2026年8月18日火曜日

JTが配当予想を272円へ増額②|最新決算から見る増配の原資

JTは2026年7月30日に発表した上期決算で、年間配当予想を242円から272円へ引き上げました。

私が保有する2,300株では、年間配当は55万6,600円から62万5,600円へ増えます。増加額は6万9,000円です。

2021年に140円まで減配した配当は、2026年予想で272円と、5年間でほぼ2倍になりました。

今回の増配を可能にした利益は、どこから生まれたのか。最新決算を中心に見ていきます。

上期利益は約3割増えた

2026年上期は、売上だけでなく利益も大きく伸びました。

項目 2026年上期 前年同期比
売上収益 1兆9,861億円 +17.7%
調整後営業利益 6,617億円 +26.2%
営業利益 6,449億円 +29.0%
親会社帰属利益 4,318億円 +28.9%

売上収益の伸びを、利益の伸びが上回っています。

JTは上期実績を受けて通期業績予想を上方修正し、年間配当予想も30円増額しました。

今回の増配は、配当だけを先に増やしたものではなく、利益予想の改善を伴ったものです。

年間配当は272円へ

修正後の配当は、中間136円、期末予想136円の年間272円です。

配当予想 1株配当 2,300株分
修正前 242円 556,600円
修正後 272円 625,600円
増加額 30円 69,000円

第1部では、2020年に2,300株を購入した翌年、配当が140円へ減ったところまでを書きました。

当時はコロナ禍による一時的な業績悪化と考え、売却せずに保有を続けました。

ただ、配当が減配前の水準へ戻るだけでなく、272円まで増えるとは想像していませんでした。

増配の原資は円安だけではない

配当が30円増えたのはうれしいですが、円安だけで増えた利益なら、円高になったときに簡単に逆回転します。

そのため、今回の決算で一番気になったのは、為替の影響を除いても利益が伸びているかという点でした。

今回の決算で注目した点
たばこ事業では、為替の影響を除いたベースでもコア収益が10.6%増、調整後営業利益が18.8%増となりました。

円安は追い風でしたが、それだけで増益したわけではありません。

その中心となったのが、海外市場での値上げと、加熱式たばこの成長です。

※円安を除いた利益成長、値上げ効果、加熱式たばこの伸びと、272円への増配を整理した図です。

値上げが数量減を補う

今回の増益で大きかったのが、海外市場での値上げです。

JTは海外事業の比重が大きく、日本の喫煙人口が減ったからといって、会社全体の利益がそのまま減るわけではありません。

今回の決算でも、販売数量の増加より、値上げや商品構成の改善による収益効果が大きく表れました。

たばこは販売数量が減っても、価格改定によって単価を引き上げやすい商品です。国内外で喫煙者が減る中でも、値上げによって数量減を補えることがJTの収益を支えています。

ただし、値上げが続けば販売数量の減少を速める可能性もあります。今後も値上げ効果が数量減を上回れるかは、確認していく必要があります。

加熱式たばこも伸びた

もう一つの増益要因が、Ploomを中心とした加熱式たばこです。

2026年上期の加熱式たばこ
・加熱式製品販売数量:前年同期比43.5%増
・RRP関連売上収益:前年同期比40.7%増

紙巻きたばこの大きな数量成長が期待しにくい中で、加熱式製品が新しい収益源になりつつあります。

ただし、加熱式たばこは競争が激しく、投資負担もあります。

年間62万円の配当をどう見るか

私が2020年に2,300株を購入した金額は、合計455万310円でした。

2026年予想配当の62万5,600円は、その取得額に対して約13.7%に当たります。

これは現在株価に対する配当利回りではありません。あくまで、自分が2020年に購入した価格を基準にした数字です。

2025年12月30日時点の野村證券の残高では、JTを2,300株、参考価格5,640円、評価額1,297万2,000円で保有しています。

株価上昇による含み益も大きくなりました。

ただ、長期保有している実感としては、株価以上に、毎年口座へ入る配当が30万円台から60万円台へ増えたことのほうが大きいです。

私は配当目的で買った現物株は、基本的に売却せず保有を続けています。JTも今のところ、値上がり益を確定するより、配当を受け取り続ける銘柄として考えています。

反省点
増配と株価上昇は、2020年に2,300株を一度に買った集中リスクまで正当化するものではありません。

272円を支え続けられるか

JTは配当性向75%前後を目安とする株主還元方針を掲げています。

2026年予想の配当性向も、調整後利益を基準として75.2%です。

すでに利益のかなりの部分を配当に回しているため、今後の増配には、配当性向を引き上げるよりも利益そのものを伸ばす必要があります。

今回の決算で私が評価したのは、円安の追い風だけではなく、為替の影響を除いても利益が伸びていたことです。

今後は、値上げが数量減を補えるか、Ploomを中心とする加熱式たばこの成長が利益につながるか。この2点が特に重要だと見ています。

まとめ

JTは2026年上期の利益成長を受け、年間配当予想を242円から272円へ引き上げました。

私の2,300株では、年間配当は62万5,600円になる見込みです。

次に確認したいのは、272円への増配そのものではありません。

今後見るポイント
円安を除いても、値上げと加熱式たばこの成長で利益を伸ばし続けられるか。

JTを保有し続ける限り、そこを見ていきたいと思います。

投資に関するご注意

本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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