2026年5月7日木曜日

レーザーテック売買記録・まとめ|勝ったというより、生き残ったトレード

これまで、レーザーテックの売買をフェーズごとに振り返ってきました。

最初は小ロットのスイングトレード。
そこから徐々にポジションが大きくなり、下落局面でのナンピン、含み損の拡大、追証リスク、そして最終的な現引きまで。

結果だけを見れば、今回のレーザーテック売買は悪くありませんでした。

去年までに現引きしていた200株に加え、今回さらに現引きを進めたことで、最終的には合計600株の保有になりました。

資産形成という意味では、確かに成果はありました。

しかし、今回のトレードを単純に「成功」と言ってしまうのは、かなり危険だと思っています。

なぜなら、その途中経過は決して綺麗なものではなかったからです。

判断ミスもありました。
余力管理の甘さもありました。
本当に買いたい場面で買えなかった悔しさもありました。
追証の可能性が頭をよぎった場面もありました。

今回のトレードは、勝ったというより、なんとか生き残ったトレードだった。
これが、今の正直な感想です。





株価推移で見るレーザーテックの激しさ

まず、今回のトレードを振り返る前提として、レーザーテックの株価推移を整理しておきます。

レーザーテックは2024年の高値圏から大きく下落し、2025年春にはかなり厳しい局面を迎えました。

その後は回復に向かいましたが、その間の値動きは非常に大きく、簡単な相場ではありませんでした。

今振り返っても、この局面で平常心を保つのは簡単ではなかったと思います。

特に、下落の途中では、

「もう十分下がっただろう」

と思って買い、さらにその後も下がるという場面が何度もありました。

この値動きの中で、自分は売買を続けていたわけですが、結果的に見れば、その判断の多くは紙一重だったと感じています。


ナンピンしなかった場合との差

今回の売買で大きなポイントになったのが、2024年11月から2025年3月にかけてのナンピンです。

この期間、自分はレーザーテックを合計1,100株買い増しました。

平均取得単価は約15,632円です。

もちろん、その時点では「ここが底だ」と確信して買っていたわけではありません。

下がったから買う。
さらに下がったからまた買う。
長期的には戻るはずだと思って買い増す。

そんな形でした。

今から見ると、このナンピンは結果的に大きく効きました。

仮に、この1,100株を2026年2月5日の終値28,890円で評価すると、取得単価との差はこうなります。

28,890円 − 15,632円 = 13,258円

これが1株あたりの差額です。

1,100株では、

13,258円 × 1,100株 = 約1,458万円

手数料や信用金利、実際の売却タイミングなどは単純化していますが、ナンピンによって増やした1,100株が、後の回復局面で大きな含み益につながったことは間違いありません。

もし、このナンピンをしていなければ、この回復分は取れていませんでした。

そう考えると、ナンピン自体は結果的に大きな意味がありました。

ただし、ここで「ナンピンしてよかった」で終わらせてしまうと、今回の本当の反省を見失います。


本当に買いたいところで買えなかった

今回、一番大きな反省点は、ナンピンしたことではありません。

むしろ逆です。

本当に買いたいところで、もう買えなかったことです。

トランプ関税の影響で相場が急落した局面では、レーザーテックも大きく売られました。

結果的に見れば、そのあたりはかなり安い水準でした。

もし余力が十分に残っていれば、追加で買いたいと思える場面でした。

しかし、実際には買えませんでした。

理由は単純です。

余力がなかったからです。

それまでにナンピンを重ねていました。
他の保有株も下落していました。
信用維持率も悪化していました。

下手に買い増せば、さらに追証リスクが高まる状態でした。

目の前にチャンスがあるように見えても、資金余力がなければ何もできません。

このとき、自分はただ株価を見ているしかありませんでした。

これが一番悔しかった。

相場が大きく下げたとき、安く買える人と、ただ見ているしかない人がいます。

今回の自分は、後者でした。

つまり、ナンピンはした。
でも、余力を使い切るのが早すぎた。

本当においしい場面で、もう動けなかった。

これが最大の反省です。


損切りしていた場合はどうだったか

もう一つ考えておきたいのが、もし途中で損切りしていたらどうなっていたかです。

株クラでは、下落時の鉄則としてよく、

「損切りをためらうな」

と言われます。

これは確かにその通りだと思います。

特に信用取引を使っている場合、含み損を抱えたまま耐え続けることは、追証や退場につながる危険があります。

損切りできないことが、致命傷になる場面は確かにあります。

では、自分のレーザーテックのケースではどうだったのか。

2024年11月から2025年3月にかけて買い増した1,100株。
平均取得単価は約15,632円。

仮に、平均取得単価から10%下落したところで損切りしていたとします。

売却価格は約14,069円。
損失は1株あたり約1,563円。
1,100株では約172万円の損失です。

20%下落で損切りしていれば、売却価格は約12,506円。
損失は約344万円。

30%下落で損切りしていれば、売却価格は約10,942円。
損失は約516万円。

この数字だけを見ると、損切りしなかった方が良かったように見えます。

なぜなら、その後レーザーテックは大きく戻ったからです。

もし10%損切りしていたら、実現損約172万円に加えて、その後の回復を取り逃がしていました。

20%損切りでも、30%損切りでも同じです。

結果論だけで言えば、損切りせずに持ち続けたことで、後の回復を取ることができました。

ただし、ここで勘違いしてはいけません。

「損切りしなかったから正解だった」

という単純な話ではないからです。

もし、その後も株価が戻らなかったら。
もし、さらに下落していたら。
もし、追証が発生していたら。

その場合、損切りしなかったことは正解ではなく、致命傷になっていた可能性があります。

今回助かったのは、自分の判断が完璧だったからではありません。

相場が戻ったからです。

そこを勘違いすると、次に同じことをしたときに大きく負けると思っています。


損切りか、ナンピンかではない

今回の教訓は、損切りが正しいとか、ナンピンが正しいとか、そういう単純な話ではありません。

大事なのは、どちらを選ぶにしても、資金管理ができているかどうかです。

余力が十分にある。
現引きする資金計画もある。
銘柄に対する長期的な見方も変わっていない。
そのうえで下落時に買い増す。

これは戦略です。

一方で、

余力がない。
信用維持率が危ない。
下がったら祈るしかない。
損切りもできない。
現引きする資金も足りない。

この状態で持ち続けるのは、戦略ではありません。

ただの我慢です。

今回の自分は、正直に言えば、その境界線にいました。

ナンピンしたこと自体は、結果的に利益につながりました。

しかし、その過程で余力を失い、本当に買いたい暴落局面で買えなくなった。

さらに、損切りせずに耐えたことも、結果的には良かったものの、一歩間違えれば追証に追い込まれていた可能性があります。

つまり、今回のトレードは、

「うまくやった」

のではなく、

「助かった」

という表現の方が近いのです。


現引きという出口があったこと

今回のトレードで救いになったのは、最終的に現引きする方針を持っていたことです。

自分の基本戦略は、保有株を担保に信用買いを使い、利益を出しながら、最終的には現引きして保有株を増やしていくというものです。

このやり方は、自分の投資スタイルには合っています。

短期で細かく売買して勝つタイプではありません。
チャートを綺麗に読んで、底値と高値を当てるタイプでもありません。

正直、チャートは今でもよくわかりません。

上がっているか、下がっているか。
そのくらいしかわかりません。

それでも、長期で持ちたい銘柄を信用で買い、最終的に現物に移すという考え方は、自分には合っていると思っています。

ただし、現引きは万能ではありません。

現引きするには資金が必要です。
そこまで耐える余力も必要です。

現引きという出口を持っていても、途中で追証になれば意味がありません。

だからこそ、信用取引を使うなら、最初から現引きまで含めた資金計画を持っておく必要があります。


相場に助けられたことを忘れない

今回の結果を、自分の実力だけだとは思っていません。

相場全体が回復し、レーザーテックにも追い風が吹いたことで、最終的に助かった部分がかなり大きいと思っています。

もし相場の回復が遅れていたら。
もしレーザーテックの反発が弱かったら。
もし他の保有株も戻らなかったら。

結果はまったく違っていたかもしれません。

つまり、今回のトレードは、自分の判断だけで勝ったわけではありません。

相場に助けられた部分が大きい。

これは必ず認識しておく必要があります。

投資で一番危ないのは、相場に助けられた成功を、自分の実力だと勘違いすることです。

たまたま助かった経験を、自分の必勝パターンだと思い込む。
これをやると、次に大きく負けます。

今回のレーザーテックは、結果だけを見れば成功です。

でも、自分の中では成功体験というより、警告に近い経験でした。


今後のルール

今回の反省を踏まえて、今後は以下を意識したいと思います。

まず、ナンピンは最初から段階を決めること。

下がったから買う。
さらに下がったからまた買う。

このやり方では、いざ本当の暴落が来たときに余力が残りません。

次に、暴落時用の余力を必ず残すこと。

今回のように、目の前にチャンスがあっても買えない状態は避けたい。

本当に買いたい局面で買えること。

これが投資ではかなり重要だと感じました。

そして、信用維持率には常に余裕を持つこと。

含み損に耐える力は、精神力ではありません。

資金余力です。

追証が近づいた状態で「耐える」と言っても、それはただ祈っているだけです。

最後に、相場に助けられた成功を、自分の実力と勘違いしないこと。

今回の結果は良かった。

でも、同じことをもう一度やって良いとは思っていません。


勝ったというより、生き残った

レーザーテックの売買は、これで一区切りです。

最終的には、保有株を増やすことができました。

去年までに現引きしていた200株に加え、今回の現引きで合計600株。

数字だけを見れば、良い結果だったと思います。

しかし、自分の実感としては、

「勝った」

というより、

「なんとか生き残った」

という感覚の方が強いです。

ナンピンは結果的に効きました。
損切りしなかったことも、結果的には利益につながりました。
現引きによって保有株も増やせました。

でも、その裏側では、余力を失い、本当に買いたいところで買えず、追証リスクに怯えた場面もありました。

今回の一番の教訓は、損切りかナンピンかではありません。

余力があるかどうか。

これに尽きます。

余力があれば、下落はチャンスになります。

余力がなければ、下落は恐怖になります。

今回、自分はその両方を経験しました。

だからこそ、この売買記録を残しておきたいと思います。

次に同じような暴落が来たとき、ただ見ているだけにならないために。

そして、相場に助けられた成功を、自分の実力だと勘違いしないために。



レーザーテックの売買記録は、これで一区切りです。

ただ、自分の投資人生は、この一銘柄だけでできているわけではありません。

株式投資歴30年の中では、他にも大きく勝った銘柄、失敗した銘柄、握り続けて資産形成につながった銘柄があります。

次回からは、また別の売買記録も振り返っていきたいと思います。

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