2026年9月24日木曜日

主力持ち株の最新決算を振り返る③|半導体株はAI需要でも中身がかなり違った

主力持ち株の最新決算を振り返るシリーズ、第3部です。

第1部ではメガバンク3行、第2部ではJT、商社、トヨタを取り上げました。

今回は半導体関連株です。

最近の半導体株を見ていると、とにかく「AI需要」という言葉が目につきます。ただ、実際に自分が保有している銘柄の決算を並べると、同じ半導体関連でも業績の動き方はかなり違いました。

レーザーテックは減収減益でも受注が急回復。東京エレクトロンでは設備投資の強さが利益に表れ、キオクシアはNAND市況の改善で業績が大きく伸びています。

さらに材料や検査、装置部品まで見ると、半導体市場のどこで稼いでいるかによって、決算で見るべき数字も違います。

今回は、2026年夏に発表された決算を、実際の現物保有株という視点から見ていきます。

この記事のポイント
・同じ半導体株でも、見るべき数字はかなり違う
・レーザーテックは受注、東京エレクトロンは設備投資、キオクシアはNAND市況がポイント
・日本電子材料とアドテック プラズマを見ると、半導体需要の広がりも見えてくる

半導体関連株は意外と多く持っている

2026年7月31日時点の保有株を確認すると、半導体や半導体製造装置に関係する銘柄はかなりありました。

今回取り上げるのは次の6銘柄です。

銘柄 保有株数 主に見るポイント
レーザーテック 600株 EUV・受注
東京エレクトロン 100株 半導体設備投資
キオクシアHD 200株 NAND・SSD
信越化学工業 1,100株 半導体材料
日本電子材料 300株 プローブカード
アドテック プラズマ テクノロジー 700株 プラズマ用高周波電源

このうち日本電子材料とアドテック プラズマ テクノロジーは保有額こそ小さいものの、今回の決算が目立ったため取り上げます。

※今回の記事で見ている6銘柄と注目ポイントをまとめたイメージです。

減収減益でも、レーザーテックの受注は大幅回復

まずはレーザーテックです。

2026年6月期の売上高は約2,305億円、営業利益は約1,053億円。どちらも前期を下回り、数字だけを見ると減収減益でした。

ただ、今回一番気になったのは利益ではなく受注です。

受注高は約2,375億円。前期の約1,052億円から倍以上に増えています。

レーザーテックの場合、受注から売上や利益になるまで時間差があります。

そのため今回の決算は、

受注が弱かった時期
→ 今回の減収減益
→ 足元では受注回復
→ 次期は増収増益予想

という流れで見る方が分かりやすいと思います。

実際、2027年6月期は増収増益を見込んでいます。

これまで信用でも何度も売買した銘柄ですが、現在は600株を現物で保有しています。今回については、直近の減益よりも、その先につながる受注回復の方が印象に残りました。

東京エレクトロンは、設備投資の強さがすでに利益へ

レーザーテックが「これからの売上につながる受注」に注目する決算だったのに対し、東京エレクトロンでは設備投資の強さがすでに業績に表れています。

2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比約33%増、営業利益は約46%増となりました。

さらに上期予想も引き上げています。

背景には、先端ロジックやHBMを含む半導体投資の拡大があります。設備投資の強さが、そのまま装置需要として数字に出てきています。

東京エレクトロンについては、以前の下落局面でかなり信用取引をしていました。

2022年には半導体サイクルはいずれ回復すると考えて買い下がり、その後は業績見通しの悪化を見て整理しています。

その頃と比べると、今は設備投資の強さが数字にはっきり出ています。

期待だけではなく、実際の装置需要として業績につながっていることが分かる決算でした。

現引きしたキオクシア、NAND市況が一変

キオクシアは、7月に信用建玉を現引きし、現在200株を現物で保有しています。

その直後に発表された2027年3月期第1四半期決算は、かなり強い内容でした。

特に目立ったのが、データセンター向けSSD需要とNAND市況の改善です。

キオクシアは製造装置を売る会社ではなく、NANDフラッシュメモリーそのものを作っています。

そのため業績は、

NAND価格
出荷量
データセンター向けSSD需要

の影響を直接受けます。

一方で、メモリーは昔から市況の振れが大きい業界です。

7月に現引きしたばかりなので良い数字が出たのはうれしいのですが、今回の利益水準だけで安心するつもりはありません。

今後は、NAND価格とデータセンター向けSSD需要がどこまで続くかを見ていきたいところです。

信越化学は、半導体材料が好調でも全社では派手ではない

信越化学は少し見え方が違います。

2027年3月期第1四半期は増収増益でしたが、全社の伸びはそれほど派手ではありません。

一方で電子材料事業は好調で、シリコンウエハーやリソグラフィ材料などが伸びています。

信越化学は塩化ビニルなど他事業も大きいため、半導体材料が好調でも、その勢いがそのまま全社利益に表れるわけではありません。

大型の半導体専業株とは違うところです。

有名4社だけではなかった。日本電子材料も好決算

ここまでの4社は、半導体株としてかなり有名です。

一方、保有株を確認していて目についたのが日本電子材料でした。保有は300株だけです。

主力製品は、半導体の電気特性を検査するプローブカード。

今回の決算では、メモリー向けプローブカードの販売が伸び、会社は上期・通期予想を上方修正しました。

特に注目したいのが、HBMなど高性能メモリーです。

メモリー需要拡大
→ 検査需要増加
→ プローブカード需要増加

という形で恩恵を受けます。

大型装置メーカーほど目立つ会社ではありませんが、半導体需要の広がりを見るうえでは面白い保有株です。

アドテック プラズマにも設備投資の波

もう一つ、小さく保有しているのがアドテック プラズマ テクノロジーです。保有は700株です。

主力は、半導体製造工程などで使われるプラズマ用高周波電源。

2026年8月期第3四半期決算では、会社が通期業績予想を大きく上方修正しました。

日本電子材料が半導体の「検査」に近い会社なら、アドテック プラズマは「製造設備」に近い会社です。

先端半導体への設備投資が増えれば、大型の製造装置だけでなく、その中で使われる電源などにも需要が波及します。

「AI関連」でひとくくりにはできない

6社を並べると、見るべき数字はかなり違います。

銘柄 決算で特に見たいもの
レーザーテック EUV関連の受注
東京エレクトロン 半導体設備投資
キオクシア NAND価格・SSD需要
信越化学 シリコンウエハー・半導体材料
日本電子材料 HBMなどメモリー向け検査需要
アドテック プラズマ 製造装置向け高周波電源需要

こうして並べると、「AI需要」という同じ追い風でも、業績への伝わり方はかなり違います。

今回は大型4社だけでなく、日本電子材料やアドテック プラズマにもその広がりが見えました。

保有株をまとめて確認したからこそ気づいた点でもあります。

まとめ

今回、保有株の決算をまとめて確認してみて、同じ半導体株でも見るべき数字がこれほど違うことを改めて感じました。

株価の上下だけではなく、その会社が半導体産業のどこで稼いでいるのか。

今後もそこを意識して決算を見ていきたいと思います。

投資に関するご注意

本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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