光合成、キオクシア、東京エレクトロン、トヨタ自動車など、利益を出した銘柄は6月より広がりました。

7月に売買した銘柄は37銘柄。1銘柄への依存度が下がり、幅広い銘柄から利益を積み上げた1か月でした。

この記事のポイント
・7月の実現損益は約1,535万円
・配当金は約66万円
・太陽誘電の信用売りで約487万円の利益
・半導体株や大型株など幅広い銘柄が利益に貢献
・キオクシアとSBIホールディングスを現引き

6月・7月の取引サマリー

区分 2026年6月 2026年7月
実現損益 約2,513万円 約1,535万円
配当金 約682万円 約66万円
信用新規買い 88件 92件
信用返済売り 152件 202件
信用新規売り 39件 20件
信用返済買い 42件 35件
現引き 7件 3件

※信用取引は約定件数です。

実現損益は6月の約2,513万円から減少しました。

ただ、6月は太陽誘電だけで約1,250万円の利益があり、村田製作所の現物売却も含まれています。

7月も太陽誘電が最大の利益銘柄でしたが、利益額は約487万円。三光合成や半導体株、大型株など、利益の出所は6月より分散しました。

また、信用新規買いはほぼ同水準でしたが、返済売りは152件から202件へ増加しています。

新しくポジションを増やすだけでなく、保有していた建玉の利益確定を進めた月でした。

7月利益貢献ランキング TOP5

7月中に確定した損益を銘柄別に合算しました。

順位 銘柄 実現損益 主な内容
1 太陽誘電 約487万円 6月から持ち越した売り建てを買い戻し
2 三光合成 約145万円 上昇時に信用建玉を利益確定
3 キオクシアHD 約104万円 信用買いを一部返済
4 東京エレクトロン 約95万円 信用買いを分けて返済
5 トヨタ自動車 約87万円 複数の建玉を利益確定

※金額は1万円未満を四捨五入しています。

上位5銘柄の利益は合計約917万円で、7月の実現利益の約6割を占めました。

さらに、ソフトバンクグループで約78万円、三菱商事で約76万円、アルゴグラフィックスで約55万円、任天堂で約49万円の利益を確定しています。

37銘柄を売買しましたが、すべての銘柄から均等に利益が出たわけではありません。それでも、6月と比べると利益を生み出した銘柄は広がりました。

太陽誘電の信用売りで約487万円

7月で最も利益に貢献したのは、6月に始めた太陽誘電の信用売りでした。

6月末に残っていた売り建てを7月3日から7日にかけて段階的に買い戻し、約487万円を利益確定しました。

6月は太陽誘電の現物売却と信用売りで約1,250万円の利益となっており、その続きとなる売り建てが7月の最大利益にもなりました。

一方、信用売りは株価が上昇すると損失が急速に拡大します。

6月から実際に取り組んでみて、買い以上に短期間で決済する判断が必要だと感じました。今後も常用するのではなく、使う場面は限定するつもりです。

三光合成や半導体株も利益に貢献

太陽誘電に次いで、三光合成が約145万円の利益となりました。

さらに、キオクシア約104万円、東京エレクトロン約95万円、ディスコ約42万円と、6月に続いて半導体関連株も利益に貢献しています。

このほか、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、三菱商事、任天堂などの大型株でも利益を積み上げました。

7月は特定のテーマだけに乗ったというより、複数の銘柄で利益確定を繰り返したことが、約1,535万円の実現益につながりました。

信用売りはメガバンク株にも

7月は太陽誘電に加え、三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGでも短期の信用売りを行いました。

メガバンク株は現物では長期保有していますが、信用取引では短期的な値動きを狙ったものです。

信用新規売りは6月の39件から7月は20件へ減少しました。

現引きと配当金

7月は、キオクシア200株とSBIホールディングス1,000株を現引きしました。

また、JFEホールディングス2,000株を1,600円で現物購入しています。

信用取引で利益を狙う一方、長期で持ちたい銘柄は現物株として残す。7月もこの基本方針は変わりませんでした。

7月に入金された配当金は約66万円です。

6月の約682万円から大きく減っていますが、3月決算企業の配当が6月に集中するためで、7月としては特に意外なものではありません。

7月末時点の資産状況

区分 金額
国内株式等 約6億1,243万円
預り金等 約666万円
資産残高合計 約6億1,909万円

6月末の約5億7,774万円から、7月末は約6億1,909万円へ増加しました。

売買利益に加えて、メガバンク株を中心とした保有株の上昇が評価額を押し上げています。

7月を一言で表すと

太陽誘電の信用売りを引き継ぎながら、37銘柄で利益を積み上げた1か月。

6月ほど1銘柄への依存度は高くありませんでした。一方、売買対象が37銘柄まで広がったことは、今後の管理面での課題です。

まとめ

2026年7月の実現損益は約1,535万円、配当金は約66万円でした。

最大の利益は太陽誘電の約487万円。三光合成、キオクシア、東京エレクトロン、トヨタ自動車なども利益に貢献しました。

また、キオクシアとSBIホールディングスを現引きし、JFEホールディングスを現物で購入しています。

6月ほど1銘柄に依存せず、幅広い銘柄から利益を積み上げられた点が7月の特徴でした。

一方で、37銘柄という売買対象の多さは反省点です。利益額だけでなく、これだけの銘柄をきちんと管理できていたかも振り返っておきたいと思います。

2026年8月12日水曜日

三社電機製作所で164万円の利益②|軽いポジションだったから急騰まで待てた

三社電機製作所の取引は、最終的に約164万円の利益になりました。

ただし、小さな利確を積み重ねて高値建玉を救ったわけではありません。利益の大半は、2026年5月の急騰によるものです。

急騰を予測していたわけでもありません。それでも上昇まで待てたのは、資産全体に対してポジションが軽かったからでした。

第1部では、一度利益確定した後に買い直し、長い含み損になった経緯を振り返りました。2024年4月に買い直した2,000株は、業績悪化によって高値建玉として残り、株価は900円前後まで下落しました。

2025年は安値圏で小さな売買を繰り返し、11月には880円で3,000株を追加。この建玉を保有したまま、2026年5月の急騰を迎えました。

この記事のポイント
・業績回復に確信が持てず、大きなナンピンは避けた
・小さな利確を重ねても、高値建玉の出口にはならなかった
・急騰は幸運だったが、軽いポジションだったから待つことができた

業績が悪いため、大きなナンピンは避けた

株価が900円前後まで下がると、2024年に買った1,500円台から1,700円台の建玉と比べて、かなり安く見えました。

しかし、株価が安いことと、安心して買い増せることは別です。

業績回復に確信が持てなかったため、一度に大きく買い増すのではなく、主に2,000株単位で売買しました。

業績が悪い時期に、株価が下がるたびに際限なく買い増さなかった点は良かったと思います。含み損を早く取り戻そうとして買い下がりを続けていれば、ポジションだけが膨らんでいた可能性があります。

小さな利益では高値建玉を救えなかった

2025年前半の主な売買は、次のとおりです。

日付 取引 株数 平均単価 実現損益
2025/2/10 信用買い 2,000株 890.9円
2025/6/11 信用返済売り 2,000株 915円 +40,204円
2025/6/16 信用買い 2,000株 872.6円
2025/6/27 信用返済売り 1,700株 894.9円 +36,750円
2025/7/1 信用買い 2,000株 873円
2025/7/11 信用返済売り 2,000株 881.6円 +15,409円
2025/7/22 信用買い 2,000株 856円

安値で買い、小幅な反発で売る取引はできていました。

しかし、2024年4月に高値で買い直した2,000株は残ったままです。数万円の利益を積み重ねても、1株当たり数百円の含み損を抱えた建玉を救うには足りません。

小さな利益が続くことで、「うまく立ち回れている」と考えやすかった面もありますが、高値建玉の出口が見つかったわけではありませんでした。

この時点での問題
ナンピンを抑えたことで傷口は広げませんでしたが、小さな利確だけでは高値建玉の出口にはなりませんでした。

2025年11月、3,000株を追加した

次に大きく動いたのは、2025年11月5日です。

この日に3,000株を880円で信用買いしました。買付額は約264万円です。

それまでより大きな追加でしたが、業績回復を強く確信していたわけではありません。株価が安値圏にあり、以前よりは下値余地が小さいだろうと考えた程度です。

ただ、この3,000株は資産全体に対して軽く、信用維持率や資金繰りを大きく圧迫する規模ではありませんでした。そのため、株価が少し戻ったところで急いで売る必要もありませんでした。

重要だったのは、3,000株という絶対的な株数ではありません。

待つことができた理由
資産全体に占めるポジションの比率が小さかったことが、待てた理由でした。

保有中に急騰を迎えた

2026年5月、三社電機製作所の株価は急騰しました。

2025年11月に追加した3,000株を含む信用建玉を保有したまま、この上昇を迎えました。

ただし、急騰を予測していたわけではありません。安値圏で保有を続けていたところ、幸運にも大きな上昇に当たったというのが実態です。

※2025年の買い増しから、2026年5月の利益確定までの主な売買です。

大半を利益確定し、1,000株を現引き

急騰した2026年5月14日と15日に、信用建玉の大半を返済売りしました。

日付 取引 株数 平均単価 実現損益
2026/5/14 信用返済売り 4,500株 1,390.8円 +690,352円
2026/5/14 現引き 1,000株 880円
2026/5/15 信用返済売り 1,500株 1,351円 +696,004円

2日間の信用返済利益は、合計1,386,356円です。

さらに上昇する可能性はありましたが、急騰後の反落も考え、信用建玉の大半を利益確定しました。

1,000株は現引きし、信用金利の負担をなくしたうえで、現物株として保有を続けました。

全株を売るのでも、信用建玉をすべて残すのでもない出口でした。ただし、長期保有として正しい判断だったかは、今後の業績次第です。

取引全体では約164万円の利益

取引全体の損益は、次のとおりです。

区分 損益
信用取引の実現利益 +1,756,098円
現物売却の実現損失 -115,530円
売買損益合計 +1,640,568円

利益の多くは、2026年5月の急騰で生まれました。

2025年前半の小さな利確だけで高値建玉を救ったわけではなく、2025年11月に追加した3,000株を保有したまま急騰を迎えたことが大きく寄与しています。

急騰がなければ、高値建玉の出口はまだ見えなかった可能性があります。追加後にさらに下落していれば、含み損も増えていました。

最終的に利益になったからといって、買い増し判断まで正しかったとは言えません。

待てることと、買い判断が正しいことは別

今回良かったのは、業績が悪い時期に無制限なナンピンを避け、ポジションを資産全体に対して軽く抑えたことです。

そのため急いで売る必要がなく、結果として急騰まで待てました。上昇後には信用建玉の大半を利益確定し、1,000株を現引して信用リスクも減らしています。

ただし、最終利益の多くは予測できない急騰に依存しています。

今回の反省点
資産全体から見れば軽いポジションだったため待つ余裕はありました。しかし、待てることと、買い増し判断が正しかったことは同じではありません。

まとめ

三社電機製作所の取引は、最終的に約164万円の利益になりました。

急騰したこと自体は幸運です。しかし、その幸運まで待てたのは、資産全体に対して無理のないポジションだったからでした。

2026年8月10日月曜日

三社電機製作所で長期の含み損へ①|電源設備株への期待と、好業績後の急落

今回は、三社電機製作所の取引を振り返ります。

2024年3月、私は三社電機製作所を1株1,667円で2,000株信用買いしました。その後、株価が上昇したため1,700株を売却し、約27万7,000円を利益確定。残り300株は現引きしました。

ここで終わっていれば、短期間できれいに利益を得た取引でした。

しかし、利益確定から1カ月もたたないうちに、再び2,000株を買い直します。その後、業績と株価は低迷し、株価は900円前後まで下落しました。

最初の買値から見れば、ほぼ半値です。

問題は最初の買いではなく、その後の買い直しにありました。

この記事のポイント
・電源設備関連の小型株として三社電機製作所を購入
・最初の売買では約27万7,000円を利益確定
・利確直後の買い直しから、長い含み損が始まった

電源設備関連の小型株に注目していた

三社電機製作所を買った最大の理由は、電源機器事業を主力としていたことです。

同社は、工場設備や社会インフラなどで使われる産業用電源を手がけています。当時は電源設備関連の企業に市場の注目が集まり、関連企業の業績も良好でした。

三社電機製作所も電源機器を中心に業績が伸びており、今後も好業績が期待できるのではないかと考えました。

また、この頃の私は、小型株を積極的に売買していました。

大型株より値動きが大きく、業績が伸びれば株価も強く反応する。そのような銘柄を探すことに、自分の中でちょっとしたブームがありました。

三社電機製作所は、電源設備関連という当時のテーマに乗っており、なおかつ小型株でした。自分が探していた条件に近い銘柄だったのです。

長期的な業績は深く見ていなかった

一方で、長期的な業績見通しまで詳しく分析していたわけではありません。

電源機器は工場設備や社会インフラで使われます。需要が突然なくなる事業ではないため、業績が多少悪くなっても、それほど大きく崩れることはないだろうと思っていました。

今振り返ると、かなり大ざっぱな見方です。

電源事業が必要とされることと、三社電機製作所の利益が安定することは別です。設備投資、大型案件、顧客の在庫調整、製品構成などによって、業績は大きく変わります。

しかし当時は、そこまで深く見ていませんでした。

事業内容への安心感と、足元の業績の良さを、そのまま買い理由にしていました。

最初の売買は短期間で成功した

最初の取引は順調でした。

日付 取引 株数 平均単価 実現損益
2024/3/1 信用買い 2,000株 1,667円 -
2024/3/22 信用返済売り 1,700株 1,831.2円 +277,379円
2024/3/22 現引き 300株 1,667円 -

2,000株を買ってから約3週間後、1,700株を平均1,831円で売却しました。実現利益は27万7,379円です。

残した300株は現引きし、現物株として保有することにしました。

買った後に株価が上昇し、大半を利益確定する。さらに一部を現物として残す。

この取引だけなら、悪くない判断だったと思います。

問題は、一度利益を出したことで、この銘柄への警戒心が薄れたことでした。

利益確定後、すぐに2,000株を買い直した

2024年4月、私は三社電機製作所を再び信用買いしました。

日付 取引 株数 平均単価
2024/4/11 信用買い 1,000株 1,724.6円
2024/4/17 信用買い 1,000株 1,584.8円

最初の1,000株は1,724円台です。3月に売却した1,831円台より下がったため、安く買い戻せたように感じました。

その後、株価がさらに下がったため、1,584円台でもう1,000株を追加しています。

今振り返ると、最初の取引で利益を出せたことで、「この銘柄なら、また取れる」という感覚があったのだと思います。

電源設備関連への期待も残っており、最初の上昇で相場が終わったとは考えていませんでした。

ただ、好業績が続くと強く確信していたわけではありません。

電源事業を行う会社なので、それほど悪くはならないだろう。株価が下がっても、いずれ戻る可能性は高いだろう。

その程度の見方で、再び2,000株のポジションを作りました。

結果として、この買い直しが長い含み損の始まりになりました。

※2024年3月の最初の買いから、2025年の株価低迷までの主な売買ポイント。

業績のピークで買い直していた

私が買った頃、三社電機製作所の業績は実際に好調でした。

決算期 売上高 営業利益 純利益
2024年3月期 310.1億円 34.1億円 29.6億円
2025年3月期 254.4億円 10.7億円 5.0億円
2026年3月期 266.5億円 13.9億円 3.8億円

2024年3月期の営業利益は34億円を超えていましたが、翌2025年3月期には10億円台まで落ち込みました。約7割の減益です。

背景には、前年に寄与した大型案件の反動、設備投資需要の減速、半導体事業の在庫調整などがありました。電源機器事業は利益を出していましたが、前年ほどの勢いはなく、半導体事業も赤字へ転落しました。

期待していた電源事業がなくなったわけではありません。

ただ、前年と同じ利益を稼ぎ続けることはできませんでした。

私は業績が良いという結果を見て買いましたが、その利益が何によって生まれ、翌年度も続くのかまでは確認していませんでした。

一度売った価格より安く買えたことに安心し、会社の業績がピークを越えている可能性を見ていなかったのです。

株価は900円前後まで下落した

業績悪化に伴い、株価も低迷しました。

2024年4月には1,500円台から1,700円台で買っていた株が、2025年2月には900円を下回る水準まで下落しました。

1,724円で買った株から見れば、ほぼ半値です。

高値で買った2,000株は大きな含み損となり、最初に現引きした300株も含み損になりました。

安くなったとは感じても、業績が悪いため強く買うことはできません。一方で、高値建玉を処分する気にもなれず、身動きの取りにくい状態になっていました。

株価は安く見えるのに、業績を見れば強気にはなれない。ナンピンにも損切りにも踏み切れず、ただ時間だけが過ぎていきました。

そのため、一気に大きくナンピンすることは避け、安値圏で少しずつ買い、株価が戻れば小さく利益確定する取引へ変わっていきます。

この時点で、最初に想定していた短期の小型株売買ではなくなっていました。

買い直しが取引を難しくした

最初の取引では、短期間で利益を出せました。

問題は、一度うまくいったことで警戒心が弱くなり、好業績の持続性を確認しないまま、ほぼ同じ規模のポジションを作り直したことです。

今回の反省点
一度売った価格より安く買えたことに安心し、会社の業績がピークを越えている可能性を見ていませんでした。最初の買いではなく、利益確定後の買い直しが、その後の長い含み損につながりました。

まとめ

最初の取引では約27万7,000円の利益を確定できました。

しかし、その直後に2,000株を買い直し、業績悪化と株価下落によって長い含み損を抱えることになります。

次回は、900円前後まで下落した後に行ったナンピンと小さな利確、2025年11月に追加した3,000株、そして2026年の急騰で信用建玉を整理し、一部を現引するまでを振り返ります。

メガバンクを長期保有しているのに、なぜ信用でも買うのか|小さな戻りを株数で利益に変える

私は三井住友フィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループを、現物株として長期保有しています。 その一方で、同じ銘柄を信用でも短期売買しています。 直近1か月でも、メガバンクでは次のような取引をしました。 ...