今回は、NTTの信用取引を振り返ります。
2024年4月、上昇していた株価の流れに乗ろうと、NTTを176.9円で信用買いしました。
しかし、その後の株価は期待した方向には進まず、160円台、150円台へと下落。160円を割ったところでは割安になったと考え、さらに買い増しました。
業績や配当面への不安は小さく、保有を続けることや、下値でナンピンすることに強い恐怖はありませんでした。
その安心感もあり、途中で利益が出る場面でも、もう少し上がると考えて売らずに保有を継続。株価が再び下落するたびに買い増した結果、信用建玉は最終的に36万株まで膨らみました。
・2024年4月、176.9円で2万株を信用買い
・上昇狙いの取引が、下落に耐える取引へ変化
・途中で利益が出ても売らず、買い増しを継続
・最終的な信用建玉は36万株、約5,600万円規模
第1部では、上昇に乗るつもりで始めた取引が、なぜ2年以上に及ぶ大きなポジションになったのかを振り返ります。
2023年の短期売買はうまくいっていた
NTTは2023年にも信用取引をしています。
当時は160円前後で買い、数円戻ったところで売る短期売買がうまくいっていました。合計5万5,000株を売買し、実現利益は11万5,478円です。
この経験から、NTTには「下がっても比較的戻りを取りやすい銘柄」という感覚がありました。
ただ、2024年に始めた取引は、2023年の短期売買とはまったく違う展開になりました。
上昇に乗るつもりで176.9円から買った
2024年4月1日、NTTを176.9円で2万株、信用買いしました。
この時は株価が上昇しており、その流れに乗って利益を取るつもりでした。
安値でじっくり待つ取引ではなく、上昇が続くことを期待した買いです。
ところが、買った後の株価は下落に転じました。
5月13日には160.5円まで下がったところで1万株を追加。さらに5月21日には152.7円で1万株を買い増しました。
最初の2万株を176.9円で買っているため、短期間で大きな含み損を抱えることになりました。
今振り返ると、この時点で取引の前提は崩れています。
当初は上昇トレンドに乗るつもりでした。しかし実際には、株価が下がる中で平均単価を下げ、反発を待つ取引へと変わっていました。
それでも当時は、上昇が一時的に止まっただけで、いずれ戻るだろうと考えていました。
この時点では、最終的に36万株まで増えるとは考えていませんでした。
※176.9円で始めた信用買いが、株価下落とナンピンによって36万株まで膨らんだ流れを整理しています。
160円割れは割安に見えた
株価が160円を割っても、NTTの業績や配当面に大きな不安はありませんでした。
通信事業を基盤とする大型株であり、株価が下がったからといって、すぐに事業が大きく崩れるとは考えていませんでした。
配当も受け取れます。
そのため、160円割れは撤退を考える水準ではなく、割安になった買い場に見えました。
176.9円で買った建玉から見れば、160円や150円台前半で買い増すことで、全体の平均単価を下げられます。
業績に不安がある銘柄なら、下落時のナンピンには慎重になります。
しかしNTTについては、下がった株価を見ても、保有を続けることや買い増すことに、それほど恐怖はありませんでした。
この判断自体は、私の投資スタイルから見れば不自然ではありません。
問題は、銘柄への安心感が、そのままポジション管理への安心感にもつながってしまったことです。
途中で利益が出ても売らなかった
今回の取引は、買ってからずっと含み損だったわけではありません。
長い保有期間の中では株価が戻り、建玉全体で利益が出る場面もありました。
そこで売っていれば、もっと早い段階で取引を終えられたはずです。
しかし、業績や配当面への不安が小さかったため、急いで売る必要はないと考えました。
せっかく長く持ったのだから、もう少し利益を伸ばしたい。
160円台まで戻れば、より大きな利益になるのではないか。
そう考えて保有を続けました。
ところが、その後の株価は再び下落しました。
一度は利益が出た建玉が、また含み損へ戻ります。
この時に感じたのは恐怖というより、「また戻るまで待てばよい」という感覚でした。
NTTなら配当を受け取りながら待てる。下がれば買い増して平均単価を下げればよい。
その考えによって損失を確定せずに済んだ一方、取引を終える機会も先送りしていきました。
短期分は売れても、長期建玉は売れなかった
2025年前半には、150円前後で買い、数円戻ったところで売る短期売買を2回行い、合計約5万円の利益を得ています。
新しく買った建玉は短期で売れる一方、以前から持っていた建玉は売らずに保有を続けました。
ここにも、今回の取引の難しさが表れています。
短期分は目先の利益で決済できても、長く持った建玉には、より大きな利益を期待してしまう。
保有期間が長くなるほど、その建玉に対する期待も大きくなっていたように思います。
2025年秋から買い増しが本格化
2025年10月10日には、153.5円で2万株を信用買いしました。
11月6日にも151.3円で2万株を追加しています。
この時点で、以前から残っていた建玉と合わせ、信用ポジションは再び増え始めました。
さらに2026年に入ると、買い増しのペースが上がります。
| 時期 | 信用買い株数 | 主な買値 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 30,000株 | 157.3~157.6円 |
| 2026年2月 | 100,000株 | 151.1~155.1円 |
| 2026年4月 | 40,000株 | 151.7~152.6円 |
| 2026年5月 | 40,000株 | 148.7~150.4円 |
| 2026年6月 | 50,000株 | 144.0~148.0円 |
| 2026年7月 | 30,000株 | 147.8円 |
| 合計 | 290,000株 | ― |
2026年だけで29万株を追加しています。
特に2月には10万株を買い、6月には144円まで買い下がりました。
株価が下がるたびに買い増したことで平均単価は下がりましたが、それと同時にポジションは急速に大きくなっていきました。
気づけば信用建玉は36万株
以前から残っていた建玉と2025年秋以降の買い増しを合わせ、信用建玉は最終的に36万株となりました。
株価を150円前後とすれば、約5,400万~5,600万円規模です。
NTTは1株の価格が低いため、2万株、3万株という株数にも慣れやすいところがあります。
2万株を150円で買っても、金額は約300万円です。
1回ごとの買いだけを見れば、私の信用取引全体の中で極端に大きいとは感じませんでした。
しかし、それを何度も繰り返せば話は別です。
36万株では、株価が1円動くだけで評価損益が36万円変わります。
5円下がれば180万円、10円なら360万円です。
NTTの業績や配当に不安がなかったため、保有継続やナンピンには強い恐怖を感じませんでした。しかし、銘柄に安心感があることと、ポジションを際限なく増やしてよいことは別です。途中で利益が出た場面でも売らず、出口を先送りした結果、信用建玉は36万株まで膨らみました。
36万株まで増えた取引の出口
NTTの業績や配当への安心感があったからこそ、下落時にも買い続けることができました。
その結果、平均単価を引き下げ、最終的には利益が出る水準まで持っていけました。
一方で、安心して持てる銘柄だったことが、出口を曖昧にした面もあります。
途中でプラスになっても売らず、下がればまた買い増す。
それを繰り返した結果、当初は2万株で始めた取引が、最終的には36万株になりました。
36万株というポジションは、NTT単体の損益だけでなく、他の銘柄を売買する余力にも影響しかねない大きさです。
第2部では、この36万株を平均154.85円ですべて返済した経緯を振り返ります。
売買益は約18万円でしたが、保有期間中には信用建玉分の配当も受け取っています。その一方で、2年以上に及んだ取引では信用金利も積み上がりました。
さらに、売却後の株価は160円まで上昇した後に急落しています。
もう少し持てば利益は増えていた。しかし、さらに持ち続けていれば、再び含み損へ戻っていた。
第2部では、配当や金利も含め、この売却判断が本当によかったのかを考えます。
```投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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