第1部では、日銀がなぜ利上げしたのか、短期金利と長期金利、イールドカーブの関係を整理しました。
今回は、その答え合わせです。
日銀利上げ後の約1か月で、三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGは、いずれもTOPIXを上回りました。
日本株全体が大きく上昇したのではありません。TOPIXがほぼ横ばいだった期間に、メガバンク3行は約6~10%上昇しました。
・メガバンク3行は、利上げ後の約1か月でTOPIXを明確に上回った
・3行の中では三菱UFJの上昇率が最も高かった
・保有継続と、上昇後の買い増しは分けて考える必要がある
メガバンク3行はTOPIXをどれだけ上回ったか
比較したのは、2026年6月17日の終値と、約1か月後となる7月14日の終値です。
日経平均は値がさ株や半導体株の影響が大きいため、今回は日本株全体との比較対象としてTOPIXを使いました。
| 銘柄・指数 | 6月17日終値 | 7月14日終値 | 上昇率 | TOPIXとの差 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱UFJ FG | 3,272円 | 3,600円 | 約10.0% | 約+9.4ポイント |
| 三井住友FG | 6,450円 | 6,967円 | 約8.0% | 約+7.4ポイント |
| みずほFG | 8,006円 | 8,480円 | 約5.9% | 約+5.3ポイント |
| TOPIX | 4,013.23 | 4,038.98 | 約0.6% | ― |
TOPIXが約0.6%の上昇にとどまった一方、メガバンク3行は約6~10%上昇しました。
同じ日本株市場の中でも、銀行株が相対的に強かったことが分かります。
TOPIXにはメガバンク3行自身も含まれているため、完全に独立した比較ではありません。それでも、3行がTOPIXを大きく上回ったという結果は変わりません。
※2026年6月17日の終値を100として、メガバンク3行とTOPIXの日次推移を指数化しています。
6月17日を100として指数化すると、7月14日時点では三菱UFJが約110、三井住友FGが約108、みずほFGが約106、TOPIXが約101となります。
終点だけを見ても、銀行株の強さはかなり明確です。
利上げ後に一直線で上昇したわけではない
ただし、利上げ後に買えば、そのまま毎日上がったわけではありません。
三菱UFJは6月17日の3,272円から上昇した後、6月末には3,200円台まで下落しました。みずほFGも一度上昇した後、6月末に調整しています。
その後、7月に入って3行とも再び上昇しました。
つまり、発表直後の勢いだけで一方向に買われたわけではありません。一度調整を挟んでも再び上昇したことから、今回の利上げだけでなく、その先の金利正常化まで意識された可能性があります。
一方で、利上げ直後の高値で買っていれば、一時的に含み損になった場面もありました。
「銀行株なら利上げ後に買えばよい」というほど、単純な値動きではありません。
なぜメガバンク株は強かったのか
中心にあったのは、国内金利上昇による資金利益改善への期待だと思います。
貸出金利や有価証券の運用利回りが上がれば、超低金利下よりも銀行は利益を出しやすくなります。
また、株価は今回の利上げだけでなく、その後の追加利上げまで先回りして織り込んだ可能性があります。
ただし、株価上昇のすべてを利上げだけで説明するのは雑です。
メガバンク各社には、増益や増配、自社株買い、政策保有株の売却といった材料もあります。金利正常化への期待に、業績と株主還元への評価が重なったと見る方が自然です。
3行すべてがTOPIXを上回った
今回は三菱UFJが約10%、三井住友FGが約8%、みずほFGが約6%の順となりました。
みずほFGもTOPIXを約5.3ポイント上回っており、1社だけが買われたのではなく、銀行株全体が強かったと見ています。
ただし、過去1か月の上昇率と、これからの投資妙味は別です。
今回最も上がった三菱UFJが、今後も最も有望とは限りません。反対に、上昇率が小さかったみずほFGを「出遅れ」と判断するのも早いと思います。
自分は「買うか」より「持ち続けるか」を考える立場
自分の場合、メガバンク株をこれから買うかどうかを考える段階ではありません。
2025年12月末の野村證券口座では、三菱UFJを35,000株、三井住友FGを39,900株、みずほFGを2,090株保有していました。評価額は3行合計で約3億円です。
利上げ後に3行がそろってTOPIXを上回ったことは、保有者として素直にうれしい結果です。
長く続いた低金利の時代から銀行株を保有し、金利正常化を待ってきた判断は、少なくとも株価面では報われました。
ただし、株価が上がれば、銀行株が資産全体に占める割合も高くなります。
3行がそろって上がる日は資産全体も大きく増えますが、逆に銀行株が売られれば、同じ規模で減る状態です。上昇はうれしいものの、以前より銀行株への集中が重くなった実感があります。
今考えるべきなのは、銀行株を買うかではなく、ここまで上昇した主力株をどこまで持ち続けるかです。
保有を継続する判断と、現在の株価から買い増す判断は分けなければなりません。
以前の銀行株には、低PBR、高配当、金利正常化期待という分かりやすい割安感がありました。現在も金利上昇の恩恵は期待できますが、昔と同じ安さが残っているとは言いにくくなっています。
金利正常化を見込んだ保有は報われました。ただし、株価上昇によって銀行株への資産集中も強まっています。保有を続けることと、現在の株価から買い増すことは別に考えます。
金利上昇は無条件の追い風ではない
金利が上がれば、貸出金利だけでなく預金金利も上がります。
長期金利が急上昇すれば、保有債券の評価損が拡大する可能性もあります。景気が悪化すれば、貸出需要の減少や与信費用の増加も考えられます。
また、株価が追加利上げを織り込んでいる場合、利上げ停止や利下げ観測が出ただけでも反落する可能性があります。
メガバンクに都合がよいのは、金利の急騰ではありません。景気を壊さない程度に、緩やかに金利が上がることです。
まとめ
日銀利上げ後の約1か月では、メガバンク3行すべてがTOPIXを上回りました。「利上げは銀行株に追い風」という理屈は、株価面でも確認できたと思います。
ただし、約6~10%上昇した現在は、追い風の有無より、その期待がどこまで株価に織り込まれたかを見る段階です。
自分は引き続き保有しますが、保有継続と今からの買い増しは分けて考えます。上昇を喜ぶだけでなく、さらに強まった銀行株への集中にも注意したいと思います。
投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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