前回の記事では、DOWAホールディングスの短期売買を振り返りました。
2022年7月に大きく損切りした後も、高値で買った建玉は残っていました。
ただ、当時はすぐに買値まで戻るとは思えず、その建玉はいったん無視していました。
一方で、株価は4,000円台半ばまで下がっていたため、このあたりが当面の底値圏ではないかと考えていました。
そこで、高値建玉とは切り離し、別枠で短期売買を行いました。
結果として、2022年11月から2023年8月までの短期売買では、合計で+240,136円の利益を出すことができました。
ただし、それでDOWAの問題が終わったわけではありません。
最初に作った高値建玉は、まだ残ったままでした。
今回は、その高値建玉を2024年4月に損切りした話です。
2024年4月、5,600円台まで戻ってきた
2024年4月になり、DOWAの株価は5,600円台まで戻ってきました。
2022年から2023年にかけて4,000円台半ばまで下がっていた時期と比べれば、かなり戻った水準です。
ただ、買値の6,080円にはまだ届いていませんでした。
かなり戻った。
でも、買値には届いていない。
ここが、いったん整理するタイミングではないか。
この損切りは、信用建玉全体の含み損に追い込まれて行ったものではありません。
もちろん、2024年4月末時点では、信用取引全体で含み損はありました。
ただ、それ自体を大きな問題として見ていたわけではありません。
むしろ判断の中心にあったのは、DOWA単体の株価でした。
6,080円で買ったDOWAが、5,600円台まで戻ってきた。
買値には届かない。
しかし、かなり戻った。
ここを、損切りポイントと判断しました。
2024年4月、DOWAを1,000株損切り
取引残高報告書を見ると、2024年4月19日にDOWAホールディングスを合計1,000株売却しています。
もともとの買値はいずれも6,080円。
売却単価は5,661円から5,663円で、平均すると約5,662円でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 新規建日 | 2022年3月25日 |
| 売却日 | 2024年4月19日 |
| 株数 | 1,000株 |
| 買値 | 6,080円 |
| 売却単価 | 約5,662円 |
| 値動きによる損益 | -417,900円 |
| 手数料 | 795円 |
| その他経費 | 70,386円 |
| 手数料・その他経費合計 | 71,181円 |
| 最終損益 | -489,081円 |
値動きだけで見れば、損失は-417,900円でした。
そこに、手数料とその他経費を合わせた71,181円が加わり、最終損益は-489,081円となりました。
約2年保有して、コストは合計約7.1万円。
1年あたりにすると、ざっくり3.5万円程度です。
建玉額は約608万円だったので、保有コストそのものは、判断を大きく左右するほどではありませんでした。
そのため、このDOWAの損切りは、金利やコストに耐えられなくなって切ったものではありません。
むしろ、株価がかなり戻ってきたので、ここを損切りポイントと判断した取引でした。
DOWA全体の損益が確定した
これで、DOWAホールディングスの一連の取引は一区切りとなりました。
全体の損益は以下の通りです。
| フェーズ | 期間 | 内容 | 損益 |
|---|---|---|---|
| フェーズ1 | 2022年3月〜7月 | 非鉄市況に乗るつもりで大きく買い、ナンピン後に一部損切り | -890,621円 |
| フェーズ2 | 2022年11月〜2023年8月 | 高値建玉を無視し、短期売買では利益を出した | +240,136円 |
| フェーズ3 | 2024年4月 | 残っていた高値建玉を損切り | -489,081円 |
| 合計 | 2022年3月〜2024年4月 | DOWA全体の確定損益 | -1,139,566円 |
短期売買では勝てていました。
4,000円台半ばで買い、反発したところで売る。
その形自体は、ある程度できていました。
しかし、最初に作った高値建玉の損失が大きすぎました。
フェーズ2で+240,136円の利益を出しても、フェーズ1とフェーズ3の損失を埋めることはできませんでした。
最終的に、DOWA全体では-1,139,566円。
100万円を超える損失となりました。
ただし、口座全体は大きく育っていた
DOWAだけを見ると、かなり苦い取引でした。
約2年持ったあとに損切りし、その後に株価は上がっていきました。
ただ、この時点の口座全体を見ると、状況は少し違います。
2024年4月末の取引残高報告書では、国内株式等の評価額は210,290,700円でした。
現物株だけで見ると、2億円を超える規模になっていました。
つまり、DOWAでは100万円を超える損失を出していましたが、口座全体としてはすでに大きく育っていました。
ここが、この取引の難しいところです。
全体では勝っている。
しかし、個別の失敗は確かに残っている。
DOWAの損切りは、資産全体を壊すほどの失敗ではありませんでした。
それでも、自分の売買履歴として見ると、明確に反省すべき取引でした。
損切りしたあと、株価はさらに上を目指した
この取引で苦いのは、ここからです。
2024年4月に5,662円前後で損切りしたあと、DOWAの株価はさらに上を目指しました。
株価データを見ると、DOWAの2024年高値は6,236円でした。
自分の買値は6,080円だったので、2024年中に買値を上回る場面があったことになります。
つまり、結果だけを見れば、あと少し待てば買値付近、あるいは買値を上回るところで逃げられた可能性がありました。
自分が売った価格は約5,662円。
2024年高値の6,236円まで上がったとすると、売却価格からは約10%上昇したことになります。
ただし、2024年のDOWAが、そのまま一直線に上がり続けたわけではありません。
2024年の終値は4,456円でした。
つまり、2024年中には買値を上回る場面があった一方で、年末には再び大きく下がっていました。
ここが難しいところです。
損切り後に株価は買値を上回る場面があった。
しかし、その後はいったん下がった。
だから、単純に「持っていればすぐ助かった」とだけ言い切れる話でもありません。
それでも、さらに長い目で見ると、DOWAは大きく上がっていきます。
2025年の高値は7,859円、終値は7,432円でした。
さらに2026年には、年初来高値・上場来高値として11,880円をつけています。
売却価格の約5,662円と比べると、2025年高値の7,859円までは約39%上昇。
2026年高値の11,880円までは、約110%上昇した計算になります。
損切りしたあとに上がる。
投資ではよくある話ですが、自分の取引履歴として残ると、やはり重いものがあります。
それでも、単純に「切らなければよかった」とは言えない
結果だけを見れば、売らずに持っていればよかったことになります。
買値は6,080円でした。
損切りした水準は5,662円前後でした。
その後、2024年中に6,236円まで上がり、2025年には7,859円、2026年には11,880円まで上昇しました。
こうして数字を並べると、かなり悔しい取引です。
ただ、ここで単純に「切らなければよかった」とだけ考えると、また同じ失敗をすると思います。
なぜなら、この損切りは2024年4月の一日だけで決まったものではないからです。
2022年3月に大きく買った時点。
2022年5月にナンピンした時点。
2022年7月に一部だけ損切りして残した時点。
2022年から2023年にかけて、高値建玉を先送りした時点。
すべてがつながって、2024年4月の損切りになりました。
しかも、2024年の株価推移だけを見ても、判断は簡単ではありません。
2024年中に買値を上回る場面はありました。
しかし、年末には4,456円まで下がっています。
もし高値で売れずに持ち続けていれば、また含み損に戻っていた可能性もありました。
その後、2025年から2026年にかけて大きく上がったのは事実です。
ただ、それを当時の時点で確信できたわけではありません。
だから、この取引の反省は、あのとき売らなければよかった、だけでは足りません。
本当に考えるべきなのは、なぜ、そもそも2年近く判断を先送りする建玉になってしまったのか、ということでした。
「切らなければよかった」だけでは終わらせない
損切りしたあとに株価が上がると、どうしてもこう思います。
あのまま持っていればよかった。
実際、結果だけを見ればそうです。
5,662円前後で損切りせずに持っていれば、その後の上昇を取ることはできました。
ただ、この振り返りを、そこだけで終わらせてはいけないと思っています。
問題は、2024年4月に損切りしたことだけではありません。
もっと前から、失敗は始まっていました。
2022年3月に、短期売買のつもりで約912万円分を買ったこと。
2022年5月に、下がったところでさらに約454万円をナンピンしたこと。
2022年7月に一部を損切りしたものの、残りの高値建玉をそのまま抱えたこと。
2022年から2023年にかけて、短期売買では勝ちながらも、高値建玉の処理を先送りしたこと。
それらがすべてつながって、2024年4月の損切りになりました。
だから、反省すべきなのは、最後に切った一日だけではありません。
そもそも、耐えにくいサイズで入っていたこと。
そこが一番大きな失敗でした。
短期では勝てても、全体では負けることがある
DOWAは、まったく勝てない銘柄ではありませんでした。
第2部で振り返ったように、短期売買では利益を出せていました。
4,000円台半ばを底値圏と見て、反発したところを売る。
その判断自体は、悪くなかったと思います。
しかし、短期で勝てていても、全体の建玉管理ができていなければ、最終的には負けます。
高値建玉を抱えたまま、別枠で短期売買をして利益を出しても、それで問題が消えるわけではありません。
含み損の建玉は、別に存在し続けます。
それを処理しない限り、いつか確定損として表に出てきます。
DOWAでは、それが2024年4月でした。
短期売買の利益は積み上がっていました。
しかし、最初の大きな建玉の損失は、それ以上に重かった。
この銘柄で学んだのは、短期売買の勝ち負けだけではありません。
全体のポジションをどう管理するか。
そこを間違えると、部分的に勝っていても、最終的には負けるということでした。
保有コストが小さかったからこそ、判断は難しかった
今回のDOWAは、約2年持ち続けた建玉でした。
信用取引なので、本来であれば金利や手数料も気になるところです。
ただ、実際には、このポジションを持ち続けるコストは、それほど大きな問題ではありませんでした。
報告書から確認できる手数料とその他経費の合計は、71,181円。
約2年保有して、コストは約7.1万円です。
1年あたりにすれば、ざっくり3.5万円程度。
建玉額が約608万円だったことを考えると、このコストそのものが損切り判断を急がせたわけではありません。
ここも、この取引を難しくしていた部分です。
保有コストが重ければ、もっと早く整理していたかもしれません。
しかし、金利負担がそこまで重くなかったため、持ち続けること自体はできてしまいました。
その結果、2年近く高値建玉を抱え続けることになりました。
コストが小さいことは、一見すると良いことです。
しかし、見方を変えると、判断を先送りしやすくなるという面もあります。
DOWAでは、まさにそれが起きていました。
DOWAで学んだこと
短期売買のつもりなら、短期で切れるサイズにする。
長く持つなら、持ち続ける根拠と余力を持つ。
高値建玉を先送りしても、問題は消えない。
短期で利益を出しても、高値建玉の含み損は別問題。
そして、保有コストが小さいからといって、判断を先送りしてよいわけではない。
DOWAでは、損切りのタイミングだけが問題だったわけではありません。
最初のポジションサイズが大きすぎました。
短期のつもりで大きく入り、下がったところでナンピンし、最後は高値建玉を抱え続けることになりました。
そして、約2年後に損切りしました。
その後、株価は上がっていきました。
結果だけを見れば、切らなければよかった取引です。
しかし、そこだけを見ると、また同じ失敗をすると思います。
本当に反省すべきなのは、最後の損切りではなく、最初に耐えにくいポジションを作ったことでした。
シリーズ全体のまとめ
DOWAホールディングスの取引全体では、確定損益は-1,139,566円でした。
第1部では、非鉄市況に乗るつもりで大きく買い、ナンピン後に一部損切りした話を書きました。
第2部では、高値建玉を抱えたまま、4,000円台半ばで短期売買を行い、そこでは利益を出していた話を書きました。
そして第3部では、最後に残っていた高値建玉を2024年4月に損切りし、その後に株価が上がっていった話を振り返りました。
DOWAは、単純にダメな銘柄ではありませんでした。
短期売買では勝てていました。
それでも、最初に作った大きな高値建玉が重すぎました。
損切りしたあとに株価が上がったことは、確かに悔しい結果です。
しかし、反省すべきなのは、最後に切ったことだけではありません。
短期のつもりで大きく入りすぎたこと。
下がったところでナンピンしたこと。
高値建玉を先送りしたこと。
保有コストが小さかったために、持ち続けられてしまったこと。
その積み重ねが、最後の損切りにつながりました。
DOWAで学んだのは、損切りの現実です。
そしてそれ以上に、最初のポジションサイズを間違えると、その後のすべての判断が難しくなるということでした。
全体では勝っていても、個別の失敗は消えない。
DOWAは、そのことをはっきり教えてくれた取引でした。
※本記事は自身の売買履歴を振り返る記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資に関するご注意
本記事は、筆者自身の投資経験や売買記録をもとにした個人的な振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。 株式投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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