前回の記事では、2022年に住友金属鉱山で大きく損切りした話を書きました。
5,400円台が底だと思ってナンピンしましたが、そこは底ではありませんでした。
信用買いのポジションは2,500株まで膨らみ、最後はDOWAと同じタイミングで非鉄株の重さに心が折れました。
2022年7月6日。
住友金属鉱山を1,400株損切りし、実現損益は-2,256,982円。
2022年だけを見れば、完全な失敗でした。
ただ、住友金属鉱山の取引はそこで終わりません。
2023年から2024年にかけて、再び売買を続けました。
ただし、第2部は単純な「損失を取り返した話」ではありません。
ポジション自体は含み損が続いていました。
それでも、株価が底値圏で動いている間に、細かく売買して実現益を拾っていました。
このやり方は、底値圏ではそれなりに機能しました。
しかし、2024年7月頃に株価が上昇した時、この細かい売買が逆に仇になります。
底値圏では助けになった細かい利確が、上昇局面では大きな利益を取り逃がす原因になりました。
第1部が「買い急ぎの失敗」だとすれば、第2部は「売り急ぎの後悔」です。
含み損を抱えたまま、底値圏で利益を拾っていた
2022年7月に大きく損切りした後も、住友金属鉱山を完全に見切ったわけではありませんでした。
大きな損失を出した銘柄ではあります。
それでも、非鉄大手としての事業基盤や、銅・ニッケル・電池材料といったテーマへの関心は残っていました。
2022年11月には再び買い直し、11月24日に1,000株を売却しています。
この時の利益は+87,221円でした。
わずかではありますが、7月の大損から少しだけ取り返した形です。
ただし、2022年単体の実現損益は-2,169,761円。
まだ大きなマイナスを抱えたまま、2023年の売買に入っていきました。
2023年の住友金属鉱山は、大きな上昇を一気に取るというより、底値圏で細かく利益を拾う取引でした。
ここで大事なのは、実現益だけを見ると勝っているように見える一方で、ポジション全体ではまだ苦しかったことです。
保有しているポジションには含み損が残っていました。
株価が大きく上昇していたわけでもありません。
その中で、下がったところで買い、少し戻ったところで売る。
大きく取るというより、細かく回転させて利益を拾う。
そういう売買を続けていました。
2023年:底値圏で細かく利益を拾った主な売買
| 約定日 | 内容 | 数量 | 平均単価 | 日次損益 | 累計損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023/09/14 | 信用売決済 | 1,000株 | 4,694.6円 | +125,992円 | -2,043,769円 |
| 2023/11/15 | 信用売決済 | 2,000株 | 4,326.0円 | +299,932円 | -1,743,837円 |
| 2023/12/15 | 信用売決済 | 2,000株 | 4,206.6円 | +234,345円 | -1,509,492円 |
2023年の実現損益は+660,269円でした。
この表だけを見ると、悪くない売買に見えます。
しかし実際には、保有ポジションの含み損が残っていたため、気持ちよく勝っている感覚はありませんでした。
実現益は出ている。
でも、通算ではまだ大きくマイナス。
さらに、保有ポジション自体も楽な状態ではない。
まさに、勝っているのに、まだ負けている感覚でした。
それでも、底値圏で細かく売買する方法は、当時の自分には現実的な対応でした。
2022年のようにポジションを膨らませすぎるのは怖い。
だから、利益が出たらいったん確定する。
含み損を抱えながら、少しでも実現益を積み上げる。
このやり方は、底値圏ではそれなりに機能していました。
ただ、ここに落とし穴がありました。
底値圏で有効だった売買が、上昇局面でも正解とは限らない。
この時点では、そこまで強く意識できていませんでした。
2024年春、上昇前にポジションを落としていった
2024年に入ると、住友金属鉱山の株価は少しずつ戻り始めます。
この局面でも、自分は細かく売買を続けていました。
2024年春:上昇前にポジションを落としていった主な売買
| 約定日 | 内容 | 数量 | 平均単価 | 日次損益 | 累計損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024/01/25 | 信用売決済 | 1,000株 | 4,102.3円 | +19,862円 | -1,489,630円 |
| 2024/03/13 | 信用売決済 | 1,000株 | 4,057.8円 | +65,176円 | -1,424,454円 |
| 2024/03/14 | 信用売決済 | 1,000株 | 4,311.4円 | +190,237円 | -1,234,217円 |
| 2024/04/04 | 信用売決済 | 1,800株 | 5,154.8円 | +54,851円 | -1,179,366円 |
| 2024/04/09 | 信用売決済 | 400株 | 5,253.5円 | -68,400円 | -1,247,766円 |
| 2024/04/19 | 信用売決済 | 900株 | 5,129.0円 | +1,042,800円 | -204,966円 |
| 2024/08/15 | 信用売決済 | 400株 | 3,918.0円 | +96,417円 | +3,311円 |
特に大きかったのが、2024年4月19日の売却です。
900株を平均5,129円で売却し、利益は+1,042,800円。
この1回で、2022年の大損をかなり回収することができました。
精神的にもかなり楽になりました。
ただ、今振り返ると、この表は「利益を取った記録」であると同時に、「上昇前にポジションを減らしていった記録」でもあります。
当時は、利益が出たので売りました。
2022年に大きく負けた記憶がある以上、戻ったところで売りたくなるのは自然です。
しかし、ここから先の値動きを見ると、別の後悔が出てきます。
2024年7月頃の上昇で、細かい売買が仇になった
チャートで見ると、2023年から2024年にかけて、売買をかなり細かく繰り返していることが分かります。
底値圏では、この細かい売買によって実現益を積み上げることができました。
しかし、2024年7月頃の上昇局面では、これが逆に仇になりました。
2024年4月から7月にかけて、住友金属鉱山の株価は一旦大きく上昇しました。
それまで底値圏でくすぶっていた株価が、ようやく上に動いた局面です。
本来なら、ここでしっかりポジションを持っていれば、もっと大きな利益を狙えた可能性がありました。
しかし、自分はそれまでの売買で、細かくポジションを落としていました。
含み益が出れば売る。
少し戻れば売る。
損失を早く埋めたいから売る。
その繰り返しです。
底値圏で横ばいのような相場なら、このやり方でも利益を拾えます。
実際、2023年から2024年前半にかけては、それで実現益を積み上げていました。
でも、相場の局面が変わった時には、このやり方が弱点になりました。
株価が上に走り始めた時、十分なポジションが残っていない。
株価は上がっているのに、自分の利益は思ったほど伸びない。
これは、下落で損をするのとはまた違う悔しさでした。
損をしているわけではありません。
むしろ、売買としては利益が出ています。
それなのに、チャートを見ると悔しさが残る。
「持っていれば、もっと取れた」
そう思ってしまう局面でした。
もちろん、これは結果論です。
当時は2022年の大損が頭にあり、含み益が出ると早めに確定したくなっていました。
それは自然な判断だったと思います。
ただ結果として、その慎重さが2024年の上昇局面では利益を削りました。
2022年は買い急ぎで失敗しました。
5,400円台が底だと思い、ナンピンを重ねました。
その反省から、2023年以降は慎重になりました。
利益が出たら早めに売る。
ポジションを抱えすぎない。
少しずつ実現益を積み上げる。
底値圏では、それが正解に見えていました。
しかし、2024年7月頃の上昇では、それが裏目に出ました。
底値圏で助けになった細かい売買が、上昇局面では大きな利益を削る原因になったのです。
ここが、今回の住友金属鉱山第2部で一番書きたかったところです。
単に、損失を取り返した話ではありません。
含み損を抱えながら、底値圏で細かく売買していた。
その売買は、実際に利益を生んでいた。
でも、その成功体験が身につきすぎたことで、上昇局面ではポジションを残せなかった。
これが、今振り返って一番の後悔です。
通算プラスでも、勝ち切った感覚はなかった
2024年8月15日。
住友金属鉱山を400株、平均3,918円で売却しました。
この日の利益は+96,417円。
この売却によって、累計損益は+3,311円になりました。
ようやく通算プラスです。
ただ、プラスといっても、ほぼトントンです。
2022年7月に200万円を超える損切りをしてから、2年以上かけて、ようやくスタートラインに戻ったような感覚でした。
損失は取り返した。
でも、勝ち切った感覚はありませんでした。
むしろ、ようやく傷が塞がっただけ。
そんな印象です。
通算損益がプラスになったことよりも、2024年7月頃の上昇を十分に取り切れなかった後悔の方が、強く残りました。
買い急ぎの次に、売り急ぎが出た
住友金属鉱山の取引を振り返ると、2022年と2023年以降で、失敗の形が変わっています。
2022年は、買い急ぎでした。
十分下がったと思い込み、ナンピンを重ねました。
しかし、そこは底ではなく、ポジションだけが重くなっていきました。
そして最後は、DOWAも含めた非鉄株の重さに耐えられず、損切りしました。
一方、2023年から2024年は、売り急ぎでした。
2022年の大損があったからこそ、利益が出ると早く確定したくなりました。
その結果、底値圏では実現益を積み上げることができました。
2023年は+660,269円。
2024年4月19日には、+1,042,800円の大きな利益もありました。
ただ、そのやり方が身につきすぎたことで、2024年7月頃の上昇では十分なポジションを残せませんでした。
買い急ぎで失敗した後、今度は売り急ぎで後悔する。
本当に難しいです。
底値圏で細かく売買すること自体は、間違いではなかったと思います。
含み損を抱えながら、少しでも実現益を拾う。
これは当時の自分にとって、かなり現実的な対応でした。
ただ、相場が横ばいから上昇に変わった時には、同じやり方では利益を伸ばせませんでした。
局面が変わっているのに、売買の感覚だけが底値圏のままだった。
ここが反省点です。
第2部のまとめ
第2部では、2022年の大損後、2023年から2024年にかけて住友金属鉱山を売買し続けた話を書きました。
ただし、これは単純な損失回収の話ではありません。
ポジション自体は含み損が続いていました。
その中で、底値圏の値動きを使って細かく売買し、実現益を積み上げていました。
底値圏では、細かい売買が助けになりました。
でも、2024年7月頃の上昇局面では、その細かい売買が仇になりました。
上昇前にポジションを落としていたことで、大きな利益を十分に取れなかったからです。
2022年は、買い急ぎで失敗しました。
2023年から2024年は、その反省から慎重になりました。
しかし、慎重になりすぎたことで、今度は売り急ぎました。
底値圏では正解に見えた細かい利確が、上昇局面では利益を削る。
この経験は、かなり強く残りました。
だからこそ、2025年の住友金属鉱山では、もう少し持とうと思いました。
次回は、その2025年の売買と、現引きした株が現在の含み益につながっていく話を書きます。
投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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