2026年6月29日月曜日

村田製作所①|決算跨ぎで買った直後に大幅下落、優良株でも買値を間違えると苦しい

今回は、村田製作所の売買記録を振り返ります。

村田製作所については、最終的には大きな利益になった取引です。
ただ、最初からうまくいったわけではありません。

むしろ、出だしはかなり悪い取引でした。

2024年7月30日、私は村田製作所を信用買いで1,000株購入しました。
狙いとしては、決算跨ぎです。

この時点では、村田製作所の業績の良さを見ていました。
電子部品需要の回復期待もあり、決算内容が良ければ、株価も素直に反応するのではないかと考えていました。

ただ、今振り返ると、ここに少し甘さがありました。

会社として良いことと、買ったタイミングが良いことは別です。
いくら良い会社でも、買う位置を間違えれば普通に苦しくなります。

今回は、最初の信用買いから、その後に長期保有前提へ切り替わっていくところまでを振り返ります。

この記事のポイント
・村田製作所を2024年7月30日に信用買いした取引を振り返る
・決算内容は悪くなかったが、株価は期待通りには動かなかった
・含み損後は、長期保有とナンピン前提のポジションへ変わっていった

最初の取引は、決算発表日の信用買い

売買履歴上、村田製作所の最初の取引は2024年7月30日です。

この日に、村田製作所を信用買いで1,000株購入しました。
約定単価は3,498円。
金額にすると、約350万円です。

約定日 取引 株数 約定単価 約定金額 メモ
2024/7/30 信用買い 1,000株 3,498円 約349.8万円 決算跨ぎ狙い

当時の自分の感覚としては、1回あたりの投資額を300万円台にすることが多かったです。

これは、ある程度まとまった利益を狙うためでもありますが、もう一つ理由があります。
仮に下落しても、まだ何回かナンピンできる余地を残すためです。

最初から大きく入りすぎると、下がった時に動きにくくなります。
一方で、1回あたりを300万円台に抑えておけば、下落した時に追加で買い向かい、後の回復に備えることができます。

村田製作所も、この考え方の中で入った取引でした。

もちろん、約350万円の信用買いなので、下落した時の負担はそれなりにあります。
ただ、当時の自分の投資サイズとしては、極端に大きすぎるという感覚ではありませんでした。

この時点では、村田製作所という銘柄への安心感もありました。

日本を代表する電子部品メーカーであり、業績も良い。
決算内容が良ければ、株価も素直に買われるのではないか。

そう考えていました。

決算内容は悪くなかった

2024年7月30日に発表されたのは、村田製作所の2025年3月期第1四半期決算です。

数字だけ見ると、決算内容は悪くありませんでした。

項目 2025年3月期1Q 前年同期比
売上収益 4,217億円 +14.7%
営業利益 663億円 +32.5%
親会社所有者帰属利益 663億円 +32.5%

売上収益は前年同期比で14.7%増。
営業利益は32.5%増。

数字だけ見れば、好決算と言ってよい内容だったと思います。

事業環境そのものが大きく崩れていたわけではなく、業績面を見て買いたいと思った判断自体は、そこまでおかしかったとは思っていません。

ただし、通期予想は据え置きでした。

ここが、決算跨ぎで短期的な株価上昇を期待していた側からすると、物足りなかった部分かもしれません。

決算内容は悪くない。
でも、株価をさらに押し上げるほどのサプライズもない。

おそらく、当時の株価には、ある程度の期待がすでに織り込まれていたのだと思います。

問題は、決算ではなく買うタイミングだった

今回の失敗は、村田製作所の決算が悪かったからではありません。

むしろ、決算内容は悪くありませんでした。
業績の良さを見て入ったこと自体は、自分の中では納得できる部分もあります。

問題は、好決算を期待して、短期勝負のつもりで高値圏に近いところを信用買いしたことです。

決算が良ければ株価は上がる。
当時は、少し単純に考えていたのかもしれません。

しかし、株価は決算の良し悪しだけでは動きません。
期待が先に株価へ織り込まれていれば、好決算でも上がらないことは普通にあります。

村田製作所なら、決算で良い数字が出れば素直に買われるだろう。
当時はそう考えていました。

今見ると、かなり安易です。

優良株だから大丈夫。
好決算なら上がる。

そのような安心感が、3,498円で1,000株を信用買いする判断につながったのだと思います。

ただ、どれだけ良い会社でも、高いところで買えば含み損になります。
これは本当に当たり前の話ですが、実際にポジションを持つと、その当たり前を忘れがちです。

買った直後に、相場全体の急落に巻き込まれる

さらに悪かったのは、買った直後に日本株全体が急落したことです。

村田製作所だけが崩れたというより、相場全体が一気にリスクオフに傾きました。

決算跨ぎで短期的に利益を狙ったはずの取引が、気づけば含み損を抱えたポジションになっていました。

この時に感じたのは、やはり最初の入り方の難しさです。

1回あたり300万円台の投資額であれば、下落時にナンピンする余地は残ります。
実際、自分の投資スタイルとしても、含み損になった銘柄をすぐに売るのではなく、長期保有に切り替え、必要に応じて買い増すことが多いです。

ただし、それは資金余力があることが前提です。

下落局面では、他のポジションとの兼ね合いも出てきます。
村田製作所のような銘柄を買っていたとしても、高値圏で入ってしまうと、下落局面では普通に苦しくなります。

この取引は、まさにその典型でした。

短期の決算跨ぎから、長期保有前提のポジションへ

当初は、決算跨ぎで短期的な上昇を狙った取引でした。

しかし、買った直後に株価は期待通りには動かず、相場全体の急落も重なって、ポジションは含み損になりました。

私の場合、基本的に損切りはあまりしません。
保有してもよいと思える銘柄であれば、含み損になった時点で長期保有に切り替え、必要に応じてナンピンで平均単価を下げていくことが多いです。

村田製作所も、この時点で短期勝負の銘柄ではなくなりました。

業績面では保有を続けてもよいと思っていました。
そのため、いずれ戻る可能性を見ながら、長期保有と買い増しを前提に考えるポジションへ変わっていきました。

反省点
下がったら買い増すという方針は、自分の投資スタイルではあります。
しかし、最初の買値が高すぎたり、最初のポジションが大きすぎたりすると、その後のナンピン余力が削られます。

今回の村田製作所は、1回目の投資額としては自分の想定していた範囲内でした。
それでも、買った直後に大きく下がると、やはり心理的には楽ではありません。

反省点は、最初の入り方にある

今回の第1部で一番の反省点は、最初の入り方です。

村田製作所という銘柄を選んだこと自体は、悪くなかったと思っています。
決算内容も、結果として極端に悪かったわけではありません。

それでも、3,498円で1,000株を買った判断は、今振り返ると少し強気でした。

振り返ると、反省点は大きく3つあります。

決算跨ぎを甘く見た

好決算なら上がる。
そう単純に考えていた面がありました。

しかし、実際には、好決算でも株価が上がるとは限りません。
市場がもっと強い内容を期待していれば、決算が良くても売られることはあります。

優良株への安心感に引っ張られた

村田製作所という会社への信頼感が、買値への警戒を弱めていました。
業績が良い会社でも、期待が先に乗っていれば、株価は簡単には上がりません。

ナンピン前提なら、最初の入り方をもっと慎重にすべきだった

1回あたり300万円台という投資額は、自分の中ではナンピン余力を残すための金額でした。
それでも、決算跨ぎで入る以上、株価が思った方向に動かない可能性はあります。

含み損になった時に買い増す方針であれば、最初から決算跨ぎで強めに入る必要があったのか。

ここは、今振り返ると考える余地があります。

むしろ、自分の投資スタイルを考えると、決算前に期待で買うより、決算後に大きく下げたところを拾うほうが合っている場面もあります。

実際、この後の取引では、決算後に大きく下げた銘柄を買うことも増えていきます。

優良株でも、買い方を間違えると苦しい

第1部では、村田製作所を最初に買った場面を振り返りました。

決算内容は悪くなく、村田製作所という会社への見方も大きく間違っていたとは思っていません。
業績の良さを見て入った判断自体は、理解できます。

ただし、買ったタイミングとポジションの取り方は甘かったです。

優良株だから大丈夫。
好決算だから上がる。
今振り返ると、少し単純に考えていました。

この取引はその後、長期保有とナンピンで対応する流れに進みます。
大きく下がったところで買い増しを行い、その後は現引きで300株を保有する形になっていきます。

最終的には大きな利益につながる取引ですが、少なくともこの時点では、かなり苦しいスタートでした。

次回は、大きく下がった村田製作所を実際に買い増しし、現引きで300株を残すまでの流れを振り返ります。

2026年6月27日土曜日

【実録】住友金属鉱山で学んだ持ち続ける難しさ③|売り急ぎの反省から、現引きと含み益につながった話

今回は、住友金属鉱山の取引記録の第3部です。

第1部では、2022年に「十分下がった」と思って信用買いを増やしすぎ、住友金属鉱山だけで大きな損切りになった話を書きました。

第2部では、2023年から2024年にかけて底値圏で細かく売買し、実現益を積み上げたものの、2024年春から夏の上昇を十分に取れなかった話を書きました。

この記事のポイント
・2022年は買い急ぎで失敗した
・2024年は売り急ぎで上昇を取り逃がした
・2025年は利益を取りながら、一部を現引きして残した
・現引きした400株が、その後の含み益につながった

2022年は買い急ぎで失敗。
2024年は売り急ぎで後悔。

その反省があったため、2025年の住友金属鉱山では、以前よりも「できるだけ持つ」ことを意識しました。

結果として、2025年9月3日に大きく利確し、住友金属鉱山の累計実現損益はプラスに大きく伸びました。

さらに、一部を現引きして400株を残したことで、その後の含み益にもつながっています。

ただし、これはきれいな成功談ではありません。
2025年も、完全に売り急ぎを克服できたわけではありませんでした。

2025年は、売り急ぎの反省から入った

2024年の住友金属鉱山では、底値圏で細かく利益を拾うことはできました。

ただ、その一方で、上昇局面ではポジション不足になりました。

株価は上がっているのに、自分の利益は思ったほど伸びない。

これはかなり悔しい経験でした。

そのため、2025年に再び住友金属鉱山を買うときは、以前ほど簡単には売りたくないと思っていました。

とはいえ、住友金属鉱山は非鉄株です。

銅やニッケル、金などの市況に振られやすく、株価の上下も大きい銘柄です。

上がったと思っても、また下がるかもしれない。
含み益が出れば、今度は「また下がる前に確定したい」という気持ちも出てきます。

2025年の売買は、2022年の買い急ぎと、2024年の売り急ぎの両方を意識しながらの取引でした。

2025年の買い増し

2025年は、3,200円台から3,500円台を中心に信用買いを行いました。

主な買いは、2月、3月、5月、6月、7月にかけての買い増しです。

特に3月から7月にかけては、3,200円台から3,300円台で複数回買っています。

後から見ると、かなり良い位置で買えているように見えます。

ただ、当時から自信満々だったわけではありません。

2022年にも、自分では「下がったところで買っている」と思っていました。
それでも、そこからさらに下がり、信用買いのポジションが重くなり、最後は心が折れて損切りしました。

それでも2025年に買い向かえたのは、2024年に底値圏で何度も売買していた経験があったからだと思います。

住友金属鉱山は怖い銘柄だと分かっていました。
それでも、3,200円台まで下がれば、もう一度リスクを取ってもよいと考えました。

ただし、2022年のように「ここが底だ」と決めつけて一気に突っ込むのではなく、今回は上昇したときにある程度残せるかを意識していました。

売買図で見ると、2025年の違いが分かりやすい

※住友金属鉱山の株価推移と、2025年の主な売買ポイントのイメージです。

売買図で見ると、2025年は3,200円台から3,500円台で買い増し、その後の上昇局面で9月3日に大きく利確していることが分かります。

第2部で扱った2024年春の上昇局面では、先に細かく売ってしまい、上がったときに十分なポジションが残っていませんでした。

一方で2025年は、途中で売りながらも、9月の上昇局面まである程度ポジションを残せました。

ここが、2024年との大きな違いだったと思います。

途中利確もしている。完全に持てたわけではない

ただ、正直に言えば、2025年も完全に売り急ぎを克服できたわけではありません。

5月から6月にかけて、利益が出たところではしっかり売っています。

「2025年は持とうとした」と言いながら、実際には途中でかなり売っています。
ここは、自分でも完全に克服できたとは言えません。

含み益を見ると、やはり利確したくなります。

特に住友金属鉱山のような市況株は、上がった後にまた下がる怖さがあります。

ただ、2024年と違ったのは、全部を早く売り切らなかったことです。

途中で利確しながらも、次の上昇に備えてポジションを残しました。

この中途半端さが、逆に自分らしい取引だったとも思います。

反省点
持とうと思っていても、利益が見えると売りたくなる。
2025年も、この弱さを完全に克服できたわけではありませんでした。

2025年9月3日、大きく利確

結果的に、その残したポジションが9月の利確につながりました。

2025年9月3日、住友金属鉱山を2,800株売却しました。

平均売却単価は4,258.1円。
この日の実現損益は+870,200円でした。

この利確によって、住友金属鉱山の累計実現損益は+1,212,665円まで伸びました。

2022年に大きく損切りした銘柄で、ここまで戻せたことは、自分の中ではかなり大きかったです。

単に「利益が出た」というより、2022年に心が折れて投げた銘柄で、ようやく取り返すところまで来た感覚がありました。

もちろん、過去の失敗が消えるわけではありません。
あの時の買い急ぎが正当化されるわけでもありません。

それでも、住友金属鉱山で再び大きな利益を出せたことで、ようやくこの銘柄との付き合い方が少し見えてきた気がしました。

ただ、大きな利益になったのは、2025年の相場がそこまで戻ったからです。
途中で急落していれば、また違う反省になっていた可能性もあります。

売却益だけでなく、現引きが残った

今回の住友金属鉱山で本当に大きかったのは、売却益だけではありません。

一部を現引きして、現物株として残したことです。

住友金属鉱山では、2024年9月に100株、2025年3月に100株、2025年9月に200株を現引きしました。

約定日 内容 数量 単価 メモ
2024/09/27 現引き 100株 3,675円 2024年に一部を現物化
2025/03/27 現引き 100株 3,243円 3,200円台の建玉を現物化
2025/09/03 現引き 200株 3,338円 利確と同日に一部を現物化
合計 現引き累計 400株 - 現在の保有分

自分の基本スタンスとして、信用取引の短期売買で得た利益を使い、良いと思った銘柄の買いポジションを少しずつ現物化していく考えがあります。

ただ、これを実際にやるのは簡単ではありません。

信用取引で利益が出ると、いったん全部返済して身軽になりたくなります。
含み益がある建玉を現引きするには、その分の資金も必要になります。

それでも、気に入っている銘柄であれば、信用取引だけで終わらせず、少しずつ現物に変えて残していきたいという思いがあります。

短期売買で利益を取りながら、その利益を使って一部を現物株として残す。

住友金属鉱山では、結果的にこの流れがうまく機能しました。

第1部では、信用買いを増やしすぎて失敗しました。
第2部では、細かく売りすぎて上昇を取り逃がしました。
第3部では、売却益を出しながら、一部を現物として残しました。

完全に売り切るのではなく、利益を取りながら現物として残す。

この形にできたことが、今回の取引では一番大きかったと思います。

エピローグ:残した400株が、さらに利益を伸ばした

この記事を書いている時点で、住友金属鉱山の株価はさらに上昇しています。

2026年6月19日時点の株価は8,607円でした。
現引きした400株にも、大きな含み益が出ています。

現引きした400株の取得ベースは、ざっくり136万円です。
一方、株価8,600円前後で見ると、400株の評価額は約344万円になります。

現引き400株の現在のイメージ
・取得ベース:約136万円
・評価額:約344万円
・含み益:約200万円

もちろん、この上昇は銅市況などの追い風に助けられた面もあります。
自分の判断だけで株価が上がったわけではありません。

ただ、ここで大きかったのは、上昇前にすべて売り切らず、一部を現物として残していたことです。

もしすべて信用返済で終わらせていれば、その後の株価上昇は取れていません。

信用取引で短期的に利益を取り、その利益を使って一部を現物として残す。
今回の住友金属鉱山では、その流れが実現益と含み益の両方につながりました。

2022年に大きく損切りした銘柄で、最終的に売却益だけでなく、現物株の含み益まで残せたことは大きいです。

住友金属鉱山の取引は、買い急ぎ、売り急ぎ、そして現引きして残す判断まで含めて、自分の投資スタイルをかなりよく表している取引だったと思います。

まとめ

住友金属鉱山は、きれいに勝てた銘柄ではありません。

買い急いで失敗し、売り急いで後悔し、それでも2025年にようやく一部を現物として残す形に近づきました。

2025年も途中ではかなり売っており、完全に持てたわけではありません。
含み益を見ると利確したくなる弱さは、まだ残っていました。

それでも、2022年の大損で終わらせずに売買を続けたことで、実現益と現物保有の両方が残りました。

住友金属鉱山で一番学んだのは、買うことでも売ることでもなく、どこまで持ち、どこを残すかの難しさだったと思います。

買い急ぎで失敗し、売り急ぎで後悔し、最後にようやく少しだけ持てた。

この一連の流れが、住友金属鉱山の取引で一番残った教訓です。

```

2026年6月25日木曜日

投資歴30年の資産形成史⑦|野村の信用金利0.5%で、信用取引の使い方が変わった

この記事のポイント
・リーマンショックで一度は信用取引から距離を置いた
・SBI時代は一般信用の金利負担が重く、長期保有しにくかった
・野村證券の信用金利0.5%が、信用取引の使い方を大きく変えた
・低金利で回復待ちや現引きはしやすくなったが、ナンピンしやすくなる危うさもあった
・資産が増えるほど信用余力も増え、大きなポジションを取れてしまうリスクも感じた

第6部では、配当や信用取引の利益を現物株に変え、資産形成につなげていった流れを書きました。

今回は、その前提になった信用取引の使い方について振り返ります。

自分にとって大きな転機になったのは、野村證券の信用取引金利でした。

野村證券は2020年2月、オンライン専用支店の国内株式信用取引について、制度信用・一般信用の買方金利を従来の3.0%から0.5%へ引き下げると発表しています。

参考:野村證券「信用取引 買方金利0.5%へ引き下げのお知らせ」

当時、この0.5%という金利は、自分にとってかなり大きなインパクトがありました。

SBI証券でも信用取引は使っていましたが、一般信用の金利は3%近い水準だったと記憶しています。信用買いを長く持つには、金利負担がかなり重く感じました。

その点、野村の0.5%はかなり破格でした。

信用買いのポジションを長期で持っても、以前ほど金利負担を気にしなくてよくなりました。その結果、下落時に買い、相場が回復するまで持ち続けるという戦略が取りやすくなりました。

ただし、これは単純な成功談ではありません。

金利が低くなったことで、ナンピンもしやすくなりました。最終的に株価が回復し、プラスで終われることは多かったです。

しかし、大幅下落では信用維持率が一気に低下し、ポジションを維持できなくなる寸前まで追い込まれることもありました。

今回は、リーマンショックで一度痛い目を見た信用取引を、なぜ再び本格的に使うようになったのか。そして、野村の低金利が自分の投資スタイルをどう変えたのかを振り返ります。

リーマンショックで信用取引から一度距離を置いた

自分は、昔から信用取引をまったく使っていなかったわけではありません。

ただ、リーマンショックの頃に信用取引で大きな損失を出し、一度は信用取引から距離を置きました。

信用取引は、うまく使えば資金効率を高めることができます。現物株を担保にして、追加でポジションを取ることができるからです。

しかし、相場が急落した時のダメージは大きくなります。

現物株だけであれば、株価が下がっても持ち続けるという選択肢があります。もちろん含み損は増えますが、すぐに売らなければならないわけではありません。

一方、信用取引では含み損が大きくなると信用維持率が悪化します。場合によっては追証や強制決済のリスクもあります。

リーマンショックの頃の自分は、この怖さをかなり強く感じました。

その後、2017年頃から少しずつ信用取引を再開しましたが、最初から大きなポジションを取っていたわけではありません。あくまで現物株を中心にしながら、補助的に信用取引を使う程度でした。

この時点では、信用取引を長期で使って資産形成に活かすというより、現物投資の補助として使っていた感覚が強かったと思います。

SBI時代は、一般信用の金利が重かった

信用取引を使ううえで、自分が重視していたのは保有期間でした。

制度信用には原則として6カ月の返済期限があります。一方、一般信用は無期限で持つことができます。

自分の場合、下落時に買って、相場が回復するまで待つことが多いです。そのため、6カ月の期限がある制度信用よりも、無期限で持てる一般信用の方が使いやすいと感じていました。

ただし、SBI証券で一般信用を使っていた頃は、金利負担が重く感じました。

自分の記憶では、一般信用の買方金利は3%近い水準でした。

当時、自分が感じていた制約
・制度信用は、6カ月の返済期限が重い
・一般信用は無期限だが、SBI時代は金利が重い
・下落時に買って回復を待つ投資スタイルには、どちらも使いにくさがあった

信用買いを短期で返済するなら、金利負担はそこまで大きくありません。しかし、自分の場合は、下落時に買って相場回復を待つことが多く、数カ月以上持つこともあります。

そうなると、3%近い金利はかなり気になります。

SBI時代の一般信用には、期限の重しはありませんでした。しかし、金利の重しがありました。この金利負担が、信用買いを長期で持つうえで大きなネックになっていました。

野村の0.5%金利が転機になった

その状況を大きく変えたのが、野村證券の信用金利0.5%でした。

2020年2月、野村證券はオンライン専用支店の国内株式信用取引について、制度信用・一般信用の買方金利を0.5%へ引き下げました。

これは、自分にとってかなり大きなニュースでした。

一般信用を使えば、返済期限の問題は避けられます。さらに金利が0.5%であれば、長期で持つ時の負担感もかなり小さくなります。

制度信用は6カ月期限が重い。

SBI時代の一般信用は金利が重い。

野村の一般信用は、無期限で、しかも金利が0.5%。

この違いは大きかったです。

自分にとって、SBIから野村に移った主要因は、この信用金利の低さでした。ブランドや営業担当が理由だったわけではありません。一番大きかったのは、信用取引のコストです。

この金利差によって、信用取引の使い方はかなり変わりました。

信用買いを、短期で返済しなければならないものではなく、相場回復まで待てるポジションとして考えやすくなったのです。

野村口座の残高は大きく増えていった

野村口座の残高を見ると、2022年末時点ですでに合計約1億円規模になっていました。

その後、2023年末には約1.57億円、2025年末には約3.87億円まで増えています。

時点 野村口座の合計残高 国内株式等 信用取引評価 コメント
2022年末 約1.02億円 約1.02億円 約-1,068万円 すでに無期限信用を使っていた時期
2023年末 約1.57億円 約1.55億円 約-838万円 野村口座が日本株運用の中心になってきた時期
2025年末 約3.87億円 約3.81億円 約+268万円 野村口座が主力口座になり、資産規模が大きく拡大した時期

※各年末時点の取引残高報告書をもとに、記事用に概算で整理しています。

2022年末の野村口座では、合計残高が約1.02億円、信用取引評価が約-1,068万円となっており、すでに無期限信用を使った運用になっていました。

もちろん、この増加をすべて野村の信用取引だけで説明することはできません。

メガバンク株の上昇、相場環境、配当、現引き、保有株の評価益など、複数の要因が重なっています。

ただ、自分の感覚としては、野村の低金利信用を使うようになってから、資産形成のスピードが上がったように感じています。

特に2022年末時点では、すでにINPEX、信越化学、住友金属鉱山、DOWA、東京エレクトロン、日本郵船などを無期限信用で保有していました。

この時点で、現在の投資スタイルに近い形がかなりできていたと思います。

現物株を持ち、その現物株を担保に無期限信用を使う。利益や配当が入れば、現引きや次の投資に回す。

この流れが、野村口座の中で大きくなっていきました。

ここで感じたこと
資産が増えたことは良い面だけではありません。資産が増えると信用余力も増え、より大きなポジションを取れてしまいます。ここが、後の大きなリスクにもつながっていきました。

回復待ちと現引きがしやすくなった

野村に移って一番大きかったのは、信用買いを長く持ちやすくなったことです。

SBI時代は、一般信用で期限の問題は避けられても、金利負担が気になりました。しかし、野村の0.5%金利であれば、信用買いのポジションを長期で持っても、以前ほど負担には感じませんでした。

これにより、下落時に買ったポジションを、相場が回復するまで持ち続ける戦略が取りやすくなりました。

自分の投資スタイルでは、ここはかなり重要でした。

株価が下がった時に買う。すぐに上がらなくても、相場が戻るまで待つ。その間に配当や他の売買益が入れば、現引きする。

この流れが取りやすくなりました。

実際、最終的に株価が回復し、プラスで終われる取引も多くありました。

下落時に買い、含み損に耐え、相場が戻ったところで利益確定する。あるいは、残したい銘柄は現引きする。

このやり方は、自分の資産形成にかなり貢献したと思います。

ただし、それは相場が戻ったから成立した面もあります。

金利が安いことは、あくまで保有コストを下げてくれるだけです。株価下落のリスクそのものを消してくれるわけではありません。

低金利は、ナンピンをしやすくした

野村の低金利は、自分にとって大きなメリットでした。

しかし、それは同時に、ナンピンをしやすくする要因にもなりました。

金利負担が重ければ、信用買いを長く持つこと自体にブレーキがかかります。ポジションを増やす時も、金利コストをかなり意識します。

しかし、金利が0.5%だと、そのブレーキが弱くなります。

多少下がっても、もう少し持てる。もう少し買い下がっても大丈夫。相場が戻れば何とかなる。

そう考えやすくなります。

自分の場合、下落時に買い向かう傾向があります。そのため、低金利の信用取引は、ナンピンとの相性が良すぎました。

実際、最終的に株価が回復して、プラスで終われることは多くありました。結果だけ見れば、うまくいった取引も少なくありません。

しかし、うまくいった取引が続くと、だんだん感覚が鈍ります。

下がっても戻る。ナンピンして待てば何とかなる。金利も安いから、しばらく持っていればいい。

こう考えるようになると、かなり危険です。

最初は軽く買ったつもりでも、下落に合わせて買い下がるうちに、想定以上の金額になっていることがあります。

注意点
低金利の信用取引は、金利負担を軽くしてくれます。しかし、ナンピンの心理的なハードルも下げてしまいます。結果として、気づかないうちにポジションが大きくなる危うさがあります。

急落時には、低金利よりも維持率が問題になる

低金利の信用取引は、相場が通常の範囲で動いている時には使いやすいです。

含み損になっても、金利負担が小さければ待てます。相場が戻れば、利益確定できます。その利益を使って現引きすることもできます。

ただし、相場が大きく崩れた時は別です。

トランプショックのような急落局面では、信用維持率が一気に低下しました。この時は、低金利であることはほとんど助けになりませんでした。

問題になるのは、金利ではなく、含み損と担保価値の低下です。

信用建玉の株価が下がれば、含み損が増えます。担保にしている現物株も下がれば、保証金の価値も下がります。

その結果、信用維持率が急速に悪化します。

自分の場合も、ポジションを維持できなくなる寸前までいったことがあります。

金利が0.5%であっても、株価が大きく下がれば意味がありません。

低金利は金利負担を軽くしてくれますが、信用維持率の悪化を止めてくれるわけではありません。

反省点
野村の0.5%金利は大きな武器でした。ただし、金利が低いことと安全であることは別です。急落時には金利よりも信用維持率が問題になります。この点は、かなり大きな反省点です。

まとめ

野村の0.5%金利は、自分の信用取引の使い方を大きく変えました。

SBI時代は、一般信用を使えば期限の問題は避けられましたが、金利負担が重く感じていました。野村に移ってからは、その負担が大きく下がり、信用買いを長く持ちやすくなりました。

その結果、下落時に買い、相場回復を待ち、配当や売買益を使って現引きする流れが取りやすくなりました。

実際、野村口座の残高は2022年末の約1.02億円から、2025年末には約3.87億円まで増えています。

もちろん、これは野村の信用取引だけで増えたわけではありません。ただ、低金利で信用買いを長く持てる環境が、自分の資産形成を後押しした面は大きかったと思います。

一方で、低金利はリスクを消してくれるものではありません。

金利が低いからこそ、ナンピンしやすくなります。気がつけば、大きなポジションを抱えていることもあります。

急落時には、金利よりも信用維持率が問題になります。

野村の0.5%金利は、間違いなく大きな武器でした。

しかし、その武器は同時に、大きなリスクを取れてしまう危うさも持っていました。

この便利さと危うさの両方が、現在の自分の信用取引スタイルを作っていったと思います。

2026年6月23日火曜日

投資歴30年の資産形成史⑥|配当と信用利益は、どう現物資産へ変わったのか

家族ができてからは、給料から証券口座へ追加で入金することはほとんどありませんでした。

給料は、日々の生活費と貯金に回していました。

それでも資産が増えていったのは、口座の中で生まれた配当や信用取引の利益を、現物資産へ変え続ける流れができていたからです。

第5部では、信用取引の利益を現引きに使い、現物株を増やしていった話を書きました。

今回は、その配当や信用利益が、どのように資産形成へつながっていったのかを整理します。

ただし、これは単純な成功談ではありません。

配当や利益が現物株へ変わり、現物株がさらに配当と担保余力を生む。

この流れは、相場が良い時には強い好循環になります。

一方で、トランプショック時のような大幅下落では、同じ仕組みが逆回転します。

現物株を担保に信用取引をしている以上、株価が大きく下がれば担保価値も下がります。

その状態で信用建玉を持っていれば、信用維持率は悪化し、退場危機にもつながります。

今回は、自分の資産形成を進めてくれた仕組みと、その裏側にある危うさの両方を振り返ります。

この記事のポイント
・家族ができてからは、給料からの追加入金ではなく、口座内の資金循環が資産形成の中心になった
・配当と信用利益は、生活費ではなく現引きや現物株取得の原資になった
・利益を現物株へ変え続けたことで、配当と担保余力が増えていった
・ただし、大幅下落時にはこの仕組みが逆回転し、退場リスクにもつながる

配当は、現引き原資の一部になっていた

メガバンク株を中心に現物株が増えていくにつれて、配当収入も増えていきました。

もともとメガバンク株は、配当目的で保有していた面が強いです。

短期で大きく儲けようというより、安いところで買っておけば、配当を受け取りながら長く持てるだろうという感覚でした。

ただ、資産規模が大きくなるにつれて、配当の意味も変わっていきました。

単なる受取収入ではなく、現引きや次の投資の原資になっていったからです。

配当が入る。
その資金を口座内に残す。
信用建玉の一部を現引きする。
現引きした株が現物株になる。

この流れが、少しずつできていきました。

もちろん、配当だけで何でもできたわけではありません。

現引きにはまとまった資金が必要ですし、信用取引の利益も大きな原資になっています。

それでも、配当があることで、口座内の資金繰りにはかなり余裕が出ました。

配当は生活費として使うより、再投資や現引きのために使うことが多かったと思います。

結果として、配当目的で持っていた現物株が、信用取引の土台にもなっていきました。

最初からきれいに設計していたわけではありません。

ただ、振り返ると、配当を出金せずに口座内へ残していたことは、資産形成にかなり効いていたと思います。

信用利益は、消費ではなく現物株へ回していた

2023年以降、信用取引による利益は大きくなりました。

おおまかな数字で見ると、以下のようになります。

信用利益・実現利益の目安
2023年 約1,453万円
2024年 約2,214万円
2025年 約2,574万円
2026年5月時点 約5,750万円

数字だけ見ると、かなり大きな利益です。

ただ、ここで重要なのは、利益額そのものではありません。

その利益をどう使ったかです。

信用取引で利益が出ても、それを出金して使っていれば、そこで終わりです。

自分の場合は、利益の多くを口座内に残し、現引きや現物株の取得に回していました。

つまり、信用利益を「使うお金」ではなく、「現物株へ変えるための原資」として扱っていたことになります。

もちろん、これは結果的にうまく回った部分も大きいです。

相場環境が良く、保有株も上昇し、信用取引でも利益が出ていたからこそ成立しました。

信用取引で利益が出たからすごい、という話ではありません。

大事だったのは、利益をそのまま消費せず、現物資産へ変えていったことでした。

利益は、現物株へ姿を変えた

この第6部で一番書きたいのは、この部分です。

自分の資産形成では、配当や信用利益がそのまま現金として残ったわけではありません。

多くは、現引きや現物株の取得を通じて、現物資産へ姿を変えていきました。

口座内で起きていた流れ
配当が入る

信用取引で利益が出る

その資金で信用建玉を現引きする

現引きした株が現物株になる

現物株が配当と担保余力を生む

次の投資余力につながる

この流れができると、家計からの追加資金に頼らなくても、口座内で資産が回り始めます。

もちろん、理屈どおりにきれいに進んだわけではありません。

株価の下落もあります。

信用建玉の含み損もあります。

現引きした後に、株価がさらに下がることもあります。

それでも、利益を現物株に変えるという方向性は、かなり意識していました。

信用取引で得た利益は、一時的な利益です。

信用建玉を返済して利益確定すれば、口座内の現金は増えます。

しかし、そのままだと、次の相場でまた使ってしまう可能性もあります。

一方で、現引きして現物株に変えると、その株は保有資産になります。

配当が入る。

担保価値も生まれる。

長期で保有する選択肢も残る。

この違いは大きかったと思います。

自分の資産形成は、信用取引の利益だけで進んだわけではありません。

信用取引の利益を現物株に変えたことで、資産形成につながりました。

ここを間違えると、単なる短期売買の成功談になってしまいます。

自分にとって重要だったのは、利益を出したことよりも、その利益を現物株へ変え続けたことです。

利益は使えばなくなります。

しかし、現物株に変えれば、配当を生み、担保にもなり、次の投資余力にもつながります。

この循環が、資産形成を大きく進めてくれました。

口座内で資産が循環するようになった

若い頃の資産形成は、給与からの入金が中心でした。

働いて給料をもらい、その一部を投資に回す。

投資を始めた頃は、この流れが基本でした。

実際、投資初期の原資は、学生時代の貯金や社会人になってからの給与でした。

しかし、家族ができてからは、状況が変わりました。

給料は、日々の生活費と貯金に回すようになりました。

証券口座へ毎年まとまった金額を追加で入金するような形ではありません。

それでも資産が増えていったのは、口座内で発生する配当や売買益の影響が大きくなっていったからです。

特に2023年以降は、その傾向が強くなりました。

配当が入り、信用取引で利益が出る。

その資金で現引きし、現物株が増える。

現物株がさらに配当を生み、信用取引の担保にもなる。

この流れが、資産形成の中心になっていきました。

給料で増やす段階から、口座の中で資産を回す段階に移っていった感覚です。

ただし、これは再現性の高い話ではありません。

相場環境が良かったことが大きいです。

メガバンク株を中心に現物株が大きく上昇し、配当も増え、信用取引でも利益が出た。

その条件がそろったから、口座内の循環がうまく回りました。

相場環境が悪ければ、同じことをしていてもまったく違う結果になっていた可能性があります。

ここは、かなり冷静に見ておく必要があります。

この仕組みが良かった点

この運用で良かったのは、利益を利益のまま終わらせなかったことです。

信用取引で利益が出ると、どうしてもその利益額に目が行きます。

ただ、利益確定した時点では、まだ現金が増えただけです。

それを出金して使えば、資産形成としてはそこで止まります。

自分の場合は、その利益を現引きや現物株の取得に回していました。

その結果、利益は現物株へ変わりました。

現物株になれば、そこから配当が入ります。

また、信用取引の担保にもなります。

つまり、利益が次の配当や次の投資余力につながっていきます。

良かった点を整理すると、利益を消費せず資産へ戻したこと、配当を再投資に回したこと、現引きで現物株を増やしたことです。

そして、増えた現物株が担保となり、次の投資余力にもつながりました。

家計からの追加入金に頼らない資産形成の流れができたことは、大きかったと思います。

特に重要だったのは、現引きです。

信用取引で利益を出すだけなら、短期売買で終わります。

しかし、現引きを使うことで、信用取引の結果を現物資産に変えることができました。

自分の投資スタイルでは、この現引きがかなり重要な役割を果たしていました。

ただし、大幅下落時には退場危機が常に存在する

ここまで書くと、配当と信用利益を現物株に変える仕組みは、かなり理想的なものに見えるかもしれません。

実際、相場が良い時には強い仕組みです。

現物株が上がれば担保余力が増えます。配当も入ります。信用取引で利益が出れば、その利益を使って現引きもできます。現引きによって現物株が増えれば、さらに配当や担保余力も増えていきます。

この流れだけを見ると、口座の中で資産が自然に増えていくように見えます。

しかし、これは相場が良い時の姿です。

トランプショック時のような大幅下落では、同じ仕組みが一気に逆回転します。

現物株を担保に信用取引をしている場合、相場全体が大きく下がると、まず担保になっている現物株の価値が下がります。同時に、信用建玉にも含み損が出ます。

つまり、下落時には二つの方向から信用維持率が悪化します。

担保価値は下がる一方で、信用建玉の損失は増える。

この状態になると、普段は十分にあるように見えていた余力が、短期間で大きく削られます。

自分の場合、普段から信用維持率には気を付けています。ポジションの大きさや、現引きのタイミングも意識しています。

それでも、大幅下落時には危険です。

なぜなら、担保の中心が現物株だからです。

現金を多く持っている場合と違い、現物株を担保にしていると、相場全体の下落がそのまま担保価値の低下につながります。しかも、信用建玉も同時に下がれば、維持率は想像以上に早く悪化します。

資産が大きいから安全なのではありません。

むしろ、資産が大きいからこそ、大きなポジションを取れてしまいます。そして、大きなポジションを持った状態で相場が急落すれば、損失も大きくなります。

トランプショック時には、この危うさを強く感じました。

それまで積み上げてきた現物株は、普段は信用取引の余力を生んでくれる存在でした。しかし、大幅下落時には、その現物株の下落がそのまま担保価値の低下になります。

資産形成を支えてくれていた現物株が、下落時には信用維持率を悪化させる原因にもなる。

ここが、現物担保信用の一番怖いところだと思っています。

さらに、下落相場では冷静な判断も難しくなります。

評価額は減り、信用建玉の含み損は増え、維持率も悪化します。現引きする余力も減っていきます。その状態で、さらに下がるかもしれないという不安が出てくる。

普段なら冷静に考えられることでも、実際に口座残高が大きく減っていく場面では、同じように判断できるとは限りません。

だからこそ、現物担保信用は、好循環だけを見てはいけないと思っています。

上昇相場では、現物株が担保になり、配当を生み、次の投資余力を作ってくれます。

しかし下落相場では、現物株の下落が担保価値を削り、信用維持率を悪化させ、現引き余力を奪います。

注意点
資産形成を進めてくれた仕組みが、大幅下落時にはそのまま退場リスクになる。
この点を忘れると、いずれどこかで大きく失敗すると思っています。

信用取引そのものが悪いという話ではありません。

自分自身、信用取引を使って資産形成を進めてきました。

ただし、信用取引は資産形成を加速させる一方で、失敗した時のダメージも大きくします。

特に、現物株を担保にした信用取引では、相場全体の下落に弱い。

この事実は、常に意識しておく必要があります。

資産形成を支えたのは、利益そのものではなかった

今振り返ると、資産形成を支えたのは、配当そのものでも、信用取引の利益そのものでもありません。

重要だったのは、それらを使わず、現物株へ変え続けたことでした。

配当を受け取り、信用利益を出し、それを現引きに使い、現物株を増やす。

その現物株がまた配当を生み、担保余力にもなる。

この循環が、資産形成を大きく進めてくれました。

ただし、この仕組みは万能ではありません。

相場が良い時には好循環になりますが、暴落時には一気に逆回転します。

現物株を担保に信用取引をしている以上、大幅下落時には、担保価値の低下と信用建玉の含み損が同時に発生します。

その時に信用維持率が急低下すれば、退場危機は一気に現実になります。

だからこそ、今でも一番重視しているのは、利益を出すことよりもポジション管理です。

利益を現物資産へ変えること。

そして、その現物資産を担保にしすぎないこと。

この両方を意識しなければ、現物担保信用は長く続けられないと思っています。

資産形成を進めてくれた仕組みには、同時に退場リスクもあります。

この両方を忘れずに、今後もポジション管理を最優先にしていきたいと思います。

投資に関する注意事項
本記事は、筆者自身の投資経験と売買記録を振り返ったものであり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。
株式投資や信用取引には、元本割れや追証、強制決済などのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

2026年6月21日日曜日

投資歴30年の資産形成史⑤|現物資産を土台に広がった信用取引、その裏にあったリスク

この記事のポイント
・メガバンク株を中心に現物資産が大きくなり、信用取引を使う余地が広がった
・2024年・2025年は信用取引の利益を現引きに回す流れが定着した
・現引きによって現物資産は増えたが、信用取引のリスクも大きくなった
・レーザーテック急落時に、現引きの積み重ねの意味を強く感じた

はじめに

資産が増えても、安全になるとは限りません。

第4部では、メガバンク株が日本株資産の柱になったことを書きました。

メガバンク株を中心に現物資産が大きく育ったことで、私の運用スタイルも少しずつ変わっていきます。

それまでは、配当目的の現物保有が中心でした。

しかし、現物資産が大きくなると、その現物株を担保にして信用取引を使う余地も広がります。

2024年・2025年には、決算後に急落した銘柄や、相場全体が大きく下げた局面で、信用取引を使って短期売買を行うことが増えていきました。

この流れの中で、信用取引で得た利益や配当収入を使い、信用建玉を現引きして現物株を増やす運用も定着していきます。

当時は、メガバンク株を中心に資産が大きく育ち、「もう暴落が来ても以前ほど慌てることはないだろう」と思うようになっていました。

しかし、その考えは後に完全に覆されます。

レーザーテックを大量保有していたトランプ関税ショックでは、信用維持率が一気に悪化し、あと一段の下落で追証も意識するような状況まで追い込まれました。

では、なぜ退場せずに済んだのか。

振り返ると、その答えの一つは、数年前から続けていた「現引き」にあったように思います。

今回は、メガバンク株を中心に大きくなった現物資産を土台に、信用取引と現引きを組み合わせる現在の運用スタイルへどう変わっていったのかを振り返ります。

現物資産が大きくなり、信用取引を使う余地が広がった

メガバンク株を中心とした現物資産が大きくなるにつれ、自分の運用は少しずつ変わっていきました。

現物株は信用取引の担保になります。

評価額が大きくなるほど、信用取引で使える余力も増えます。

その結果、決算後に大きく下げた銘柄や、相場全体が急落したタイミングでも、以前より機動的にポジションを取れるようになりました。

以前なら、現金余力が足りずに見送っていたような局面でも、信用取引を使えばすぐに買い向かえます。

このメリットはかなり大きく感じていました。

注意点
担保余力が増えたということは、安全になったという意味ではありません。
言い換えれば、より大きなリスクを取れるようになったということでもあります。
この点を、当時の自分は少し軽く見ていたと思います。

2024年・2025年は信用取引が運用の一部になった

売買履歴を振り返ると、2024年・2025年は信用取引が運用の一部になっていました。

信用買新規 信用売決済 信用現引 信用売決済損益合計 現引き金額合計
2024年 365件 413件 55件 約1,926万円 約1,803万円
2025年 325件 468件 34件 約2,245万円 約1,642万円

※売買履歴データをもとに集計。損益は税引前ベースの概算です。

数字だけを見ると、かなり順調に見えます。

ただ、ここで重要なのは利益額そのものではありません。

利益を現引きに回し、現物資産へ置き換えていく流れが定着していたことです。

これだけの利益が出ていたということは、それだけ大きなポジションを取っていたということでもあります。

利益の大きさと、抱えていたリスクの大きさは表裏一体でした。

現引きが運用スタイルの中心になっていった

この頃から、自分の運用で一番特徴的になったのが「現引き」です。

信用取引で利益を確定する。

メガバンク株などからの配当収入も加わる。

その資金を使って信用建玉を現引きし、現物株として残していく。

利益を現金として使うのではなく、現物株へ置き換えていくことを優先していました。

運用の流れ
信用取引で利益確定

配当収入も加わる

現引きで現物株へ

現物資産が増える

担保余力が増える

次の急落局面で投資余力になる

短期売買だけを見ると、トレード中心の運用に見えるかもしれません。

しかし実際には、その利益を現物資産へ変えていくことが、自分の中では一番重要な目的でした。

この流れは、次回の第6部でさらに詳しく振り返る予定です。

口座内で資産を積み上げる運用へ

現引きを続けた結果、現物資産はさらに大きくなっていきました。

2025年末時点では、三井住友FGを39,900株、三菱UFJを35,000株保有していました。

評価額は三井住友FGが約2億円、三菱UFJが約8,700万円。

メガバンク2銘柄だけでも、約2億9,000万円規模になっていました。

口座全体でも、国内株式は約3億8,000万円。

お預り資産合計では約3億8,700万円規模となっており、自分でも「かなり余裕ができた」と感じるようになっていました。

当時の自分は、この規模まで資産が大きくなれば、大きな暴落が来ても十分耐えられると思っていました。

しかし、その安心感は後になって錯覚だったと気付くことになります。

配当投資、信用取引、現引き。

この3つが循環しながら、口座内で資産を積み上げていく運用へ変わっていったのです。

ただし、この時点での安心感は、半分は正しく、半分は錯覚だったと思います。

現物資産が大きくなったことは、たしかに運用の土台になりました。

一方で、その土台があるからこそ、信用取引でより大きなポジションを取れるようにもなっていました。

現引きの積み重ねが、後になって意味を持った

現引きの効果を本当に実感したのは、ずっと後のことでした。

レーザーテックの急落局面です。

レーザーテックについては、過去記事でも何度か取り上げています。

信用取引で買い、利益が出た分は利確し、一部は現引きして現物株として残していく。

そのような取引を繰り返していました。

地味な作業ですが、その積み重ねによって現物株が増え、担保余力も増えていました。

そしてトランプ関税ショックでは、レーザーテックの急落によって信用維持率が急低下します。

あと少し下落すれば追証という状況でした。

一日に資産が数百万円単位で動くような局面が続き、精神的にもかなり厳しい状態でした。

それでも退場せずに済んだ背景には、長年積み上げてきた現物資産と、現引きの積み重ねがあったと思っています。

もし、それまでの利益を現引きに回さず、信用建玉ばかりを増やしていたら、かなり危なかったはずです。

あの経験で、利益を出すことよりも、生き残ることの方が重要だと強く感じました。

資産が増えたことで、安全になったわけではなかった

数億円規模の現物資産を保有していると、不思議と安心感が生まれます。

多少の下落なら問題ない。

大きな現物株があるから大丈夫。

そう考えてしまいがちです。

しかし、信用取引を使っている場合は話が変わります。

暴落時には、現物株の評価額低下と信用建玉の損失が同時に発生します。

現物株が下がれば担保価値が下がる。

信用建玉も下がれば含み損が膨らむ。

その結果、信用維持率は一気に悪化します。

現物資産が大きいほど安心できる一方で、その現物資産を担保に大きなポジションを取ってしまえば、リスクも同じように大きくなります。

反省点
資産が増えたことで安全になったのではなく、大きなリスクを取れるようになっただけだった。
この感覚は、現在の運用を考えるうえでもかなり重要だと思っています。

まとめ

第4部までで、メガバンク株を中心とした現物資産は大きく成長しました。

そして第5部では、その現物資産を土台に、信用取引と現引きを組み合わせる運用へ変わっていった流れを振り返りました。

信用取引で利益を確定し、配当収入も合わせて現引きに回す。

その結果、現物株が増え、担保余力も増えていく。

一見すると地味ですが、この積み重ねが、後の暴落局面で自分を支えてくれました。

ただし、現物資産が増えたからといって、安全になったわけではありません。

むしろ、資産が増えたことで、より大きなリスクを取れるようになっていた面もありました。

30年近く投資を続けてきて思うのは、一度の大勝より、暴落で退場しないことの方がはるかに重要だということです。

現引きは目立つ投資手法ではありません。

SNSで話題になることも少なく、派手さもありません。

ですが、その地味な積み重ねが、後の暴落局面で自分を支えてくれました。

今振り返ると、資産形成の土台を作ったのは、信用取引で得た利益ではなく、その利益を現物資産へ変え続けた判断だったのだと思います。

次回は、配当収入と信用取引の利益がどのように現物株へ姿を変え、口座内で資産が循環していったのか。

その流れを、具体的な数字とともに振り返ってみたいと思います。

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2026年6月19日金曜日

【実録】住友金属鉱山で学んだ売り急ぎの後悔②|底値圏の細かい利確が、上昇局面で仇になった話

前回の記事では、2022年に住友金属鉱山で大きく損切りした話を書きました。

5,400円台が底だと思ってナンピンしましたが、そこは底ではありませんでした。

信用買いのポジションは2,500株まで膨らみ、最後はDOWAと同じタイミングで非鉄株の重さに心が折れました。

2022年7月6日。

住友金属鉱山を1,400株損切りし、実現損益は-2,256,982円

2022年だけを見れば、完全な失敗でした。

ただ、住友金属鉱山の取引はそこで終わりません。

2023年から2024年にかけて、再び売買を続けました。

ただし、第2部は単純な「損失を取り返した話」ではありません。

ポジション自体は含み損が続いていました。

それでも、株価が底値圏で動いている間に、細かく売買して実現益を拾っていました。

このやり方は、底値圏ではそれなりに機能しました。

しかし、2024年7月頃に株価が上昇した時、この細かい売買が逆に仇になります。

底値圏では助けになった細かい利確が、上昇局面では大きな利益を取り逃がす原因になりました。

第1部が「買い急ぎの失敗」だとすれば、第2部は「売り急ぎの後悔」です。

含み損を抱えたまま、底値圏で利益を拾っていた

2022年7月に大きく損切りした後も、住友金属鉱山を完全に見切ったわけではありませんでした。

大きな損失を出した銘柄ではあります。

それでも、非鉄大手としての事業基盤や、銅・ニッケル・電池材料といったテーマへの関心は残っていました。

2022年11月には再び買い直し、11月24日に1,000株を売却しています。

この時の利益は+87,221円でした。

わずかではありますが、7月の大損から少しだけ取り返した形です。

ただし、2022年単体の実現損益は-2,169,761円

まだ大きなマイナスを抱えたまま、2023年の売買に入っていきました。

2023年の住友金属鉱山は、大きな上昇を一気に取るというより、底値圏で細かく利益を拾う取引でした。

ここで大事なのは、実現益だけを見ると勝っているように見える一方で、ポジション全体ではまだ苦しかったことです。

保有しているポジションには含み損が残っていました。

株価が大きく上昇していたわけでもありません。

その中で、下がったところで買い、少し戻ったところで売る。

大きく取るというより、細かく回転させて利益を拾う。

そういう売買を続けていました。

2023年:底値圏で細かく利益を拾った主な売買

約定日 内容 数量 平均単価 日次損益 累計損益
2023/09/14 信用売決済 1,000株 4,694.6円 +125,992円 -2,043,769円
2023/11/15 信用売決済 2,000株 4,326.0円 +299,932円 -1,743,837円
2023/12/15 信用売決済 2,000株 4,206.6円 +234,345円 -1,509,492円

2023年の実現損益は+660,269円でした。

この表だけを見ると、悪くない売買に見えます。

しかし実際には、保有ポジションの含み損が残っていたため、気持ちよく勝っている感覚はありませんでした。

実現益は出ている。

でも、通算ではまだ大きくマイナス。

さらに、保有ポジション自体も楽な状態ではない。

まさに、勝っているのに、まだ負けている感覚でした。

それでも、底値圏で細かく売買する方法は、当時の自分には現実的な対応でした。

2022年のようにポジションを膨らませすぎるのは怖い。

だから、利益が出たらいったん確定する。

含み損を抱えながら、少しでも実現益を積み上げる。

このやり方は、底値圏ではそれなりに機能していました。

ただ、ここに落とし穴がありました。

底値圏で有効だった売買が、上昇局面でも正解とは限らない。

この時点では、そこまで強く意識できていませんでした。

2024年春、上昇前にポジションを落としていった

2024年に入ると、住友金属鉱山の株価は少しずつ戻り始めます。

この局面でも、自分は細かく売買を続けていました。

2024年春:上昇前にポジションを落としていった主な売買

約定日 内容 数量 平均単価 日次損益 累計損益
2024/01/25 信用売決済 1,000株 4,102.3円 +19,862円 -1,489,630円
2024/03/13 信用売決済 1,000株 4,057.8円 +65,176円 -1,424,454円
2024/03/14 信用売決済 1,000株 4,311.4円 +190,237円 -1,234,217円
2024/04/04 信用売決済 1,800株 5,154.8円 +54,851円 -1,179,366円
2024/04/09 信用売決済 400株 5,253.5円 -68,400円 -1,247,766円
2024/04/19 信用売決済 900株 5,129.0円 +1,042,800円 -204,966円
2024/08/15 信用売決済 400株 3,918.0円 +96,417円 +3,311円

特に大きかったのが、2024年4月19日の売却です。

900株を平均5,129円で売却し、利益は+1,042,800円

この1回で、2022年の大損をかなり回収することができました。

精神的にもかなり楽になりました。

ただ、今振り返ると、この表は「利益を取った記録」であると同時に、「上昇前にポジションを減らしていった記録」でもあります。

当時は、利益が出たので売りました。

2022年に大きく負けた記憶がある以上、戻ったところで売りたくなるのは自然です。

しかし、ここから先の値動きを見ると、別の後悔が出てきます。

2024年7月頃の上昇で、細かい売買が仇になった

チャートで見ると、2023年から2024年にかけて、売買をかなり細かく繰り返していることが分かります。

底値圏では、この細かい売買によって実現益を積み上げることができました。

しかし、2024年7月頃の上昇局面では、これが逆に仇になりました。

2024年4月から7月にかけて、住友金属鉱山の株価は一旦大きく上昇しました。

それまで底値圏でくすぶっていた株価が、ようやく上に動いた局面です。

本来なら、ここでしっかりポジションを持っていれば、もっと大きな利益を狙えた可能性がありました。

しかし、自分はそれまでの売買で、細かくポジションを落としていました。

含み益が出れば売る。

少し戻れば売る。

損失を早く埋めたいから売る。

その繰り返しです。

底値圏で横ばいのような相場なら、このやり方でも利益を拾えます。

実際、2023年から2024年前半にかけては、それで実現益を積み上げていました。

でも、相場の局面が変わった時には、このやり方が弱点になりました。

株価が上に走り始めた時、十分なポジションが残っていない。

株価は上がっているのに、自分の利益は思ったほど伸びない。

これは、下落で損をするのとはまた違う悔しさでした。

損をしているわけではありません。

むしろ、売買としては利益が出ています。

それなのに、チャートを見ると悔しさが残る。

「持っていれば、もっと取れた」

そう思ってしまう局面でした。

もちろん、これは結果論です。

当時は2022年の大損が頭にあり、含み益が出ると早めに確定したくなっていました。

それは自然な判断だったと思います。

ただ結果として、その慎重さが2024年の上昇局面では利益を削りました。

2022年は買い急ぎで失敗しました。

5,400円台が底だと思い、ナンピンを重ねました。

その反省から、2023年以降は慎重になりました。

利益が出たら早めに売る。

ポジションを抱えすぎない。

少しずつ実現益を積み上げる。

底値圏では、それが正解に見えていました。

しかし、2024年7月頃の上昇では、それが裏目に出ました。

底値圏で助けになった細かい売買が、上昇局面では大きな利益を削る原因になったのです。

ここが、今回の住友金属鉱山第2部で一番書きたかったところです。

単に、損失を取り返した話ではありません。

含み損を抱えながら、底値圏で細かく売買していた。

その売買は、実際に利益を生んでいた。

でも、その成功体験が身につきすぎたことで、上昇局面ではポジションを残せなかった。

これが、今振り返って一番の後悔です。

通算プラスでも、勝ち切った感覚はなかった

2024年8月15日。

住友金属鉱山を400株、平均3,918円で売却しました。

この日の利益は+96,417円

この売却によって、累計損益は+3,311円になりました。

ようやく通算プラスです。

ただ、プラスといっても、ほぼトントンです。

2022年7月に200万円を超える損切りをしてから、2年以上かけて、ようやくスタートラインに戻ったような感覚でした。

損失は取り返した。

でも、勝ち切った感覚はありませんでした。

むしろ、ようやく傷が塞がっただけ。

そんな印象です。

通算損益がプラスになったことよりも、2024年7月頃の上昇を十分に取り切れなかった後悔の方が、強く残りました。

買い急ぎの次に、売り急ぎが出た

住友金属鉱山の取引を振り返ると、2022年と2023年以降で、失敗の形が変わっています。

2022年は、買い急ぎでした。

十分下がったと思い込み、ナンピンを重ねました。

しかし、そこは底ではなく、ポジションだけが重くなっていきました。

そして最後は、DOWAも含めた非鉄株の重さに耐えられず、損切りしました。

一方、2023年から2024年は、売り急ぎでした。

2022年の大損があったからこそ、利益が出ると早く確定したくなりました。

その結果、底値圏では実現益を積み上げることができました。

2023年は+660,269円

2024年4月19日には、+1,042,800円の大きな利益もありました。

ただ、そのやり方が身につきすぎたことで、2024年7月頃の上昇では十分なポジションを残せませんでした。

買い急ぎで失敗した後、今度は売り急ぎで後悔する。

本当に難しいです。

底値圏で細かく売買すること自体は、間違いではなかったと思います。

含み損を抱えながら、少しでも実現益を拾う。

これは当時の自分にとって、かなり現実的な対応でした。

ただ、相場が横ばいから上昇に変わった時には、同じやり方では利益を伸ばせませんでした。

局面が変わっているのに、売買の感覚だけが底値圏のままだった。

ここが反省点です。

第2部のまとめ

第2部では、2022年の大損後、2023年から2024年にかけて住友金属鉱山を売買し続けた話を書きました。

ただし、これは単純な損失回収の話ではありません。

ポジション自体は含み損が続いていました。

その中で、底値圏の値動きを使って細かく売買し、実現益を積み上げていました。

底値圏では、細かい売買が助けになりました。

でも、2024年7月頃の上昇局面では、その細かい売買が仇になりました。

上昇前にポジションを落としていたことで、大きな利益を十分に取れなかったからです。

2022年は、買い急ぎで失敗しました。

2023年から2024年は、その反省から慎重になりました。

しかし、慎重になりすぎたことで、今度は売り急ぎました。

底値圏では正解に見えた細かい利確が、上昇局面では利益を削る。

この経験は、かなり強く残りました。

だからこそ、2025年の住友金属鉱山では、もう少し持とうと思いました。

次回は、その2025年の売買と、現引きした株が現在の含み益につながっていく話を書きます。

2026年6月17日水曜日

投資歴30年の資産形成史④|配当目的のメガバンク株が日本株資産の柱になった

この記事のポイント
・メガバンク株は、もともと配当目的で保有していた
・ゼロ金利解除と利上げにより、銀行株の収益改善と増配期待が高まった
・2025年末時点では、メガバンク3銘柄が日本株資産の中心になった
・ただし、最初からここまでの株価上昇を読んでいたわけではない
・大きくなった現物資産は、その後の信用取引や現引きの土台にもなっていく

第3部では、米国株で作った資金を日本株へ戻し、三井住友FGとMUFGを大きく買い増した流れを振り返りました。

今回は、その後のメガバンク株が、どう日本株資産の中心になっていったのかを整理します。

もともとメガバンク株は、株価の大幅上昇を狙って保有していたというより、配当金を目的に持っていた銘柄でした。

振り返ると、自分はメガバンク株を成長株として買っていたわけではありません。
配当金を目的に集中保有していた銘柄が、金利環境の変化によって想定以上に評価された、というのが実感です。

高配当で、長期保有しやすい。
大手銀行で一定の安定感もある。

そう考えて保有していた銘柄が、ゼロ金利解除と利上げによって大きく見直されることになりました。

ただ、ここまで株価が伸びるとは、当時は考えていませんでした。

2021年末時点で、メガバンク中心の保有はできていた

2021年末時点で、メガバンクはすでに日本株ポートフォリオの中心になっていました。

主な保有は以下です。

銘柄 2021年12月保有株数 評価額
MUFG 23,000株 約1,437万円
三井住友FG 8,100株 約3,194万円
みずほFG 1,800株 約263万円

この時点で、コロナショック後に買い増したメガバンク株は、日本株資産の中でかなり大きな位置を占めていました。

ただし、この段階では、まだその後の大きな株価上昇まで見込んでいたわけではありません。

自分の感覚としては、配当を受け取りながら長く持つ銘柄という位置づけでした。

当初の目的は配当金だった

自分にとってメガバンク株は、もともと株価上昇を狙う銘柄というより、配当金を受け取りながら保有する銘柄でした。

特に三井住友FGやMUFGは、配当利回りの面で魅力があり、長期で持ちやすいと考えていました。

リーマンショック前後から銀行株を保有していたこともあり、メガバンク株には以前から馴染みがありました。

一方で、銀行株は長く低迷していた銘柄でもあります。

リーマンショック後は株価が大きく下がり、配当目的で入ったものの、含み損が出て持ち続けるしかなかった時期もありました。

その後、みずほFGから三井住友FGへ主力を移し、2020年から2021年にかけて米国株資金を使って三井住友FGとMUFGを大きく買い増しました。

この時点での考え方も、基本は配当重視でした。

大きく株価が上がることを期待していたというより、安くなったメガバンク株を買い増し、配当を受け取りながら保有する感覚が強かったです。

ゼロ金利解除と利上げで銀行の収益環境が変わった

その後、銀行株を取り巻く環境は大きく変わりました。

長く続いた低金利環境では、銀行株は高配当ではあるものの、株価の上昇余地は限られるように見られがちでした。

銀行は安定している。
配当はある。
ただし、大きく成長するイメージは持たれにくい。

自分自身も、当時はそれに近い見方をしていました。

しかし、ゼロ金利解除と利上げによって、銀行の収益環境は変わっていきました。

金利のある環境に戻ることで、銀行の利ざや改善が意識されるようになりました。
それにより、メガバンクは単なる高配当株ではなく、収益改善が期待できる銘柄として見直されるようになりました。

銀行株にとって大きかったのは、金利上昇そのものよりも、それが収益改善と増配期待につながったことだと思います。

利ざや改善で利益が増えれば、配当を増やす余地も広がります。
自分はもともと配当目的で保有していたため、増配期待が高まったことは、保有を続ける理由をさらに強くしました。

ここは、自分が最初から正確に読んでいたわけではありません。

配当目的で保有していたメガバンク株に、結果として金利環境の変化が大きく効いたというのが実感です。

※2020年初を100として、日経平均・MUFG・三井住友FGの株価推移を比較するイメージです。

※2020年初を100として、日経平均・MUFG・三井住友FGの株価推移を比較するイメージです。

2020年を起点にすると、日経平均も大きく上昇しています。
ただ、MUFGや三井住友FGは、ゼロ金利解除や利上げが意識される局面から、日経平均以上に強い動きになっています。

自分の日本株資産が大きく伸びたのは、日本株全体の上昇だけでなく、メガバンク株に集中していた影響も大きかったと思います。

この比較を入れることで、メガバンク株の上昇が単なる日本株全体の上昇だけではなく、銀行株固有の見直しも大きかったことが分かりやすくなります。

収益改善が増配につながり、株価評価も変わった

銀行株の見直しで大きかったのは、単に金利が上がったことだけではありません。

金利上昇によって収益改善が期待される。
収益が増えることで、増配余地が広がる。
増配によって、配当株としての魅力がさらに高まる。

この流れが、メガバンク株の評価を押し上げた要因だったと思います。

自分はもともと配当目的でメガバンク株を保有していました。

そのため、増配期待が高まったことは、保有を続ける理由にもなりました。

以前の銀行株は、配当はあるものの株価の重さが目立つ銘柄でした。
しかし、金利環境が変わり、収益改善と増配期待が見えてくると、見られ方も変わっていきました。

配当目的で持っていた銘柄が、結果的に株価上昇でも資産形成に大きく貢献する形になりました。

2025年末時点で、メガバンクが日本株資産の中心になった

2025年末時点では、メガバンク3銘柄が日本株資産の中心になっていました。

銘柄 2025年12月保有株数 評価額 位置づけ
MUFG 35,000株 約8,725万円 日本株資産の大きな柱
三井住友FG 39,900株 約2億113万円 最大の保有銘柄
みずほFG 2,090株 約1,191万円 補足的な保有
合計 - 約3億30万円 メガバンク3銘柄合計

2025年12月時点の国内株式等は約3.8億円でした。

その中で、メガバンク3銘柄だけで約3億円規模になっています。

この数字を見ると、メガバンク株が自分の日本株資産の中心になったことは明らかです。

振り返り
ここまでメガバンクに偏っていること自体は、分散投資という意味ではかなり偏った状態です。
ただ、当時の自分は、メガバンクを危険な集中投資というより、配当を受け取りながら保有する主力株として見ていました。

これは最初からここまでの株価上昇を狙っていたというより、配当目的で保有していた銘柄に、金利環境の変化が大きく追い風になった結果でした。

想定以上に伸びたことは整理しておきたい

メガバンクを配当目的で保有し続けたことは、結果的には大きくプラスに働きました。

ただ、ここまで株価が伸びるとは思っていませんでした。

金利環境の変化、収益改善、増配期待、株主還元の強化。
こうした流れが重なったことで、メガバンク株の評価は大きく変わりました。

もちろん、コロナショック後にメガバンクを買い増した判断は、自分の資産形成にとって大きな意味がありました。

ただし、それをすべて自分の判断が正しかったからと考えるのは違うと思っています。

配当目的で保有していた銘柄に、金利環境の変化という大きな追い風が来た。

この見方の方が、実感に近いです。

大きくなった現物資産が、現在の運用の土台になった

メガバンク株を中心に現物資産が大きくなったことで、その後の日本株運用も変わっていきました。

現物株の評価額が大きくなると、それが信用取引の担保にもなります。

2024年・2025年には、現物株を担保にした信用取引や短期売買も増えていきます。
利益を確定し、その資金を使って現引きする流れも出てきました。

注意点
現物資産が大きくなることは安心材料である一方、信用取引でより大きなポジションを取れる土台にもなります。
資産が増えたからリスクが消えるわけではなく、むしろ次のリスクを取りやすくなる面もあります。

ただし、この話まで第4部に入れると、記事の焦点がぼやけます。

この大きくなった現物資産は、その後の信用取引や現引きの土台にもなっていきます。
信用取引・短期売買・現引きの話は、次回に回します。

まとめ

メガバンク株は、もともと配当金を目的に保有していた銘柄でした。

2021年末時点で、メガバンク中心の日本株ポートフォリオはすでに形になっていました。

ただ、この時点で、ここまで株価が伸びるとは考えていませんでした。

その後、ゼロ金利解除と利上げによって銀行の収益環境が変わり、収益改善と増配期待がメガバンク株の評価につながっていきました。

結果として、2025年末時点では、メガバンク3銘柄が日本株資産の中心になっています。

これは、自分の判断だけでなく、金利環境の変化に大きく助けられた面もあります。

次回は、この大きくなった現物資産を土台にして、信用取引、利確、現引きの運用がどう広がっていったのかを振り返ります。

2026年6月15日月曜日

投資歴30年の資産形成史③|米国株資金でメガバンクを買い増した転換点

米国株で作った資金は、最終的にメガバンク株の買い増しに向かいました。

前回は、米国株資金を日本株側へ戻した理由を書きました。
今回は、その資金を使って、なぜメガバンク株を大きく買い増したのかを振り返ります。

この記事で中心にしたいのは、現在の評価額ではありません。
2020年から2021年にかけて、どのような判断で銀行株への集中度を高めていったのかです。

当時の自分は、すでに長く保有していたメガバンク株で含み損を抱えていました。
そこへ、米国株で作った資金まで投入しています。

結果的には後の日本株資産の回復につながりましたが、かなり偏った資金配分だったことも確かです。

この記事のポイント
・メガバンク株は、コロナショックで初めて買った銘柄ではなかった
・リーマンショック前から配当目的で保有していたが、長い含み損期間もあった
・みずほFGから三井住友FGへ主力を移しながら、メガバンク株を持ち続けてきた
・米国株資金を日本株へ戻したあと、三井住友FGとMUFGを大きく買い増した
・結果的には日本株資産の回復につながったが、かなり集中リスクを取った判断だった

メガバンクは、コロナで初めて買った銘柄ではなかった

自分にとって、メガバンク株はコロナショックで初めて買った銘柄ではありません。

リーマンショック前から、配当金を目的に購入していました。
当時の自分にとって、メガバンクは高配当株としての魅力がありました。

ただ、そこから先はきれいな配当投資というより、かなり苦しい保有期間でした。

リーマンショックで銀行株は大きく下落。
配当目的で買ったつもりでしたが、株価が大きく下がると、配当をもらっても含み損の重さはなかなか消えません。

積極的に長期保有していたというより、含み損が大きくなり、持ち続けるしかなかった面もあります。

その後も、銀行株は長い低迷期に入りました。
マイナス金利もあり、銀行株が市場から高く評価される雰囲気はなかなか戻りませんでした。

それでも、自分はメガバンクを完全に手放すことはありませんでした。
むしろ、低迷期にも少しずつ買い増しを続けてきました。

みずほから三井住友FGへ、主力を移していった

リーマンショック前後のころは、みずほFGも主力として持っていました。

ただ、みずほFGは株価下落がかなり厳しかった。
保有している中で、銀行株の中でもみずほは特に厳しい印象がありました。

そのため、その後はメガバンクの主力を三井住友FGへ移していきました。

三井住友FGは、みずほと比べると自分の中では安心感がありました。
配当をもらいながら長期で持つなら、三井住友FGを中心にした方がよいのではないか。
そう考えるようになっていきました。

みずほFGも完全になくしたわけではありません。
ただ、リーマン後に主力として大きく買い増していったのは、みずほではなく三井住友FGでした。

そのため、この記事でもみずほFGは補足扱いにします。
今回の主役は、三井住友FGとMUFGです。

2017年5月時点の日本株資産は、約2,000万円規模でした。
ただし、評価損益は約マイナス137万円。

この時点で、日本株側は大きく利益が出ていたわけではありません。
むしろ、メガバンクは長く持っていたものの、株価面ではなかなか報われない銘柄でした。

リーマンショック前から配当目的で持っていた。
その後の低迷期も買い増してきた。
みずほから三井住友FGへ主力を移しながら、メガバンク株を持ち続けてきた。

そこへ、コロナショックが重なりました。

コロナショックで、銀行株が再び安値圏へ沈んだ

2020年、コロナショックで日本株は大きく下落しました。

メガバンク株も大きく売られました。
もともと長く低迷していた銀行株が、さらに安値圏へ沈んだような感覚でした。

当時は、企業の資金繰り悪化や銀行の与信費用増加への不安もありました。
低金利やマイナス金利による収益性への懸念も続いていました。

今から見ると、かなり安いところで買えたように見えます。
ただ、当時は銀行株の低迷がさらに続く可能性もありました。

それでも自分は、メガバンクを買い増しました。

株価水準としてはかなり割安に見えたこと。
そして、メガバンクなら配当をもらいながら長期で持てる、という感覚があったこと。

この二つが大きかったと思います。

もちろん、コロナショックを事前に読んでいたわけではありません。
米国株資金を日本株側へ戻したタイミングと、銀行株の下落が重なった。

そこに、自分の「下落時に買い向かう」投資スタイルが重なりました。

買い増し後のメガバンク保有株数

ここでは、細かい売買明細ではなく、買い増し後にどれくらいの保有規模になっていたのかを整理します。

2020年から2021年にかけて、三井住友FGとMUFGを中心に大きく買い増しました。
その結果、2021年時点ではメガバンクの保有比率がかなり高くなっています。

銘柄 主な買い増し 買い増し後の保有状況 位置づけ
三井住友FG 2020年5月までに6,700株買い増し 2021年12月時点で8,100株 メガバンク投資の主力
MUFG 2020年11月までに22,800株買い増し 2021年5月時点で23,000株 米国株資金投入後の象徴的な買い増し
みずほFG 追加売買は限定的 2021年12月時点で1,800株 補足的な保有

三井住友FGは、2020年5月22日に合計6,700株を買い増しました。
もともと自分の中でメガバンク投資の主力になっていた銘柄で、コロナショック後の下落局面でさらに保有を増やした形です。

MUFGは、2020年11月までに22,800株を買っています。
2021年5月時点では、保有株数が23,000株になっていました。

みずほFGも保有していましたが、リーマン後に主力を三井住友FGへ移したこともあり、この時期の主役ではありません。
補足的な保有として扱います。

ここで重要なのは、単にメガバンクを少し買い足したのではないことです。

すでに長く保有していた銀行株に、戻した米国株資金を加えて、さらに大きく寄せていった。
この結果、次に見るように、2021年時点でメガバンクは日本株ポートフォリオの中心になっていました。

2021年時点で、メガバンク中心のポートフォリオになっていた

2021年12月時点では、メガバンクの保有状況は次のようになっています。

銘柄 2021年12月時点の保有株数 評価額
MUFG 23,000株 約1,437万円
三井住友FG 8,100株 約3,194万円
みずほFG 1,800株 約263万円

この時点で、もはやメガバンクは一部保有銘柄ではなく、日本株ポートフォリオの中心になっていました。

ただ、2021年時点では、まだ完全に報われたという感覚ではありません。
コロナショック後に大きく買い増したポジションが、ようやく形になってきた段階でした。

ここで重要なのは、資金を日本株に戻したあと、幅広く分散したわけではなかったことです。

結果として、日本株の中でもメガバンクにかなり寄せる形になりました。

銀行株の見られ方が変わっていった

それまでのメガバンクは、配当はあるけれど株価では報われにくい銘柄でした。

しかしその後、金利上昇や株主還元の強化で、銀行株の見られ方が変わっていきました。

長く人気のなかった銀行株に、再び資金が向かうようになった。
配当だけでなく、株価上昇も期待されるようになった。

結果として、2020年から2021年に作ったポジションが、日本株資産の柱になりました。

2025年末時点では、メガバンク3銘柄が日本株資産の中心になっています。

ただし、この記事で書きたいのは、現在の評価額ではありません。
大事なのは、2020年当時にどのような判断で買い増したのかです。

当時は、銀行株がここまで見直されると確信していたわけではありません。
かなり安いとは感じていましたが、将来の金利環境や株主還元の強化まで、はっきり見通せていたわけではないです。

結果として資産形成に大きく貢献した。
しかし、その過程ではかなり偏った資金配分をしていました。

反省点:問題は、下がった株を買ったことだけではない

反省点
今回の問題は、下がった銘柄を買い増したこと自体ではありません。
米国株で作った資金を日本株に戻したあと、その資金をさらに銀行株へ寄せたことです。

今回のメガバンク買い増しは、結果的には自分の資産形成に大きく貢献しました。

ただ、投資判断として振り返ると、危うい面も多かったと思います。

米国株で作った資金を日本株に戻すだけなら、もっと分散する選択肢もありました。
しかし実際には、その資金のかなり大きな部分をメガバンクに向けています。

つまり、資産を日本株に戻しただけでなく、日本株の中でも銀行株に寄せたことになります。

これは、かなり偏った判断でした。

もし銀行株の低迷がさらに長引いていれば、日本株資産の回復は大きく遅れていた可能性があります。
配当は受け取れても、株価が戻らなければ、重いポジションを抱え続けることになっていました。

さらに危ないのは、今回の結果によって、自分のナンピン癖を正当化しやすくなることです。

下がったら買えばいい。
長く持てば戻る。
配当をもらいながら待てばいい。

今回に限れば、その考え方はうまくいきました。

しかし、毎回通用するとは限りません。

株価が戻ったから問題がなかったわけではない。
むしろ、株価が戻ったことで、当時取っていたリスクの大きさが見えにくくなっている面もあります。

ここは、自分でも気をつけないといけないところです。

まとめ

米国株で作った資金を日本株へ戻したことは、自分の資産形成にとって大きな転換点でした。

ただし、その資金は広く分散されたわけではありません。
実際には、リーマンショック前から配当目的で持っていたメガバンク株への大きな買い増しに向かいました。

配当目的で買ったものの、リーマンショック後の下落で含み損を抱え、持ち続けるしかなかった時期もあります。
その中で、みずほFGから三井住友FGへ主力を移しながら、メガバンク株を持ち続けてきました。

そして2020年のコロナショック後、三井住友FGを大きく買い増し、MUFGも大きく買い増した。
その結果、2021年にはメガバンク中心の日本株ポートフォリオになっていました。

結果的には、それが後の日本株資産の回復に大きく貢献しました。

ただ、当時の判断はかなり集中リスクを取ったものでもありました。

自分の投資スタイルは、この局面でかなりはっきり出ています。

下落時に買い向かう。
配当を重視する。
長期で持てる銘柄を買い増す。
損切りよりもナンピンで対応しがち。

今回は、このスタイルが良い方向に出ました。
ただ、同じやり方が常に通用するわけではありません。

むしろ、うまくいった取引ほど、後から振り返っておく必要があると思います。

ただ、資産が増えたあとも、このままメガバンク中心でよいのか。
次回は、大きくなった日本株ポートフォリオを見ながら、集中投資の次に出てきた課題を振り返ります。

2026年6月13日土曜日

投資歴30年の資産形成史②|米国株で作った資金を日本株へ移した理由

この記事のポイント
・米国株は自分の資産形成に大きく貢献してくれた
・一方で、Firstrade口座に大きな資産を置き続ける不安も出てきた
・日本株ではメガバンクを長く含み損で保有していた
・資金を日本側へ戻したい時期に、偶然コロナショックが起きた
・戻した米国株資金でメガバンクを大きく買い増し、後の日本株資産の復活につながった

前回は、自分の資産形成において、米国株投資が大きな役割を果たしたことを書きました。

2001年ごろから米国株投資を始め、Microsoft、Pfizer、Altria、海外ETFなどを保有してきました。
米国企業の配当や株主還元、Firstradeの配当再投資プログラムは、当時の自分にとってかなり魅力的でした。

ただ今回は、米国株の成功談そのものではありません。

米国株で作った資金を、なぜ日本株側へ大きく移したのか。
そして、その資金がどのように日本株資産の復活につながっていったのか。

そこを振り返ります。

これは米国株を否定する話ではありません。
正確には、Firstrade口座に置いていた米国株資産の比率を大きく下げ、主力資産を日本株側へ移していった話です。

米国株は、資産形成に大きく貢献してくれた

米国株は、自分の資産形成に大きく貢献してくれました。

2010年10月時点で、Firstrade口座の資産は約13.8万ドル。
2016年12月には約27.1万ドル。
2019年12月には約36.2万ドルまで増えていました。

時期 Firstrade口座の資産規模 当時の位置づけ
2010年10月 約13.8万ドル 米国株・海外ETF中心に資産形成していた時期
2016年12月 約27.1万ドル 米国株資産が大きく育ってきた時期
2019年12月 約36.2万ドル 海外口座としてはかなり大きな金額になっていた時期

円換算すれば、かなり大きな金額です。

配当が入り、その配当で株が買われ、その株がまた配当を生む。
Firstradeの配当再投資では、そういう資産形成の流れを実感できました。

この米国株時代がなければ、今の日本株投資の規模はなかったと思います。

ただ、資産が大きくなるにつれて、別の問題も出てきました。

海外口座に大きな資産を置く不安

Firstrade口座の資産が大きくなるにつれて、海外証券会社に大きな資産を置き続けることへの不安が出てきました。

資産が小さいうちは、海外証券会社を使って米国株を買うこと自体が面白さでもありました。
日本の証券会社では買いにくかった銘柄やETFを買えることにも魅力がありました。

しかし、口座残高が数千万円規模になると、見え方が変わります。

  • 税金申告
  • 為替
  • 海外口座の管理
  • 英語の書類
  • 自分に何かあった場合の家族の手続き

このあたりが、だんだん気になるようになりました。

しかも、自分自身もFirstrade口座から日本へ資金を戻す具体的な送金方法を、明確に理解できていたわけではありませんでした。

資産額が大きくなるほど、「何となく分かっているつもり」では済ませにくくなります。

自分に何かあった場合、家族が海外口座の存在を把握し、手続きして、日本へ資金を戻せるのか。

この不安は、資産が増えるほど大きくなると感じていました。

この時点で感じていた不安
米国株そのものが嫌になったわけではありません。
ただ、海外口座に大きな資産を置き続けること、そしてその資金を自分や家族がきちんと管理できるのかという点に不安がありました。

そのため、コロナショックを見てから急に米国株を縮小しようと思ったわけではありません。
その前から、Firstrade口座の資産を日本側へ戻したいという思いはありました。

日本株では、メガバンクを長く含み損で持っていた

一方で、日本株側では、以前からメガバンクを中心に保有していました。

ただし、これは順調な投資だったわけではありません。

2017年5月ごろの日本株資産状況を見ると、特定口座とNISA口座を合わせた評価額は約1,987万円でした。
しかし、損益は合計で約137万円のマイナスでした。

時期 日本株の評価額 損益 状況
2017年5月ごろ 約1,987万円 約-137万円 メガバンク中心に保有していたが、含み損の状態

保有銘柄には、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井物産、東建コーポレーションなどがありました。

特にメガバンク株の比率は高めでした。
ただ、この時点の日本株は、資産形成の主力というより、長く含み損を抱えながら配当をもらう保有株に近い位置づけでした。

リーマンショック後の銀行株は長く低迷し、その後はマイナス金利もありました。

配当はもらえる。
でも株価は上がらない。
買い増ししても含み損が続く。

メガバンク株は、自分にとって長い間そういう投資対象でした。

資金を戻したい時期に、偶然コロナショックが起きた

もともと、Firstrade口座から資金を日本側へ戻したいという思いはありました。

そのタイミングで、偶然コロナショックが起きました。

2020年、新型コロナの感染拡大で株式市場は大きく下落しました。
日本株も大きく売られ、メガバンク株もリーマンショック後の低迷期に近い水準まで下落しました。

当時の銀行株は、かなり厳しい評価を受けていました。

コロナで経済がどうなるか分からない。
企業の資金繰りも不安。
銀行の与信費用がどこまで膨らむかも分からない。
低金利も続いており、銀行株が見直される未来もはっきりしていない。

そういう状況だったので、当時は「これは絶好の買い場だ」と簡単に言える雰囲気ではありませんでした。

ただ、株価水準だけを見れば、メガバンク株はかなり売り込まれていました。

資金移動と買い増しの流れ
・Firstradeから資金を戻したいという思いがあった
・その時期に偶然コロナショックが起きた
・日本株が相対的に割安に見えた
・特に銀行株はリーマンショック時に匹敵するほど下落していた
・戻した資金をメガバンク株の買い増しに使った

この流れが重なり、戻した資金を日本株、とくにメガバンク株へ向ける判断につながりました。

米国株ではなく、日本株メインへ切り替えた

海外証券会社に大きな資産を置くのが不安なら、SBI証券など国内証券会社で米国株を続ける選択肢もありました。

ただ、その時点では米国株への熱量が以前ほど高くありませんでした。

一方で、コロナショック後の日本株は相対的に割安に見えました。
特にメガバンク株は、リーマンショック後の低迷期に近い水準まで売られていました。

自分は以前からメガバンク株を保有し、長く含み損も抱えていました。
それでも、この水準なら大きく投資してよいと判断しました。

その結果、Firstradeから戻した資金を米国株に再投入するのではなく、日本株、とくにメガバンク株の買い増しに使っていきました。

ここから、自分の投資スタイルは米国株中心ではなく、日本株メインへ大きく切り替わっていきます。

戻した資金で、メガバンクを大きく買い増した

コロナショック前から、配当金を使ってメガバンク株を少しずつ買い増ししていました。

ただ、配当金だけで買い増しするには限界があります。
大きくポジションを増やすには、まとまった追加資金が必要でした。

そこで、Firstradeから戻した米国株資金を使い、メガバンク株を大きく買い増しました。

ここは、きれいな成功談として書くと少し違います。

自分がコロナショックを完璧に読んで、底値を狙って米国株資金を戻したわけではありません。

実際の流れは、

もともとFirstrade口座の資産を日本側へ戻したいと思っていた。
そのタイミングで、偶然コロナショックが起きた。
銀行株が大きく下落した。
そこで、戻した資金の使い道として、メガバンク株の買い増しを選んだ。

こちらの方が正確です。

結果だけを見ると、この判断はのちに大きく報われることになります。

コロナショック後、メガバンク株は時間をかけて回復しました。
その後の金利上昇や株主還元強化も追い風になりました。

この買い増しが、後の日本株資産の復活に大きく貢献したのは間違いありません。

米国株から完全撤退したわけではない

なお、米国株から完全撤退したわけではありません。

Firstrade証券のほか、米国にはユニオンバンクの銀行口座も作っていたため、口座維持の意味もあり、一定の資産は米国側に残しました。

ただ、資産形成の主力はこの時期から日本株へ移っていきました。

結果的には成功したが、かなり集中リスクを取った

結果的には、コロナショック時にメガバンク株を大きく買い増したことは、後の日本株資産の復活に大きく貢献しました。

ただし、これは単純な成功談ではありません。

すでにメガバンク株を長く保有し、含み損を抱えていました。
そこに、配当金だけでなく、米国株で作った資金まで投入して買い増したわけです。

冷静に見ると、かなり集中した判断でした。

もし銀行株の低迷がさらに長引いていれば、含み損はもっと大きくなっていた可能性があります。
マイナス金利が長期化し、銀行株がさらに評価されない時期が続いていれば、資金を戻したことが裏目に出た可能性もありました。

結果が良かったから、今は正解に見えます。

しかし、当時の判断としてはかなりリスクを取っていました。

特に、自分は損切りよりもナンピンで対応しがちな投資スタイルです。
この時も、長く含み損だったメガバンクにさらに資金を入れています。

反省点
下落時に買い向かえたからこそ、後の復活を取れました。
一方で、銘柄やセクターへの集中が進みすぎれば、取り返しのつかない含み損になっていた可能性もあります。
この両面は、反省点として残しておくべきだと思っています。

米国株資金が、日本株復活の原資になった

米国株は、自分の資産形成に大きく貢献してくれました。

ただ、Firstrade口座の資産が大きくなるにつれて、海外口座に大きな資産を置き続ける不安も大きくなりました。

その資金を日本側へ戻したいと考えていた時期に、偶然コロナショックが起きました。

長く含み損だったメガバンク株は、リーマンショック後の低迷期に近い水準まで売られました。
そこで、戻した米国株資金を使い、メガバンク株を大きく買い増しました。

結果的には、この判断が後の日本株資産の復活に大きく貢献しました。

ただし、狙い澄ました成功ではありません。
資産を戻したいタイミングと銀行株の下落が重なった面も大きく、長く含み損だった銘柄にさらに資金を集中させた判断でもありました。

米国株で作った資金を日本株へ戻したことは、自分の資産形成における大きな転換点でした。

次回は、その資金がどのようにメガバンク株への大きな投資につながったのかを振り返ります。

2026年6月11日木曜日

【月次取引記録】2026年5月の売買振り返り|銀行株の決算跨ぎは成功、ただし運も良かった月

※2026年5月の取引を振り返るイメージ画像です。

2026年5月の取引を振り返ります。

この記事は、現在メインで使っている野村證券口座の2026年5月の取引履歴と、5月末時点の資産残高をもとにした振り返りです。

前回の4月取引記事では、4月は「3月に仕込んだ銘柄を利益に変えた月」であり、「5月決算に向けて次のポジションを作った月」だったと書きました。

今回は、その続きです。

4月に買い直した金融株や地銀株、さらに決算前に拾った銘柄が、5月の本決算を通じて本当に報われたのか。

結論から言うと、5月はかなりうまくいきました。

銀行株の決算跨ぎは、金利高による好決算期待、増配、自社株買い期待がうまくはまり、大きな利益確定につながりました。

ただし、5月を「うまくやった月」とだけ見るのは危険です。

ソフトバンクグループは、結果的にかなり良い買いタイミングでした。キオクシアも、メモリ相場に乗っかって買ったあと一度は下落しましたが、決算前のナンピンと決算後の回復がうまくかみ合いました。

つまり5月は、判断が良かった部分もありますが、かなり運が良かった月でもあります。

この記事のポイント
・4月に仕込んだ金融株・地銀株の決算跨ぎが5月に報われた
・信用返済売りで約1,574万円の利益確定になった
・一方で、取引回数が増え、信用取引で動かす金額も大きくなった
・結果は良かったが、相場環境や運に助けられた面も大きかった

5月の相場環境

2026年5月の日本株は、全体としては強い相場だったと思います。

AI・半導体関連、データセンター関連を中心にグロース株が買われる一方で、企業業績の堅調さや自社株買いなどの株主還元期待も、日本株全体を支える材料になっていました。

その中でも、自分が特に意識していたのは銀行株です。

銀行株については、金利高の影響で利ざや改善が期待されやすい環境でした。さらに、本決算のタイミングでは、増配や自社株買いなどの株主還元策が発表される可能性もあります。

そのため、5月は銀行株を中心に、ある程度意図的に決算跨ぎの建玉を持ちました。

なんとなく銀行株を買ったのではなく、金利高、好決算期待、増配、自社株買い。このあたりを意識して、本決算のタイミングに合わせてポジションを取った形です。

結果として、この判断はうまくいきました。

ただし、決算跨ぎは結果が出てから見ると簡単に見えるものです。実際には、決算内容が良くても材料出尽くしで売られることがあります。増配や自社株買いがあっても、市場の期待に届かなければ下落することもあります。

今回はうまくいきましたが、信用買いで決算を跨いでいる時点で、かなり攻めた取引だったと思います。

5月の取引全体

まず、5月の主な取引を大まかに整理すると、以下のようになります。

区分 件数 株数 損益・金額 メモ
信用返済売り 243件 112,000株 +15,747,424円 主に利確
現物売却 3件 800株 -64,495円 損出し
信用買い新規 194件 182,100株 損益未確定 決算跨ぎ・押し目買い
信用現引 12件 3,900株 約1,088万円分 信用建玉を現物化
現物買付 1件 1,000株 約226万円 損出し後の買い直し
配当金入金 3件 - 65,090円 配当収入

なお、現物売却と現物買付については、含み損の損出しとして同じ銘柄を買い直したもので、5月の取引のメインではありません。

5月の中心は、あくまで信用返済売りによる利益確定と、決算跨ぎを意識した信用買いです。

数字だけを見ると、5月はかなり良い月でした。信用返済売りで約1,574万円の利益。現物売却の損出しを差し引いても、売買損益は約1,568万円のプラスでした。

ただし、利益確定が大きかった一方で、新規の信用買いもかなり多くなっています。

5月は取引回数が多く、結果として信用取引で動かす金額も大きくなりました。細かく売買しているつもりでも、月間で見るとかなり大きな金額になっている銘柄もあります。

つまり、5月はポジションを減らした月ではありません。利益を確定しながら、同時に次のリスクも積み上げた月でした。

銀行株の決算跨ぎは成功した

5月の利益確定で目立ったのは銀行株です。

銘柄 取引 株数 損益
三井住友トラストG 信用返済売り 4,600株 +2,097,464円
みずほFG 信用返済売り 3,000株 +1,089,138円
三菱UFJ FG 信用返済売り 3,000株 +888,630円
いよぎんHD 信用返済売り 3,900株 +588,119円
筑波銀行 信用返済売り 10,000株 +450,590円
千葉銀行 信用返済売り 2,000株 +396,581円

銀行株は、金利高の影響で好決算が出やすいと考えていました。さらに、本決算では増配や自社株買いなどの株主還元が出る可能性もあると見ていました。

そのため、いくつかの銀行株で決算跨ぎを実施しました。

結果としては、かなりうまくいきました。銀行株の決算跨ぎが5月の利益に大きく貢献したのは間違いありません。

ただし、これは「決算跨ぎをすれば勝てる」という話ではありません。

今回は金利高、好決算期待、株主還元期待がうまくかみ合いました。しかし、同じことを次にやっても勝てるとは限りません。

特に信用買いで決算を跨ぐ場合、想定と逆に動いた時のダメージは現物よりも大きくなります。

5月の銀行株取引は成功でした。ただ、相場環境が味方してくれた面も大きかったと思います。

銀行株以外も利益に貢献した

5月は銀行株以外でも、ソフトバンクグループとキオクシアが利益に貢献しました。

ソフトバンクグループは、結果的にかなり良いタイミングで買えていました。5月はソフトバンクグループだけで約432万円の利益確定となり、月間利益に大きく貢献しています。

ただ、これは狙い切ったというより、たまたま絶好の買いタイミングになった面も大きいです。値動きの大きい銘柄なので、逆に動いていれば結果はまったく違っていたと思います。

キオクシアについても、正直に言えばメモリ相場に乗っかって買った面がありました。買った直後は下落しましたが、決算前にナンピンしたことが結果的に功を奏し、決算後の回復で大きな含み益につながりました。

ただし、これも自分の判断を過大評価しない方がよいと思っています。結果だけ見ればうまくいっていますが、かなり相場と決算に助けられた取引でした。

なお、オリエンタルランドについては含み損が残っていますが、現時点では長期で回復すればよいと考えて静観しています。5月記事の主題ではないため、ここでは深く触れません。

現引きで主力株を増やした

5月は、信用取引で利益確定するだけでなく、一部の建玉を現引きして現物化しています。

銘柄 現引き株数 金額の目安
三井住友FG 1,000株 約500万円
三菱UFJ FG 1,000株 約275万円
DMG森精機 800株 約192万円
三社電機製作所 1,000株 約88万円
いよぎんHD 100株 約30万円

合計では、約1,088万円分の現引きです。

信用取引で利益を出し、その一部を使って現物株を増やしていく。これは自分の投資スタイルとしては自然な流れです。

信用建玉を現引きすることで、強制決済や金利負担のリスクは下がります。この点では、現引きは悪い判断ではありません。

ただし、現引きすればすべて解決するわけではありません。

現物株として残す以上、その銘柄の価格変動リスクは残ります。特に三井住友FGと三菱UFJは、もともと保有額がかなり大きい銘柄です。

そこにさらに現引きで追加しているため、銀行株への集中度はさらに高くなっています。

5月末の資産残高

2026年5月29日時点の資産残高は、以下のようになっていました。

区分 金額
お預り金等 約123万円
国内株式等 約5億2,077万円
合計 約5億2,200万円
信用取引 約-1,500万円

国内株式等は5億円を超えています。

ただし、信用取引には約1,500万円の評価損が残っています。ここが重要です。

5月は大きく利益確定できました。しかし、月末時点では信用建玉に評価損が残っています。

つまり、利益を確定した一方で、新しいリスクも持ち越しているということです。

現物株の規模が大きいため、すぐに危険な状態というわけではありません。ただし、5月は取引回数が多く、信用取引で動かす金額も大きくなっています。

相場が逆に動けば、5月に確定した利益を削ってしまう可能性もあります。

辛口で見た5月の反省点

反省点
5月は結果だけ見れば成功でしたが、信用買いで決算を跨いだこと、取引回数と金額が増えたこと、利益確定後もリスクを落とし切れていないことは、冷静に見ておく必要があります。

5月の取引は、結果だけ見れば成功です。

約1,568万円の売買益。銀行株の決算跨ぎも成功。ソフトバンクグループでも大きく利益確定。キオクシアも決算前ナンピンがうまくいきました。一部は現引きして現物株も増やしました。

ただし、辛口で見ると、手放しで喜べる内容ではありません。

一つ目の反省点は、決算跨ぎを信用買いで行ったことです。

銀行株については、金利高、好決算、増配、自社株買いへの期待という根拠はありました。ただ、それでも決算跨ぎは決算跨ぎです。

期待通りの内容でも売られることがあります。市場期待に届かなければ、大きく下がることもあります。

今回は勝てました。しかし、勝てたことで決算跨ぎへの警戒感が弱まると、次に大きく負ける可能性があります。

二つ目の反省点は、信用取引で動かす金額が大きくなっていることです。

1回ごとの売買では、そこまで極端に大きな建玉ではなかったと思います。しかし、取引回数が増えたことで、月間合計ではかなり大きな金額になっています。

細かく買っているつもりでも、集計すると大きい。ここが信用取引の怖いところです。

三つ目の反省点は、利益確定後にリスクを落とし切れていないことです。

5月は大きく利確しました。しかし、その後も新規の信用買いをかなり入れています。

これでは、利益確定でリスクを下げたというより、利益を元手に次のリスクを取りに行った形に近いです。

四つ目の反省点は、運が良かったことを忘れないことです。

銀行株は相場環境に助けられました。ソフトバンクグループは、たまたま絶好の買いタイミングでした。キオクシアは、メモリ相場と決算に助けられました。

5月は、判断が良かった部分もあります。しかし、それ以上に運が良かった面もかなりあります。

ここを勘違いすると、次に同じような規模で信用取引をした時に、大きく失敗する可能性があります。

まとめ

2026年5月は、売買損益だけを見ればかなり良い月でした。

4月に作った決算跨ぎのポジションは報われました。銀行株の本決算を意識した決算跨ぎはうまくいき、ソフトバンクグループやキオクシアも利益に貢献しました。

ただし、5月の取引を「自分の判断がすべて正しかった」と見るのは危険です。

銀行株は、金利高、好決算期待、増配、自社株買い期待が追い風になりました。キオクシアは、メモリ相場と決算に助けられました。ソフトバンクグループも、結果的には絶好の買いタイミングでしたが、かなり運の要素もありました。

つまり、5月はうまくいった月であると同時に、かなり運が良かった月でもあります。

一方で、取引回数は多くなり、信用取引で動かす金額も大きくなっています。1回ごとの売買ではそこまで大きな建玉ではなかったとしても、月間で見るとかなり大きな金額を動かしていました。

5月末時点では、国内株式等は約5.2億円まで増えている一方、信用取引には約1,500万円の評価損も残っています。利益確定の裏で、次のリスクを持ち越していることは忘れてはいけません。

注意点
5月の教訓は、決算跨ぎで勝てたことではありません。勝てた時ほど、次に同じ規模で負けた場合のダメージを考える必要がある、ということです。

今回はうまくいきました。でも、かなり運も良かった。

このくらい冷めた見方をしておかないと、次に同じような取引規模で失敗した時に、大きなダメージを受ける可能性があります。

利益が大きい月ほど、油断しやすい。5月の取引は、そのことを改めて意識するきっかけになりました。

本記事は個人の投資記録であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

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