前回は、日本郵船で短期売買を3回繰り返し、合計約288万円の利益を得たところまでを振り返りました。
しかし、その成功が次の取引では油断につながります。 2022年6月8日、日本郵船を1株10,600円で1,000株、信用買いしました。 買付金額は1,060万円です。
ところが、それまでの3回とは違って株価は戻らず、短期売買のつもりだったポジションがそのまま含み損になりました。 2022年9月末の1対3の株式分割後は、3,000株、取得単価は約3,533円です。
- 1,060万円の信用買いは含み損になったが、高配当と低金利が支えになった
- 株価下落中も、日本郵船の魅力は変わらず、現物株を300株買い増した
- 含み損解消後は半分を売却し、300株を現引き、残る1,200株も整理した
- 最終的に、信用建玉は解消しつつ、現物600株を残した
約106万円の信用配当落調整金が支えになった
含み損になっても、私は日本郵船そのものを悲観していたわけではありませんでした。 海運市況のピークアウトは気になっていましたが、日本郵船は利益水準が高く、配当も非常に大きかったからです。
実際、信用建玉を保有していたことで、2022年12月に889,192円、2023年6月に172,757円の信用配当落調整金が入りました。 合計で1,061,949円です。 さらに現物600株から81,279円の配当があり、確認できる配当関連入金は合計1,143,228円となりました。
当時の野村證券の信用金利は低く、私の感覚では信用配当落調整金だけでも保有期間中の金利負担を上回っていました。 これが、含み損でも慌てて売らずに持ち続けられた大きな理由です。
もちろん、高配当だから信用取引が安全になるわけではありません。 株価下落や減配、信用維持率のリスクは残ります。 今回、配当と低金利が有利に働いたことと、1,060万円もの信用ポジションが適切だったかは別問題です。
含み損の中で300株を現物買い
さらに私は、信用建玉で含み損を抱えながら、日本郵船の現物株も買っていました。 2022年11月から2023年1月にかけて100株ずつ、合計300株です。
| 約定日 | 取引 | 株数 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 2022年11月9日 | 現物買い | 100株 | 2,681円 |
| 2022年11月11日 | 現物買い | 100株 | 2,702.5円 |
| 2023年1月16日 | 現物買い | 100株 | 3,002円 |
ただし、これは信用建玉をさらに膨らませるナンピンとは少し意味が違います。 日本郵船そのものには引き続き魅力を感じていたため、ほかの売買で得た利益を使い、長期保有用の現物株として買いました。
すでに信用3,000株を抱えていたので、さらに信用買いを重ねるのではなく、現物として少しずつ増やした形です。 このあたりから、信用で抱えたポジションと、長期で持ちたい現物株を分けて考えるようになりました。
第2部の対象期間に絞った売買チャート
第2部で扱うのは、2022年6月8日の1,060万円の信用買いから、2023年8月3日に残る信用建玉を整理するまでの期間です。 第1部で使った全体チャートよりも、今回の取引の流れが見やすいように、第2部の対象期間に絞ったチャートを使います。
含み損が消えたところで半分を売却
株価はその後回復し、2023年2月24日、取得単価付近まで戻ってきました。 ここで信用建玉3,000株のうち1,500株を返済売りしました。 売却価格は平均約3,561円。実現損益は合計+9,626円です。 ほぼ買値撤退でした。
ただ、この時に重要だったのは利益額ではありません。 日本郵船の先行きを悲観したから売ったのではなく、当時の投資総額に対して信用ポジションが大きすぎたため、含み損が消えたところで半分に減らしたかったのです。 3,000株を1,500株まで減らせたことに意味がありました。
| 約定日 | 取引 | 株数 | 売値 | 実現損益 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年2月24日 | 信用返済売り | 500株 | 3,568円 | +12,841円 |
| 2023年2月24日 | 信用返済売り | 1,000株 | 3,557円 | -3,215円 |
| 合計 | +9,626円 | |||
300株を現引きして現物600株へ
一方で、残った信用建玉をすべて売ったわけではありません。 2023年3月に合計300株を現引きしました。
| 約定日 | 取引 | 株数 | 単価 |
|---|---|---|---|
| 2023年3月1日 | 現引き | 200株 | 3,533円 |
| 2023年3月8日 | 現引き | 100株 | 3,533円 |
現引きは新しく買った取引ではなく、保有していた信用建玉を現物株へ切り替えたものです。 すでに現物で買っていた300株と合わせて、現物保有は600株になりました。
信用ポジションは減らしたい。 しかし、日本郵船そのものは全部手放したくない。 そこで、一部だけを現物として残す形にしました。
2023年8月、残る信用1,200株を整理
現引き後に残った信用建玉は1,200株です。 2023年8月3日にすべて返済売りし、合計+162,911円を確定しました。 2023年2月に売却した1,500株と合わせると、信用建玉の返済売りによる実現損益は+172,537円です。
| 約定日 | 取引 | 株数 | 売値 | 実現損益 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年8月3日 | 信用返済売り | 900株 | 3,685円 | +122,452円 |
| 2023年8月3日 | 信用返済売り | 300株 | 3,686円 | +40,459円 |
| 合計 | +162,911円 | |||
分割後3,000株になった信用建玉は、最終的に次のように整理しました。
- 2023年2月24日:1,500株を返済売り
- 2023年3月:300株を現引き
- 2023年8月3日:1,200株を返済売り
これで、2022年6月に1,060万円から始まった信用ポジションはすべて解消しました。 一方で、現物買い300株と現引き300株の合計600株は、そのまま残しました。 信用取引は終わらせましたが、日本郵船への投資そのものをやめたわけではありません。
結果は助かったが、最初のポジションは大きすぎた
結果として、信用建玉の返済では損失を出さず、+172,537円。 さらに約114万円の配当関連入金があり、現物600株も残りました。 数字だけを見れば、かなりうまく整理できたように見えます。
ただ、そもそもの原因は、短期売買が3回続けて成功したことで警戒心が薄れ、1,060万円まで信用ポジションを大きくしたことです。 株価が戻ったから整理できただけで、さらに下がっていた可能性もありました。
その意味で、含み損が解消したところで半分を売り、その後も信用建玉を減らしながら一部だけ現物に残した判断はよかったと思っています。
高配当は含み損に耐える理由にはなっても、大きすぎる信用ポジションを正当化する理由にはならない。
約1年かけて信用建玉を整理した日本郵船の取引は、そのことを改めて実感したケースでした。
投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。



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