今回から、住友金属鉱山の売買を振り返っていきます。
以前の記事では、DOWAホールディングスの取引について書きました。
DOWAでは、非鉄金属市況に期待して買ったものの、ポジションが重くなり、最後は損切りすることになりました。
実は、そのDOWAと同じ時期に、住友金属鉱山も売買していました。
住友金属鉱山は、銅、金、ニッケル、電池材料などを手がける非鉄金属の大手企業です。
自分の中では、DOWAよりも規模が大きく、安心感のある銘柄でした。
また、当時は銅の将来性にも期待していました。
脱炭素、電動化、再生可能エネルギー、インフラ投資。
そういった流れを考えると、銅の需要は長期的には明るいのではないか。
そのくらいの感覚はありました。
ただし、結果から言えば、2022年の住友金属鉱山も失敗でした。
しかも、2022年単体で見れば、DOWA以上に大きな損失を出しています。
住友金属鉱山の取引は、最終的にはプラスで終わります。
しかし、この第1部は成功談ではありません。
DOWAの反省を活かしたつもりが、またナンピンを急ぎすぎて、最後は心が折れて損切りした話です。
銅への期待と、住友金属鉱山への安心感
住友金属鉱山を買った理由の一つは、銅への期待でした。
当時の住友金属鉱山の業績は悪くありませんでした。
2022年3月期は、銅やニッケル価格が高水準で推移し、車載用電池向け部材の需要も強い時期でした。
数字だけを見ると、非鉄金属株にはまだ期待できるように見えました。
ただ、自分が本格的に業績を深く分析して買ったというよりは、
「非鉄金属はまだ強いのではないか」
「銅は将来性がありそう」
「住友金属鉱山ならDOWAより安心感がある」
このくらいの感覚が大きかったと思います。
ここは、今振り返ると少し甘かったです。
会社として良いことと、自分の買値が安全であることは別です。
長期的に銅の需要が伸びそうだと思うことと、信用取引で短期の下落に耐えられることも別です。
この違いを、当時はあまり分けて考えられていませんでした。
DOWAの反省を活かしたつもりだった
DOWAでは、高値で買ってしまいました。
その反省があったので、住友金属鉱山では、自分としては十分下がった位置で買ったつもりでした。
最初に買ったのは、2022年4月22日です。
信用買いで500株。
平均単価は6,131.8円でした。
その後、2022年4月26日に500株を平均5,407円で買い増ししました。
最初の買値から大きく下がっていたので、このあたりが底ではないかと思っていました。
特に5,400円台は、自分の中ではかなり安く見えていました。
DOWAで高値を掴んだ反省があったので、今度は下がったところで買えている。
そう考えていました。
ただ、チャートを見れば、過去に3,500円台まで下がったことがあるのは分かっていました。
分かっていたはずなのに、自分が買った後で本当にそこまで下がるとは思っていませんでした。
ここが大きな甘さでした。
5,400円台が底だと思い、ナンピンを急いだ
一番の失敗は、ナンピンの速さでした。
5,400円台が底に近いと思っていたので、その近辺でポジションを増やしました。
平均単価を下げておけば、株価が戻った時に利益を大きく取れる。
そういう気持ちもありました。
しかし、結果的には買い増しが早すぎました。
2022年4月22日に500株を買った後、4月26日に500株を買い増し。
さらに、5月25日、6月1日、6月9日にも、それぞれ500株ずつ買い増しています。
最初から2,500株まで買うつもりだったわけではありません。
ただ、下がるたびに「ここは安い」と思って買っているうちに、気が付いたらポジションが大きくなっていました。
売買履歴を整理すると、こうなります。
| 日付 | 内容 | 数量 | 平均単価 | 信用残 | 損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022/04/22 | 信用買い | 500株 | 6,131.8円 | 500株 | - |
| 2022/04/26 | 信用買い | 500株 | 5,407.0円 | 1,000株 | - |
| 2022/05/25 | 信用買い | 500株 | 5,449.0円 | 1,500株 | - |
| 2022/06/01 | 信用買い | 500株 | 5,364.2円 | 2,000株 | - |
| 2022/06/09 | 信用買い | 500株 | 5,474.4円 | 2,500株 | - |
| 2022/07/06 | 信用売決済 | 1,400株 | 3,873.4円 | 1,100株 | -2,256,982円 |
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| 住友金属鉱山の売買日プロット。2022年4月〜6月に買い増しを続け、7月6日に大きく損切りしている流れが分かります。 |
チャートで見ると、2022年4月から6月にかけて、下落途中で買い増していることが分かります。
自分としては、平均単価を下げているつもりでした。
しかし、実際には株価が戻る前に、信用ポジションだけが先に大きくなっていました。
ナンピンそのものが悪いとは思っていません。
ただ、この時は明らかに早かったです。
もっと間隔を空けるべきでした。
もっと資金余力を残すべきでした。
下がった時に、まだ動ける状態にしておくべきでした。
それができていなかったことが、後でかなり重くなりました。
業績よりも、目の前の市況悪化に飲まれた
当時の住友金属鉱山の業績だけを見れば、買いたくなる理由はありました。
2022年3月期は、銅やニッケルの価格上昇、電池材料の需要拡大もあり、かなり強い決算でした。
ただし、株価は過去の業績だけで動くわけではありません。
2022年の春から夏にかけて、銅市況は急速に悪化しました。
中国のロックダウン、世界景気の減速懸念、インフレ、金利上昇。
こうした材料で、景気敏感な銅は売られました。
住友金属鉱山の株価も、その流れに巻き込まれました。
銅の将来性が明るそうだと思ったこと自体は、当時の自分の投資理由の一つでした。
しかし、それはあくまで長期の話です。
信用取引で大きなポジションを持っている時に、短期の市況悪化に耐えられるかどうかは別問題でした。
ここを混同していたことも、失敗の原因だったと思います。
2022年7月6日、DOWAと同じタイミングで心が折れた
最終的に、2022年7月6日に住友金属鉱山を大きく損切りしました。
この日に信用売決済した数量は1,400株。
平均売却単価は約3,873円。
日次損益は、-2,256,982円でした。
しかも、この損切りは住友金属鉱山だけではありません。
同じ時期に、DOWAホールディングスも損切りしていました。
DOWAでは、2022年7月1日と7月6日に売却し、フェーズ1全体では-890,621円の損失になっています。
つまり、2022年7月6日は、自分にとって非鉄株のポジションをまとめて整理した日でした。
DOWAも切った。
住友金属鉱山も切った。
どちらも、非鉄金属市況に期待して買った銘柄です。
どちらも、下がったところで買ったつもりでした。
そして、どちらもナンピンでポジションが大きくなっていました。
この時は、冷静なルールに基づく損切りではありませんでした。
正直に言えば、心が折れたのだと思います。
5,400円台が底だと思って買い増した。
平均単価を下げて、上がった時に大きく利益を取りたいと思っていた。
しかし、株価はさらに下がっていった。
DOWAの含み損もありました。
非鉄株全体が崩れていく中で、信用ポジションの重さに耐えられなくなりました。
当時の感覚としては、損切りというより、ポジションの重さに負けた整理でした。
ただ、この損切りは後で後悔しました。
一時の気の迷いだったのではないか。
もう少し我慢できたのではないか。
そう思った記憶があります。
もちろん、これは結果論です。
さらに下がっていれば、損切りしてよかったという話になっていたかもしれません。
ただ、自分の中では、ルールに従って切ったというより、精神的に耐えられなくなって切った感覚が強かった。
だからこそ、後悔が残りました。
この失敗で学んだこと
この取引で学んだことは、ナンピンをしてはいけない、ということではありません。
問題は、ナンピンの速さとポジション量でした。
5,400円台が底だと思って買い増した。
平均単価を下げれば、上がった時に大きく取れると思った。
しかし、さらに下がった時のことを十分に考えていませんでした。
過去に3,500円台があったことは分かっていた。
それでも、自分のポジションがある状態では、そこまで下がる可能性を受け入れられませんでした。
会社として安心できることと、自分の買値が安全であることは別です。
銅の将来性に期待することと、信用取引で短期の下落に耐えられることも別です。
2022年の住友金属鉱山は、そのことを思い知らされた取引でした。
第1部のまとめ
住友金属鉱山の取引は、最終的にはプラスで終わります。
しかし、2022年だけを見れば完全な失敗でした。
銅の将来性に期待した。
DOWAの反省を活かし、十分下がったところで買ったつもりだった。
5,400円台が底だと思い、ナンピンでポジションを増やした。
平均単価を下げて、上がった時に大きく利益を取りたいという思いもありました。
しかし、株価はさらに下がりました。
そして最後は、DOWAと同じタイミングで心が折れ、大きく損切りしました。
この第1部だけを見れば、成功談ではありません。
むしろ、DOWAの反省を活かしたつもりで、もう一度同じ構造の失敗をしていた話です。
ただ、この取引はここで終わりませんでした。
この後、住友金属鉱山の売買は少しずつ変わっていきます。
2023年から2024年にかけて、損失を取り返していくことになります。
しかし、そこでもまた別の後悔が残ります。
それは、細かく売買しすぎて、2024年4月から7月の上昇を十分に取り切れなかったことです。
次回は、2022年の損切りから立て直しながらも、今度は「売り急ぎ」で大きな上昇を逃した話を書いていきます。
投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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